[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。

キャロル

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18 束の間の安寧のはずが

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レインの突然の訪問から数日すぎ離宮で暮らすマリアンヌたちはいつも通りの平穏な日々を過ごしていた。

マリアンヌは獣人国の城下をギスランと周りながらいち早くこの国の就学率の低さに気がつき改善するべく自ら改善に努めこの1年の間、定期的に学習会を開き自ら講師の1人として子供たちに読み書き計算を基本に教えていた。

始めた頃はまばらだった参加者も次第に増え今では平家の空き家を3軒改装して将来の就労の合わせた内容に変え職業訓練を兼ねていくつかに区分して教えている。

どの職業を目差すにしても最低限の学習は必要だと思っているマリアンヌは短期間ではあるがこの国と縁を持てたからには王族として最善を尽くし国民に尽くすべきだとそう母から育てられ教育面でのサポートに尽力していた。

母の教え通りこの国に来てからマリンアンヌはできる範囲で尽力しようと離宮に移り住んでから精力的に動き1日の大半を城下で過ごしていた。

今ではすっかり街の人々と打ち解けていた。髪は魔法薬で平凡な茶色にかえ服装は商家の娘風に装いマリーと呼ばれてはいるが人々は最強騎士であるギスランが常に側で控え守っていたのでマリアンヌが高貴な身分であり何か事情があるのだろうと詮索するものはいなかった、むしろ今ではギスランの想い人として認知され似合いのカップルとして応援されていたが当の本人は気がついていなかった。身分をひけらかす事のない気さくななマリアンヌは街の人々にすぐ受け入れられ愛されていた。

誰もがまさかマリアンヌが自国の王妃だなんて知る由もない。

「マリー先生~こっちこっち~」

今日も元気な子供たちに呼ばれ教室の外に出たマリアンヌはいろんな種類の薬草を手にした多くの子供に囲まれた。

「マリー先生に教えてもらった薬草ってこれであってる~みんなで採ってきたんだよ~」

そういいながらワラワラと集まる子供達、その手に持つ薬草は治癒に使う貴重な薬草でマリアンヌが手に入れたいと思っていた物だった。

「これ…すごいわ、探すの大変だったでしょ…これでポーション作ったらすごく高価なものができるのよ。このポーションを作れる人を育てるとそれがこの国の収入源になるしこの施設の収入となるわ、……魔道士を育てられれば可能なんだけど…これ程貴重な薬草が豊富なんだもの…魔力をそれも水属性の魔力を持った者が必要なんだけど…獣人で魔力を持っているのは…」

子供たちから薬草を受け取り選別しながらどう活用するか思案していたら急にガヤガヤ騒がしくなった。
どうしたのだろうかとギスランを見ると険しい顔をしチッ!っと舌打ちをした。

(え?ギスランが舌打ち?したような…気のせい?よね)

ざわつきと共にあちこちでキャーキャーと女性達の騒ぐ声が聞こえた、その騒がしさがどんどん近づいてきたと思ったら、側にいたギスランが私に耳打ちした。

「マリアンヌ様どうやら陛下がいらっしゃったようです。」

「え?」

ギスランが指す方向に目を向けるとそこには多くの人に囲まれてマリアンヌに向かって真っ直ぐ歩いて来るレインが見えた。視線があったマリアンヌの表情が強張る。

(うわ、こっちきた…なんで?でも凄い光景だわ~女性に囲まれてゾロゾロ歩く姿は…なんいうか…ハーレム?)

強張るマリアンヌを他所に目の前までやってきたレインは満面の笑みでマリアンヌのに話しかけた。
普段、いやほとんと特に女性に笑いかける事ない国王が笑顔で女性に話しかける様子に周りがさらにざわついた。
__あの番至上主義の国王が笑顔で接している__

「マリアン……「国王陛下にご挨拶させていただくことをお許しください。」…ヌ?」

(何名前呼ぼうとしてるのよ!陛下と知り合いだなんてバレたら困るんだけど、もう空気読んで欲しいわ)

「え?あ、うん。」

マリアンヌは膝を折り臣下の礼をしてレインに挨拶をした。

「王国の太陽にご挨拶申し上げます。ここで時々教師をさせていただいてます、マリーと申します。」

本来なら国王であるレインの言葉を遮るのは不敬なのだが、マリアンヌの素性がバレてしまうのは都合が悪い為そこはレインとは初対面という程で話を強引に進めるマリアンヌだった。


「え?マ、マリー?…わかった、そうか、マリー、私は最近話題になっていた学習教室なるものを視察にきたのだ。そのままでは話辛い、とにかく楽にしてくれないか」

「ええ、ありがとうございます。では遠慮なくそうさせていただきます。では陛下、視察という事なら中にご案内しますのでこちらへどうぞ。」

ざわつく中マリアンヌはなぜかレインにエスコートされ、施設を案内する事になった。

この2人のやり取りを見ていた周りの人々は突然の国王の訪れにも臆する事なく対応するマリアンヌをやはりかなり身分の高い御令嬢だったのだと憶測が確信に変わったのだった。


「マリアン…マリーのその髪色は……」

「あ、これは一時的に髪色を変える魔法薬を髪に塗ってあるのですよ。流石に私の髪色は目立ちますしこの国には金髪はいないでしょう?この茶色ならよくある色なので…流石に瞳の色は変えられませんが、変ですか?」

「あ、いや、どの色でも似合う…それに…獣人は色ではなく…変装していても…その…匂いで……いや、なんでもない」

「え?なんですか?なんか仰いました?」

「に、似合うと言ったんだ…」

「そうですか?ありがとうございます。結構私も気に入ってるんですよ。…陛下、ここが今私が担当している生徒たちがいる教室です。」

教室の中に入ると子供達がわーっと駆け寄ってきた。

「マリー先生~…その人は?先生が読んでくれた物語の王子様みたいにキラキラだね~」

一応普段より控えめではあるが確かにザ!王子様って風貌だなと思ったマリアンヌだった。

「ふふ、そうね~でもこの方は王子様ではなくなんと!この国の王様ですよ、今日は皆さんの勉強がどんな感じに進んでいるか見にきてくださいました。頑張っているところを見てもらいましょうね。」

「「「「は~い」」」」

「では、陛下、少しの間退屈かもしれませんが授業風景をご覧いただいてもよろしいですか?それでご意見いただけると今後の改善にも繋がりますのでよろしくお願いします。」

「ああ、そうさせてもらうよ」

教室の後ろからマリアンヌの授業風景を見ていたレインは自国のためにこのような改革を1人でしていたのかと頭が下がる思いとともにもしこのままマリアンヌが王妃として自分と歩んでくれたなら国の安寧と発展のためにもこの上ないよき伴侶であるのにと、このように国民に寄り添うことができる王妃が他にいるのだろうかと改めて自分がどんなに愚かな行動をしてしまったのだろうと打ちひしがれる思いだった。
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