[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。

キャロル

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12 だから無理だってば

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「「「は?」」」

レイン以外の3人の声が揃った。
離縁はしないと言い放ち子供のようにプイッと拗ねたレインに呆れながらマリアンヌは小さい子供に話しかけるように言葉を紡いだ。

「陛下?お忘れですか?これは魔法による誓約なんですよ!たとえ陛下でも反故にする事はできないのですよ…、よくお分かりの筈ですが?」

「…知っている、だ、だが、あの内容は私に番が現れたらその番とすぐに結婚できるようにという意味合いを持っているのだろ?ならば結局離縁しても番と結婚という事になるなら私の番であるマリアンヌと離縁する意味はないではないか?」

「……陛下、……確かに文面からはそのように受け取られても致し方ありませんが……この場合…その主張は屁理屈というものではないですか?そんな屁理屈が通用するとお思いですか?」

「グ!…だ、…な、ならば、速やかにとは記載されてたが明確に速やかの期限は決められていない!だから…まだ離縁はしない!……も、もう少し待ってくれ!こ、心に準備をさせてくれ!」

マリアンヌ他2名は悪あがきするレインに、何が心の準備だ!充分準備期間があったろうが、1年も前から…と思ったが呆れすぎて誰もその事を口にしなかった。

「陛下、準備だろうがいずれ離縁することは決まっていた事です。何言われても無理なんですってば!」

「そこをなんとか……」

何がそこをなんとかだ!値切り交渉でもあるまいに…ランバートは額に手を当て天を仰いだ……人望熱く仕事は優秀だが番にこだわりすぎて恋愛経験ゼロのポンコツ男の言語能力の低さに


「……陛下、ズルズル伸ばしても同じことですよ…丁度2ヶ月後に私のマリアンヌ兄が完成した結界強化の装置を持ってこちらに来ると連絡がありましたが陛下の所にも親書として連絡来てますよね?私が番だったことで色々と事情が変わってしまいましたが丁度いい機会です、兄と今後について相談しょうと思います。兄の返答次第では私は兄とともにダイヤ王国に帰ることになるかもしれません。その時は離縁していただけますね?その時はよろしくお願いします。」

「………、どうあってもダメ…なのか?…魔道具を双方が装備してる今…番としてではなく1人の女性として私はレインマリアンヌを好ましく思っているのだが…側にいてはくれないのか?」

「陛下、御言葉ですが私の記憶では陛下にお会いしたのは今日で2回目です。更にまともに言葉を交わしたのは今回が初めてではないですか?そのような方に好ましいと言われても私の何を見て知って好ましいと仰いますの?
話もした事もない相手を好ましいと?顔ですか?それとの体ですか?」

「…確かに顔も体も好み…い、いや、ちが、…違わないが…ひ、一目惚れ?…そう、一目惚れだ!」

「………、はぁ、今の言葉で私の陛下への評価が更に下がりました。残念です。これ以上お話しする事はありませんお引き取りいただいてよろしいでしょうか?」

「…………、」

すっかりマリアンヌの評価が下り冷たい視線を浴びて萎れた花のようになってしまったレインを見かねたランバートは

「陛下、マリアンヌ様を困らせる為にここに来たのではないですよね、全くしっかりしてください!…今日はこの辺で失礼しましょう。今回は謝罪と番だということを伝えることが目的だったのですから、さぁ、戻りましょう。…マリアンヌ様、突然先ぶれもなく押しかけるように来たにもかかわらず対応していただき有難うございました。」

ランバートは一向に立とうとしないレインを強引に引きずるようにして部屋を後にした。
引きずられながらレインはもう少しだのランバートはずるいだのとブツブツ愚痴っていたがマルっと無視され連れて行かれた。

レインとランバートが去った後はマリアンヌとギスランはお互い見つめ合い同時にハァァっと溜息を漏らしながらそれぞれ左手の薬指を撫でていた。
静まり返った部屋でレインが部屋を出た後ギスランはマリアンヌの隣に腰掛けそっと肩を抱き寄せた。


ギスランは内心マリアンヌが魔法誓約書を交わしていた事に安堵していた、もし誓約書が交わされていなければレインがマリアンヌを番と認識した時点で囲いに入っただろう事が予想できたからだ。
少しでも出会いのタイミングがズレていたら、国王が最初から真摯な態度で接していたなら……マリアンヌ様は私を見てくれたのだろうか?

相手は国王、しかも番、……伯父上の言葉が頭をよぎる。

“身分や立場が立ちはだかっても掴んだ手を離してはいけない“

もしもなどそんな事を考えるな!今、マリアンヌ様の心はギスランにある大丈夫だ!不安を薙ぎ払うようにギスランは自分にそう言い聞かせた…。


「マリアンヌ様、…たとえ陛下が番だとしても私は決してマリアンヌ様を渡さない!この手を離しはしない。絶対に…」

ギスランのその言葉にマリアンヌは静かに頷いた。
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