[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。

キャロル

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5 穏やかな……日々

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マリアンヌは愛のある結婚はできなかったが、それはそれは充実した日々を送っていた。

結婚して早半年が過ぎていた。

レイン国王が番に拘っていた為、当初からこの結婚を快く思っていなかった。
たとえ獣人といえど王族たる者政略結婚は拒むことができず重鎮に説得させやれ渋々形だけならと承諾した結果がこれである。

王族同士の結婚にも関わらず式の参列者も自国の重役とマリアンヌの兄だけだという簡素なものにしたのだそのお陰でレインの妻となったマリアンヌを知るものは少ない。

本来なら、こんな扱いに王太子であるマリアンヌの兄の怒りを買う所だが、いずれ離縁させる算段であった為マリアンヌの存在を知るものは少ない方が都合が良かったとこもありレインの対応を放置した。



マリアンヌは結婚当初この国になれるまでしばらく引きこもりの日々を送るのではと思っていたが、思わぬ強い味方ができて自由に離宮から出て王都を散策することができていた。

その強い味方とは……勿論この男

「ねぇ、ギスラン、今日は美容クリームの材料となる薬草を取りに行きたいんだけど……それと野生のピッグと火鳥を使った料理を作りたいから、狩りと採取両方できる森に連れて行ってくれる?」

「狩りと薬草採取ですか、_そうですねぇ、ここから少し離れていますがギザの森なら両方手に入りますね、一度行けば次はマーキングしておけばゲートで簡単に行くことができるでしょうから問題ないでしょう。ロイの索敵魔法で危険は察知できますから、マリアンヌ様はメイと薬草採取をゆっくりしてください。その間に私は狩りをしておきますよ」



この半年の間、数日に一度の割合でマリアンヌはギスランと出かけ色んな所をみて周り自由を満喫していた。
出かける時は勿論マリアンヌは魔術で髪色を平凡な茶色に変え簡素な服装をしていたがどんな色をしてもその美少女っぷりは隠し切れてなく王都では密かに話題になっていた。

最近では、よそ見が多いマリアンヌの危なっかしさにはぐれるといけないからとギスランと手を繋いで歩いている。
マリアンヌは自国にいた時もよく兄とお忍びで街に出かけていたがその時も注意散漫なマリアンヌがはぐれない様にといつも手を繋いで歩いていた為差し出された手を素直にとっていた。

本来なら、主従が手を繋いで歩くなどあり得ないし一応書類上マリアンヌは既婚者なのだ。本来ならロイにも苦言を呈されるはずなのに、ギスランの行動になぜかロイもメイも口を挟まないのだ。

なぜなら、ギスランといる時のマリアンヌがとても楽しそうだからだ。それにギスランは………、



王都民はこの国最強騎士ギスランの事は当然知っているがマリアンヌのことを知っている者はいない、いくら獣人が番に重きを置く種族でも今は昔程ではない、中には番が醜悪だった為に身を滅ぼした者がいた、どんなに醜悪でも番と認識してしまうと番が全てとなってしまう獣人の習性を嫌悪したある獣人と人間の魔道士が開発したのが番認識阻害魔道具だった。この魔道具の普及によりいつ出会えるかわからない番を待つより最近では番に拘らず恋人や結婚相手を探す獣人も増えて来ていた。

番に拘らなければ伴侶として超優良物件であるギスランは多くの女性に結婚相手にと望まれていたが、全く見向きも熱烈ラブコールにも返事すらする事なかった。
今まで全く女っ気のなかったギスランが頻繁にマリアンヌと出かけ更にはデレデレと終始笑顔で楽しそうに歩いてるのだから噂にならないはずがない。瞬く間に噂になっていった。

“堅物ギスランに番ができたと…“

勿論そんな噂が流れていることなど知る由のないマリアンヌは今日もご機嫌でギスランと出かける準備をしているとメイがトレイに一通の手紙を載せて部屋に入ってきた。

「姫様、大変申し上げにくいのですが……ランバート様より手紙を預かりまして…必ずお読みいただくようにと…」

メイに渡された手紙に押された蝋印を見て溜息をついた。

(またか…。)

離宮に住むようになってからなぜか頻繁に届く国王レインからの手紙、マリアンヌはこの国に来たときの対応や1番最初に受け取ったレインからの手紙があまりに酷い内容だった為このレインからの手紙を開封する事なくそのまま丁重にお返ししていた。

(あれ程私を拒絶していたのに…全く何がしたいのか意味がわからないわ、ランバートに聞いたら、特に獣人の王族は妻を囲う習性があり王妃としての公務は少なく各国の要人を招待した時以外特にないと言っていた。
それに今年は公務予定は入っていないから公務がない以上私に用はないはずなんだけど…それに今後の為に私が表に出ない方が陛下にとっても都合がいいと思うんだけど)


心底うんざりしていたマリアンヌはそれを読むことなかったが、あまりに頻繁に届く手紙を面倒だと思っていたが無視攻撃も意味がないようなのでしょうがなくレインに手紙を書くことにした。



その内容は

**国王様へ**

失礼を承知で手紙にて気持ちを伝えることをお許しください。

どういう思惑でお手紙をくださっているのか分かりませんが、私は今後も封を開けるつもりはございません。

今年は公務の予定はないと聞き及んでおりますので緊急な御用がある場合はランバートに口頭にて伝えていただきたく存じます。

差し出がましくもここからは私の提案です。

私の存在を知るものはこの国には式に参列した数名の重鎮意外いませんし国王様が書類上とはいえ婚姻されている事すら知っている国民はいないでしょう。

今後迎えられる正式な王妃様の為にもこのまま私の存在を知られることなく1年半後に離縁する方がお互いのための最善と思っております。
国民が私の存在を知らぬ事は幸いですので国王様は独身として振る舞うことを推奨いたしますので私の存在はお忘れ頂きたく存じます。

良いかたと巡りあい良き統治者としてご活躍されることを心よりお祈りいたします。

追伸_お会いする時は白い結婚による婚姻無効の手続きの時となるでしょう。

      **マリアンヌ**

        
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