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19 騎士とお姫様
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授業が終わり、子供達と少し遊ぶことになったレインは騎士になりたいという男の子達に軽い剣術指南をしていた。
レインと少し離れたところで片付けと資料の整理をしているマリアンヌとギスランを見ていると1人の男の子が
「僕もいつか強い騎士になってギスラン先生のようにお姫様と結婚するんだ~」
「ン?ギスランは誰かと結婚するのか?」
レインはギスランの結婚と聞いて子供のいうことだが、気になった。
ギスランには今まで噂になった女性などいなかったはず、しかも番を望んでいない為に早くから番認識阻害魔道具を装備していたから、多くの女性から恋人や婚約者にしてくれと言い寄られていたが当の本人は氷の騎士と言われるほど女性に辛辣な態度だった為に男色疑惑の噂がたった程だ!そのギスランが?結婚?
「うん、ギスラン先生のお姫様はマリー先生だからマリー先生と結婚するんだよ。だって物語のお姫様と騎士は幸せな結婚するって決まってるからね!先生は違うって言ってるけどマリー先生はきっとお姫様だよ!王様は誰と結婚するの?物語だと……王子様は平民の心優しい女の子と結婚してるけど、…王様は…王子様じゃないし…」
子供とは無邪気だが時に残酷だとその時のレインは思った。
そのお姫様と結婚しているのが私だと言うことはできない、堂々と言えない状態にしたのは他でもないレインなのだ。
少年が言っていることになんの悪意もない…だが、騎士とお姫様のハッピーエンドの物語……ギスランとマリアンヌ…何気ない子供の言葉で…今まで考えたことのなかったもしもを想像してしまった。
離縁したら、私ではない誰かと…マリアンヌは結婚するのか?私の番が…私ではない誰かと…その誰かとは?…。
ふと視線の先に見えた2人……マリアンヌは楽しそうに笑顔でギスランと作業をしていた……それは私には決して向けることない笑顔だった。
マリアンヌを見つめるギスランは…あれは主人を見る目ではないあれは…愛しい者を見る目だ。
今の私にはわかってしまった。私も恋を知ったから……。
以前ランバートに言われた言葉を思い出した。
『陛下が騎士になってもギスランのようにはなれませんよ。__陛下にはマリアンヌ様の心を得ることはできません。__断言できます』
レインはジリジリとドス黒い感情が湧き上がるのを感じた。
以前、仲が良いと報告を受けた時も手を繋いで散策していると報告を受けた時も羨ましいと思ったがこのような感情が沸き起こったことはなかった、気付きたくなかった、今でも違うと思いたい。
マリアンヌの側にいたいと願っても自分には叶わない、全て自分が招いた結果だ、わかっているが……それでも……いとも簡単にその場所を手に入れることができた、男に…嫉妬していた。
本来なら私が手にするはずだった場所だった。
胸が痛む、どうしようもない思いが私を……、胸が苦しい、
「ねえ、王様?どうしたの?マリー先生、王様がなんか変だよー具合わるそうだよー」
「え?陛下?…ほんとだわすごく顔色が悪い…どうされました?横になりますか?」
マリアンヌとギスランが駆け寄った、レインはマリアンヌの手を取り抱きしめたい衝動をグッと堪え
「マリー、すまないが今日は離宮で休ませてくれないか?ここから城までは遠い、…どうやら少し疲れが出たようだ。」
「ええ、そうですね、それがいいかもしれません。…ギスラン、陛下を連れて帰る支度をしてくれる?」
マリアンヌがギスランにそう指示すると、
「いや、マリアンヌがしてくれないか?」
ギスランの差し伸べた手を払いマリアンヌの手を取り教室をでて迎えの馬車に乗った。
馬車の中はマリアンヌとメイがレインと共に乗りギスランとロイは御者として前部に乗った。
終始様子のおかしかったレインに余程気分が悪いのかと勘違いしていたマリアンヌは座席に横になりたいから膝を貸して欲しいと言ったレインのことを無碍にできず、離宮に着くまで膝枕をしていた。
離宮についてから、マリアンヌとは違う意味でレインの様子がおかしいと思っていたギスランはレインの部屋は何かあった時に側近であるランバートがすぐ対応できるようにとランバート達の部屋に近いところに用意するようにマリアンヌに勧めた。
そして、マリアンヌが就寝した後はマリアンヌの兄に送られていた結界魔道具をマリアンヌの部屋を包むように作動させた。もし夜間にマリアンヌの部屋に侵入するものが現れるとギスランにすぐわかるようになっている勿論ギスラン以外は中に入れない仕様になっている。
流石に夜這いなどとそんな事はしないと思うがギスランはレインが自分の想いに気がついたのではないかという気がしていた、ならば嫉妬し思いもよらぬ行動をとってしまう可能性がある。
用心するに越した事はない。全てはマリアンヌの安寧のために。
夜も更け離宮に静けさに包まれた。
__キーン、
ギスランは短刀を手に気配を消して廊下に出た。
レインと少し離れたところで片付けと資料の整理をしているマリアンヌとギスランを見ていると1人の男の子が
「僕もいつか強い騎士になってギスラン先生のようにお姫様と結婚するんだ~」
「ン?ギスランは誰かと結婚するのか?」
レインはギスランの結婚と聞いて子供のいうことだが、気になった。
ギスランには今まで噂になった女性などいなかったはず、しかも番を望んでいない為に早くから番認識阻害魔道具を装備していたから、多くの女性から恋人や婚約者にしてくれと言い寄られていたが当の本人は氷の騎士と言われるほど女性に辛辣な態度だった為に男色疑惑の噂がたった程だ!そのギスランが?結婚?
「うん、ギスラン先生のお姫様はマリー先生だからマリー先生と結婚するんだよ。だって物語のお姫様と騎士は幸せな結婚するって決まってるからね!先生は違うって言ってるけどマリー先生はきっとお姫様だよ!王様は誰と結婚するの?物語だと……王子様は平民の心優しい女の子と結婚してるけど、…王様は…王子様じゃないし…」
子供とは無邪気だが時に残酷だとその時のレインは思った。
そのお姫様と結婚しているのが私だと言うことはできない、堂々と言えない状態にしたのは他でもないレインなのだ。
少年が言っていることになんの悪意もない…だが、騎士とお姫様のハッピーエンドの物語……ギスランとマリアンヌ…何気ない子供の言葉で…今まで考えたことのなかったもしもを想像してしまった。
離縁したら、私ではない誰かと…マリアンヌは結婚するのか?私の番が…私ではない誰かと…その誰かとは?…。
ふと視線の先に見えた2人……マリアンヌは楽しそうに笑顔でギスランと作業をしていた……それは私には決して向けることない笑顔だった。
マリアンヌを見つめるギスランは…あれは主人を見る目ではないあれは…愛しい者を見る目だ。
今の私にはわかってしまった。私も恋を知ったから……。
以前ランバートに言われた言葉を思い出した。
『陛下が騎士になってもギスランのようにはなれませんよ。__陛下にはマリアンヌ様の心を得ることはできません。__断言できます』
レインはジリジリとドス黒い感情が湧き上がるのを感じた。
以前、仲が良いと報告を受けた時も手を繋いで散策していると報告を受けた時も羨ましいと思ったがこのような感情が沸き起こったことはなかった、気付きたくなかった、今でも違うと思いたい。
マリアンヌの側にいたいと願っても自分には叶わない、全て自分が招いた結果だ、わかっているが……それでも……いとも簡単にその場所を手に入れることができた、男に…嫉妬していた。
本来なら私が手にするはずだった場所だった。
胸が痛む、どうしようもない思いが私を……、胸が苦しい、
「ねえ、王様?どうしたの?マリー先生、王様がなんか変だよー具合わるそうだよー」
「え?陛下?…ほんとだわすごく顔色が悪い…どうされました?横になりますか?」
マリアンヌとギスランが駆け寄った、レインはマリアンヌの手を取り抱きしめたい衝動をグッと堪え
「マリー、すまないが今日は離宮で休ませてくれないか?ここから城までは遠い、…どうやら少し疲れが出たようだ。」
「ええ、そうですね、それがいいかもしれません。…ギスラン、陛下を連れて帰る支度をしてくれる?」
マリアンヌがギスランにそう指示すると、
「いや、マリアンヌがしてくれないか?」
ギスランの差し伸べた手を払いマリアンヌの手を取り教室をでて迎えの馬車に乗った。
馬車の中はマリアンヌとメイがレインと共に乗りギスランとロイは御者として前部に乗った。
終始様子のおかしかったレインに余程気分が悪いのかと勘違いしていたマリアンヌは座席に横になりたいから膝を貸して欲しいと言ったレインのことを無碍にできず、離宮に着くまで膝枕をしていた。
離宮についてから、マリアンヌとは違う意味でレインの様子がおかしいと思っていたギスランはレインの部屋は何かあった時に側近であるランバートがすぐ対応できるようにとランバート達の部屋に近いところに用意するようにマリアンヌに勧めた。
そして、マリアンヌが就寝した後はマリアンヌの兄に送られていた結界魔道具をマリアンヌの部屋を包むように作動させた。もし夜間にマリアンヌの部屋に侵入するものが現れるとギスランにすぐわかるようになっている勿論ギスラン以外は中に入れない仕様になっている。
流石に夜這いなどとそんな事はしないと思うがギスランはレインが自分の想いに気がついたのではないかという気がしていた、ならば嫉妬し思いもよらぬ行動をとってしまう可能性がある。
用心するに越した事はない。全てはマリアンヌの安寧のために。
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ギスランは短刀を手に気配を消して廊下に出た。
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