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13 マリアンヌ
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国王の突然の訪問と衝撃的な告白に驚いた一日だったマリアンヌは1人自室のベットにコロンと横になり今日の出来事を振り返っていた。
驚いた、まさか私が陛下の番だったなんて…信じられないわ!
ランバートの番が私の侍女のメイだということにも驚いたけど…ランバートの態度を見ているから番が獣人にとって特別な存在なのは理解してはいるのだけど……、それでも私は……。
ランバートの話では近年では魔道具の普及もあるがそもそも番という存在自体減ってきているようだと…ただ結婚後番が現れた時に不幸を招く事を懸念して既婚者は番認識阻害魔道具をつけているらしい。
番にというより結婚自体に興味がなかったランバートは魔道具を装着しておらずそのお陰?でメイと出会うことができたと幸せそうに話していた。
出会いのタイミングによっては番というのもきっと悪くないのかもしれないけど、私達の場合全てのタイミングが悪かったとしか言いようがない、正直私にとってはとても都合が良かったのだけれど…なんと言っても通常通り陛下と出会っていても心惹かれることは……なかったかもしれない。
なんというか……見た目は非常にいい見目麗しい美青年なんだと思うんですよ…けど…なんでしょう、残念臭がプンプンしたのは私だけなんでしょうか?
ランバート曰く…統治者としては優秀らしい…
う~ん、確かに王都は現在治安も良く道も整備されていたので陛下の代に変わってから大分安定したのはこの目で見て回ったので陛下の功績なのは理解できた…統治者としては確かに優秀なのはわかったんだけど…それ以外はどうなの?
まるで駄々を捏ねる子供のようだった。
番云々を差し引いても…あれは…私が惹かれる要素が……ないのでは?
ランバートは番であるメイを実際とても大事に愛しんでくれている…そんな姿を見ると主人として素直に嬉しい、しかも絶対浮気も裏切りもない!その点に関しては番とは不思議な仕組みだと思っんだけど…一応私と陛下を想像してみた……ないな…陛下とは多分ない!
私は獣人ではないのでその感覚もどういう感情かも想像がつかない。人間で言えば一目惚れと同じなのかしら?
たまたま惹かれあった同志が番なら喜ばしい事なのかもしれないけど…今回の私達のような出会い方は…獣人の陛下にとっては不幸としか言いようがないかもしれないわね、私にとっては幸運だったけど。
今の私はギスランを愛してしまった。いえ、幼い頃会った時から好意を持っていたのかもしれない。
番に拘り番を求めていた陛下には申し訳ないけど愛を知らなかった以前のように国の駒として政略結婚は当然なんて思えなくなってしまった。
今の私は全てを捨ててもギスランと共にありたいと、それで傷つく人が出来たとしても私は彼の手を離すことは出来ない……それ程愛してしまった。
陛下には申し訳ないけど陛下のおかげで私は愛を、愛することを、愛されることの幸せを知ってしまった。
現在は国交が安定しお父様の退位が決まり1年後にお兄様が即位することになった。
陛下との誓約で離縁は決まっているけどできれば即位前に離縁して国にに戻りたい…私が陛下の番とわかった今、ギスランと共に獣人国に留まる事は……いえ、私がこの国に留まる事はできないと思う…というよりこの国にいない方がいいと思う…ダイヤ王国に帰る時その時はギスランも一緒に来てくれるかしら?
***ダイヤ王国国王執務室にて***
「陛下、1年たってやっと件の国王は番であることを告げたそうですが…時すでに遅しと言ったところでしょうか」
ダイヤ王国国王、マリアンヌの父は影からの定期報告を受けていた。
獣人国に輿入れ当初から、マリアンヌを影から守るように影をつけてあった。
「だろうな、……愚かな奴だ!わざわざ番を妻として娶らせてやったのに…番であれば間違いなくマリアンヌを大切にしてくれるだろうと国交などただの縁組の理由に過ぎなかったのだが……娘の幸せの為と手放したのだが…これもまた運命なのだろうか、寄りによって娘が愛した男があの男の甥とは…母娘共に番ではない相手を愛する事になるとは…」
「陛下はあの獣人国の国王の番がマリアンヌ様だとご存知だったんですね、ならなぜそれをあの国王にに伝えなかったんですか?」
「ああ、知っていた、私は番の結びつきが見えるんだよ、獣人ではないが魔力が大きい私のような人間にも番のような対になる相手が存在するんだよ。私にとってキャロルがそうであるようにな、ただ、まさかキャロルがあの指輪をマリアンヌに持たせるとは思っていなかったんだ。
だからわざわざ告げるまでもなくマリアンヌに会えば番と認識できて大切にしてくれると思ったのだが、……。指輪のことは想定外だった。
それ以前にアイツは出迎えも挨拶もせずいきなり無礼な手紙を我が娘に送りつけたではないか!その時点で帰国させようかとも思ったのだが、式の最中に番と気付いたようだからすぐに変わるだろうからと様子をみていたのだが……愚鈍な奴だったようだ。例え認識できなくても奴のしたことは他国の王族に対して無礼な態度だった故にマリアンヌが番だと伝えることを辞めたのだ。まぁ、ちょっとした意趣返しだよ!
その結果が自ら番を手放すことになりそうだがな」
苦労せず番と巡りあいその手にできた幸せを、あれ程焦がれていた番を自ら手放すことになるレインを愚かと言いながらマリアンヌが幸せであるならその相手は誰でも良いと言った国王は複雑な表情を浮かべていた。
驚いた、まさか私が陛下の番だったなんて…信じられないわ!
ランバートの番が私の侍女のメイだということにも驚いたけど…ランバートの態度を見ているから番が獣人にとって特別な存在なのは理解してはいるのだけど……、それでも私は……。
ランバートの話では近年では魔道具の普及もあるがそもそも番という存在自体減ってきているようだと…ただ結婚後番が現れた時に不幸を招く事を懸念して既婚者は番認識阻害魔道具をつけているらしい。
番にというより結婚自体に興味がなかったランバートは魔道具を装着しておらずそのお陰?でメイと出会うことができたと幸せそうに話していた。
出会いのタイミングによっては番というのもきっと悪くないのかもしれないけど、私達の場合全てのタイミングが悪かったとしか言いようがない、正直私にとってはとても都合が良かったのだけれど…なんと言っても通常通り陛下と出会っていても心惹かれることは……なかったかもしれない。
なんというか……見た目は非常にいい見目麗しい美青年なんだと思うんですよ…けど…なんでしょう、残念臭がプンプンしたのは私だけなんでしょうか?
ランバート曰く…統治者としては優秀らしい…
う~ん、確かに王都は現在治安も良く道も整備されていたので陛下の代に変わってから大分安定したのはこの目で見て回ったので陛下の功績なのは理解できた…統治者としては確かに優秀なのはわかったんだけど…それ以外はどうなの?
まるで駄々を捏ねる子供のようだった。
番云々を差し引いても…あれは…私が惹かれる要素が……ないのでは?
ランバートは番であるメイを実際とても大事に愛しんでくれている…そんな姿を見ると主人として素直に嬉しい、しかも絶対浮気も裏切りもない!その点に関しては番とは不思議な仕組みだと思っんだけど…一応私と陛下を想像してみた……ないな…陛下とは多分ない!
私は獣人ではないのでその感覚もどういう感情かも想像がつかない。人間で言えば一目惚れと同じなのかしら?
たまたま惹かれあった同志が番なら喜ばしい事なのかもしれないけど…今回の私達のような出会い方は…獣人の陛下にとっては不幸としか言いようがないかもしれないわね、私にとっては幸運だったけど。
今の私はギスランを愛してしまった。いえ、幼い頃会った時から好意を持っていたのかもしれない。
番に拘り番を求めていた陛下には申し訳ないけど愛を知らなかった以前のように国の駒として政略結婚は当然なんて思えなくなってしまった。
今の私は全てを捨ててもギスランと共にありたいと、それで傷つく人が出来たとしても私は彼の手を離すことは出来ない……それ程愛してしまった。
陛下には申し訳ないけど陛下のおかげで私は愛を、愛することを、愛されることの幸せを知ってしまった。
現在は国交が安定しお父様の退位が決まり1年後にお兄様が即位することになった。
陛下との誓約で離縁は決まっているけどできれば即位前に離縁して国にに戻りたい…私が陛下の番とわかった今、ギスランと共に獣人国に留まる事は……いえ、私がこの国に留まる事はできないと思う…というよりこの国にいない方がいいと思う…ダイヤ王国に帰る時その時はギスランも一緒に来てくれるかしら?
***ダイヤ王国国王執務室にて***
「陛下、1年たってやっと件の国王は番であることを告げたそうですが…時すでに遅しと言ったところでしょうか」
ダイヤ王国国王、マリアンヌの父は影からの定期報告を受けていた。
獣人国に輿入れ当初から、マリアンヌを影から守るように影をつけてあった。
「だろうな、……愚かな奴だ!わざわざ番を妻として娶らせてやったのに…番であれば間違いなくマリアンヌを大切にしてくれるだろうと国交などただの縁組の理由に過ぎなかったのだが……娘の幸せの為と手放したのだが…これもまた運命なのだろうか、寄りによって娘が愛した男があの男の甥とは…母娘共に番ではない相手を愛する事になるとは…」
「陛下はあの獣人国の国王の番がマリアンヌ様だとご存知だったんですね、ならなぜそれをあの国王にに伝えなかったんですか?」
「ああ、知っていた、私は番の結びつきが見えるんだよ、獣人ではないが魔力が大きい私のような人間にも番のような対になる相手が存在するんだよ。私にとってキャロルがそうであるようにな、ただ、まさかキャロルがあの指輪をマリアンヌに持たせるとは思っていなかったんだ。
だからわざわざ告げるまでもなくマリアンヌに会えば番と認識できて大切にしてくれると思ったのだが、……。指輪のことは想定外だった。
それ以前にアイツは出迎えも挨拶もせずいきなり無礼な手紙を我が娘に送りつけたではないか!その時点で帰国させようかとも思ったのだが、式の最中に番と気付いたようだからすぐに変わるだろうからと様子をみていたのだが……愚鈍な奴だったようだ。例え認識できなくても奴のしたことは他国の王族に対して無礼な態度だった故にマリアンヌが番だと伝えることを辞めたのだ。まぁ、ちょっとした意趣返しだよ!
その結果が自ら番を手放すことになりそうだがな」
苦労せず番と巡りあいその手にできた幸せを、あれ程焦がれていた番を自ら手放すことになるレインを愚かと言いながらマリアンヌが幸せであるならその相手は誰でも良いと言った国王は複雑な表情を浮かべていた。
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