5 / 30
5 穏やかな……日々
しおりを挟む
マリアンヌは愛のある結婚はできなかったが、それはそれは充実した日々を送っていた。
結婚して早半年が過ぎていた。
レインが番に拘っていた為、当初からこの結婚を快く思っていなかった。
たとえ獣人といえど王族たる者政略結婚は拒むことができず重鎮に説得させやれ渋々形だけならと承諾した結果がこれである。
王族同士の結婚にも関わらず式の参列者も自国の重役とマリアンヌの兄だけだという簡素なものにしたのだそのお陰でレインの妻となったマリアンヌを知るものは少ない。
本来なら、こんな扱いに王太子であるマリアンヌの兄の怒りを買う所だが、いずれ離縁させる算段であった為マリアンヌの存在を知るものは少ない方が都合が良かったとこもありレインの対応を放置した。
マリアンヌは結婚当初この国になれるまでしばらく引きこもりの日々を送るのではと思っていたが、思わぬ強い味方ができて自由に離宮から出て王都を散策することができていた。
その強い味方とは……勿論この男
「ねぇ、ギスラン、今日は美容クリームの材料となる薬草を取りに行きたいんだけど……それと野生のピッグと火鳥を使った料理を作りたいから、狩りと採取両方できる森に連れて行ってくれる?」
「狩りと薬草採取ですか、_そうですねぇ、ここから少し離れていますがギザの森なら両方手に入りますね、一度行けば次はマーキングしておけばゲートで簡単に行くことができるでしょうから問題ないでしょう。ロイの索敵魔法で危険は察知できますから、マリアンヌ様はメイと薬草採取をゆっくりしてください。その間に私は狩りをしておきますよ」
この半年の間、数日に一度の割合でマリアンヌはギスランと出かけ色んな所をみて周り自由を満喫していた。
出かける時は勿論マリアンヌは魔術で髪色を平凡な茶色に変え簡素な服装をしていたがどんな色をしてもその美少女っぷりは隠し切れてなく王都では密かに話題になっていた。
最近では、よそ見が多いマリアンヌの危なっかしさにはぐれるといけないからとギスランと手を繋いで歩いている。
マリアンヌは自国にいた時もよく兄とお忍びで街に出かけていたがその時も注意散漫なマリアンヌがはぐれない様にといつも手を繋いで歩いていた為差し出された手を素直にとっていた。
本来なら、主従が手を繋いで歩くなどあり得ないし一応書類上マリアンヌはまだ既婚者なのだ。本来ならロイにも苦言を呈されるはずなのに、ギスランの行動になぜかロイもメイも口を挟まないのだ。
なぜなら、ギスランといる時のマリアンヌがとても楽しそうだからだ。それにギスランは………、
王都民はこの国最強騎士ギスランの事は当然知っているがマリアンヌのことを知っている者はいない、いくら獣人が番に重きを置く種族でも今は昔程ではない、中には番が醜悪だった為に身を滅ぼした者がいた、どんなに醜悪でも番と認識してしまうと番が全てとなってしまう獣人の習性を嫌悪したある獣人と人間の魔道士が開発したのが番認識阻害魔道具だった。この魔道具の普及によりいつ出会えるかわからない番を待つより最近では番に拘らず恋人や結婚相手を探す獣人も増えて来ていた。
番に拘らなければ伴侶として超優良物件であるギスランは多くの女性に結婚相手にと望まれていたが、全く見向きも熱烈ラブコールにも返事すらする事なかった。
今まで全く女っ気のなかったギスランが頻繁にマリアンヌと出かけ更にはデレデレと終始笑顔で楽しそうに歩いてるのだから噂にならないはずがない。瞬く間に噂になっていった。
“堅物ギスランに番ができたと…“
勿論そんな噂が流れていることなど知る由のないマリアンヌは今日もご機嫌でギスランと出かける準備をしているとメイがトレイに一通の手紙を載せて部屋に入ってきた。
「姫様、大変申し上げにくいのですが……ランバート様より手紙を預かりまして…必ずお読みいただくようにと…」
メイに渡された手紙に押された蝋印を見て溜息をついた。
(またか…。)
離宮に住むようになってからなぜか頻繁に届く国王レインからの手紙、マリアンヌはこの国に来たときの対応や1番最初に受け取ったレインからの手紙があまりに酷い内容だった為このレインからの手紙を開封する事なくそのまま丁重にお返ししていた。
(あれ程私を拒絶していたのに…全く何がしたいのか意味がわからないわ、ランバートに聞いたら、特に獣人の王族は妻を囲う習性があり王妃としての公務は少なく各国の要人を招待した時以外特にないと言っていた。
それに今年は公務予定は入っていないから公務がない以上私に用はないはずなんだけど…それに今後の為に私が表に出ない方が陛下にとっても都合がいいと思うんだけど)
心底うんざりしていたマリアンヌはそれを読むことなかったが、あまりに頻繁に届く手紙を面倒だと思っていたが無視攻撃も意味がないようなのでしょうがなくレインに手紙を書くことにした。
その内容は
**国王様へ**
失礼を承知で手紙にて気持ちを伝えることをお許しください。
どういう思惑でお手紙をくださっているのか分かりませんが、私は今後も封を開けるつもりはございません。
今年は公務の予定はないと聞き及んでおりますので緊急な御用がある場合はランバートに口頭にて伝えていただきたく存じます。
差し出がましくもここからは私の提案です。
私の存在を知るものはこの国には式に参列した数名の重鎮意外いませんし国王様が書類上とはいえ婚姻されている事すら知っている国民はいないでしょう。
今後迎えられる正式な王妃様の為にもこのまま私の存在を知られることなく1年半後に離縁する方がお互いのための最善と思っております。
国民が私の存在を知らぬ事は幸いですので国王様は独身として振る舞うことを推奨いたしますので私の存在はお忘れ頂きたく存じます。
良いかたと巡りあい良き統治者としてご活躍されることを心よりお祈りいたします。
追伸_次にお会いする時は白い結婚による婚姻無効の手続きの時となるでしょう。
**マリアンヌ**
結婚して早半年が過ぎていた。
レインが番に拘っていた為、当初からこの結婚を快く思っていなかった。
たとえ獣人といえど王族たる者政略結婚は拒むことができず重鎮に説得させやれ渋々形だけならと承諾した結果がこれである。
王族同士の結婚にも関わらず式の参列者も自国の重役とマリアンヌの兄だけだという簡素なものにしたのだそのお陰でレインの妻となったマリアンヌを知るものは少ない。
本来なら、こんな扱いに王太子であるマリアンヌの兄の怒りを買う所だが、いずれ離縁させる算段であった為マリアンヌの存在を知るものは少ない方が都合が良かったとこもありレインの対応を放置した。
マリアンヌは結婚当初この国になれるまでしばらく引きこもりの日々を送るのではと思っていたが、思わぬ強い味方ができて自由に離宮から出て王都を散策することができていた。
その強い味方とは……勿論この男
「ねぇ、ギスラン、今日は美容クリームの材料となる薬草を取りに行きたいんだけど……それと野生のピッグと火鳥を使った料理を作りたいから、狩りと採取両方できる森に連れて行ってくれる?」
「狩りと薬草採取ですか、_そうですねぇ、ここから少し離れていますがギザの森なら両方手に入りますね、一度行けば次はマーキングしておけばゲートで簡単に行くことができるでしょうから問題ないでしょう。ロイの索敵魔法で危険は察知できますから、マリアンヌ様はメイと薬草採取をゆっくりしてください。その間に私は狩りをしておきますよ」
この半年の間、数日に一度の割合でマリアンヌはギスランと出かけ色んな所をみて周り自由を満喫していた。
出かける時は勿論マリアンヌは魔術で髪色を平凡な茶色に変え簡素な服装をしていたがどんな色をしてもその美少女っぷりは隠し切れてなく王都では密かに話題になっていた。
最近では、よそ見が多いマリアンヌの危なっかしさにはぐれるといけないからとギスランと手を繋いで歩いている。
マリアンヌは自国にいた時もよく兄とお忍びで街に出かけていたがその時も注意散漫なマリアンヌがはぐれない様にといつも手を繋いで歩いていた為差し出された手を素直にとっていた。
本来なら、主従が手を繋いで歩くなどあり得ないし一応書類上マリアンヌはまだ既婚者なのだ。本来ならロイにも苦言を呈されるはずなのに、ギスランの行動になぜかロイもメイも口を挟まないのだ。
なぜなら、ギスランといる時のマリアンヌがとても楽しそうだからだ。それにギスランは………、
王都民はこの国最強騎士ギスランの事は当然知っているがマリアンヌのことを知っている者はいない、いくら獣人が番に重きを置く種族でも今は昔程ではない、中には番が醜悪だった為に身を滅ぼした者がいた、どんなに醜悪でも番と認識してしまうと番が全てとなってしまう獣人の習性を嫌悪したある獣人と人間の魔道士が開発したのが番認識阻害魔道具だった。この魔道具の普及によりいつ出会えるかわからない番を待つより最近では番に拘らず恋人や結婚相手を探す獣人も増えて来ていた。
番に拘らなければ伴侶として超優良物件であるギスランは多くの女性に結婚相手にと望まれていたが、全く見向きも熱烈ラブコールにも返事すらする事なかった。
今まで全く女っ気のなかったギスランが頻繁にマリアンヌと出かけ更にはデレデレと終始笑顔で楽しそうに歩いてるのだから噂にならないはずがない。瞬く間に噂になっていった。
“堅物ギスランに番ができたと…“
勿論そんな噂が流れていることなど知る由のないマリアンヌは今日もご機嫌でギスランと出かける準備をしているとメイがトレイに一通の手紙を載せて部屋に入ってきた。
「姫様、大変申し上げにくいのですが……ランバート様より手紙を預かりまして…必ずお読みいただくようにと…」
メイに渡された手紙に押された蝋印を見て溜息をついた。
(またか…。)
離宮に住むようになってからなぜか頻繁に届く国王レインからの手紙、マリアンヌはこの国に来たときの対応や1番最初に受け取ったレインからの手紙があまりに酷い内容だった為このレインからの手紙を開封する事なくそのまま丁重にお返ししていた。
(あれ程私を拒絶していたのに…全く何がしたいのか意味がわからないわ、ランバートに聞いたら、特に獣人の王族は妻を囲う習性があり王妃としての公務は少なく各国の要人を招待した時以外特にないと言っていた。
それに今年は公務予定は入っていないから公務がない以上私に用はないはずなんだけど…それに今後の為に私が表に出ない方が陛下にとっても都合がいいと思うんだけど)
心底うんざりしていたマリアンヌはそれを読むことなかったが、あまりに頻繁に届く手紙を面倒だと思っていたが無視攻撃も意味がないようなのでしょうがなくレインに手紙を書くことにした。
その内容は
**国王様へ**
失礼を承知で手紙にて気持ちを伝えることをお許しください。
どういう思惑でお手紙をくださっているのか分かりませんが、私は今後も封を開けるつもりはございません。
今年は公務の予定はないと聞き及んでおりますので緊急な御用がある場合はランバートに口頭にて伝えていただきたく存じます。
差し出がましくもここからは私の提案です。
私の存在を知るものはこの国には式に参列した数名の重鎮意外いませんし国王様が書類上とはいえ婚姻されている事すら知っている国民はいないでしょう。
今後迎えられる正式な王妃様の為にもこのまま私の存在を知られることなく1年半後に離縁する方がお互いのための最善と思っております。
国民が私の存在を知らぬ事は幸いですので国王様は独身として振る舞うことを推奨いたしますので私の存在はお忘れ頂きたく存じます。
良いかたと巡りあい良き統治者としてご活躍されることを心よりお祈りいたします。
追伸_次にお会いする時は白い結婚による婚姻無効の手続きの時となるでしょう。
**マリアンヌ**
70
あなたにおすすめの小説
あなたのためなら
天海月
恋愛
エルランド国の王であるセルヴィスは、禁忌魔術を使って偽の番を騙った女レクシアと婚約したが、嘘は露見し婚約破棄後に彼女は処刑となった。
その後、セルヴィスの真の番だという侯爵令嬢アメリアが現れ、二人は婚姻を結んだ。
アメリアは心からセルヴィスを愛し、彼からの愛を求めた。
しかし、今のセルヴィスは彼女に愛を返すことが出来なくなっていた。
理由も分からないアメリアは、セルヴィスが愛してくれないのは自分の行いが悪いからに違いないと自らを責めはじめ、次第に歯車が狂っていく。
全ては偽の番に過度のショックを受けたセルヴィスが、衝動的に行ってしまった或ることが原因だった・・・。
番認定された王女は愛さない
青葉めいこ
恋愛
世界最強の帝国の統治者、竜帝は、よりによって爬虫類が生理的に駄目な弱小国の王女リーヴァを番認定し求婚してきた。
人間であるリーヴァには番という概念がなく相愛の婚約者シグルズもいる。何より、本性が爬虫類もどきの竜帝を絶対に愛せない。
けれど、リーヴァの本心を無視して竜帝との結婚を決められてしまう。
竜帝と結婚するくらいなら死を選ぼうとするリーヴァにシグルスはある提案をしてきた。
番を否定する意図はありません。
小説家になろうにも投稿しています。
君は僕の番じゃないから
椎名さえら
恋愛
男女に番がいる、番同士は否応なしに惹かれ合う世界。
「君は僕の番じゃないから」
エリーゼは隣人のアーヴィンが子供の頃から好きだったが
エリーゼは彼の番ではなかったため、フラれてしまった。
すると
「君こそ俺の番だ!」と突然接近してくる
イケメンが登場してーーー!?
___________________________
動機。
暗い話を書くと反動で明るい話が書きたくなります
なので明るい話になります←
深く考えて読む話ではありません
※マーク編:3話+エピローグ
※超絶短編です
※さくっと読めるはず
※番の設定はゆるゆるです
※世界観としては割と近代チック
※ルーカス編思ったより明るくなかったごめんなさい
※マーク編は明るいです
番など、御免こうむる
池家乃あひる
ファンタジー
「運命の番」の第一研究者であるセリカは、やんごとなき事情により獣人が暮らすルガリア国に派遣されている。
だが、来日した日から第二王子が助手を「運命の番」だと言い張り、どれだけ否定しようとも聞き入れない有様。
むしろ運命の番を引き裂く大罪人だとセリカを処刑すると言い張る始末。
無事に役目を果たし、帰国しようとするセリカたちだったが、当然のように第二王子が妨害してきて……?
※リハビリがてら、書きたいところだけ書いた話です
※設定はふんわりとしています
※ジャンルが分からなかったため、ひとまずキャラ文芸で設定しております
※小説家になろうにも投稿しております
呪われた黒猫と蔑まれた私ですが、竜王様の番だったようです
シロツメクサ
恋愛
ここは竜人の王を頂点として、沢山の獣人が暮らす国。
厄災を運ぶ、不吉な黒猫──そう言われ村で差別を受け続けていた黒猫の獣人である少女ノエルは、愛する両親を心の支えに日々を耐え抜いていた。けれど、ある日その両親も土砂崩れにより亡くなってしまう。
不吉な黒猫を産んだせいで両親が亡くなったのだと村の獣人に言われて絶望したノエルは、呼び寄せられた魔女によって力を封印され、本物の黒猫の姿にされてしまった。
けれど魔女とはぐれた先で出会ったのは、なんとこの国の頂点である竜王その人で──……
「やっと、やっと、見つけた──……俺の、……番……ッ!!」
えっ、今、ただの黒猫の姿ですよ!? というか、私不吉で危ないらしいからそんなに近寄らないでー!!
「……ノエルは、俺が竜だから、嫌なのかな。猫には恐ろしく感じるのかも。ノエルが望むなら、体中の鱗を剥いでもいいのに。それで一生人の姿でいたら、ノエルは俺にも自分から近付いてくれるかな。懐いて、あの可愛い声でご飯をねだってくれる?」
「……この周辺に、動物一匹でも、近づけるな。特に、絶対に、雄猫は駄目だ。もしもノエルが……番として他の雄を求めるようなことがあれば、俺は……俺は、今度こそ……ッ」
王様の傍に厄災を運ぶ不吉な黒猫がいたせいで、万が一にも何かあってはいけない! となんとか離れようとするヒロインと、そんなヒロインを死ぬほど探していた、何があっても逃さない金髪碧眼ヤンデレ竜王の、実は持っていた不思議な能力に気がついちゃったりするテンプレ恋愛ものです。
世界観はゆるふわのガバガバでつっこみどころいっぱいなので何も考えずに読んでください。
※ヒロインは大半は黒猫の姿で、その正体を知らないままヒーローはガチ恋しています(別に猫だから好きというわけではありません)。ヒーローは金髪碧眼で、竜人ですが本編のほとんどでは人の姿を取っています。ご注意ください。
彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる