少女たちの春[第1部]

秋 夕紀

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私たちの春~白石櫻子編~

1 中2の時、櫻子は同級生の戸板春生に意地悪をされる

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 私が男の子というより、性に関心を抱くようになったのは中学2年生だった。それまでは異性を好きになるという感覚が分からず、その時も好きというのではなく、ただ興味関心が強いだけだった。
 同じクラスの席が後ろだった戸板春生はるきが、私にちょっかいを出してきた。初めは気が付かなかったが、ツインテールの髪を触ったり、セーラー服の首筋から消しゴムのかすを入れたりして、私がもじもじするのを楽しんでいた。その内に、当時男子の中で流行っていたスカートめくりを、私に対してだけやったり、小さな胸にわざとタッチしたりをするようになった。
「戸板はさぁ、何で私にいたずらするの?私が嫌いなの?」
 ある日、私は彼を待ち伏せして訊いてみた。
「べ、べつに嫌いじゃないけど、何かからかいたくなるんだよな!」
 彼は便意を催すようにモジモジして答えたが、走って行ってしまった。私は彼の回答にすっきりせず、次の日も呼び止めた。
「戸板はさぁ、私のことが好きなの?だから触りたくなるの?」
「す、すきかどうかなんて、僕も分からないよ!」
 彼は真っ赤な顔をして、逃げるように帰って行った。

 戸板のいたずらは治まったが、私は男の子の行動に益々興味がわいてきて、1週間後の放課後にまた待ち伏せをした。
「春生くーん、一緒に帰ろうか!」
 私はわざと下の名前を呼んで、彼を誘った。彼は小さな声で何か言っていたが、私は無視してどんどんと先を歩いた。坂道を上った所で足を止め、彼の方に向き直って訊いた。
「春生君は私に触りたいの?例えば、どこ?髪の毛?胸?お尻?…」
「……。」
「はっきりしなさいよ!それとも、キスとか、Hなことを考えているの?」
 私の問い掛けに、彼は困った顔をしていたが、ようやく口を開いた。
「ぼ、ぼくは白石さんのことが好きです。だから、付き合ってほしいんです。」
「そうか、よく言ったね!でも、私が好きでないと言ったらどうするの?」
 私は意地悪をしたくなって、そう訊いてみた。
「そ、それでもいいです。今度、一緒にどこかに行きたいです。」
「そんなに緊張しなくていいんじゃない?それに、同級生に敬語はおかしいよ。櫻子で良いし、もうすぐ夏休みで部活が休みの時にデートしようか。」
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