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第1章 梅枝七海(14歳)=立松千宙(14歳)
§15 初めてのクリスマス
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クリスマスイブの日はどんよりとした雲が垂れ込め、12月の寒さに加えてより寒く感じさせていた。七海は、この日のプレゼントに編んだマフラーを自転車のかごに入れ、ニットのセーターとプリーツスカートの上にダウンコートを羽織り、千宙の家に向かった。家に着くと千宙が出迎えたが、先客がいるようだった。
「寒かっただろう?あのね、お姉ちゃんが彼氏を連れてきてるんだ。」と申し訳なさそうに言うので、「全然気にならないから」と私は返事をした。千宙君の姉の萌香が彼氏を、千宙君が私を紹介した。
1週間前に七海は、クリスマスに千宙の家に遊びに行くと母親に告げた。母親はすんなりと許可はしたが、夕方の5時には帰って来るようにと言われた。七海の親はクリスチャンで、毎年イブの日には家族で教会に行く事になっている。小さい頃からの習慣で、七海も弟も当たり前の事だと思い、それに従っていた。その事を千宙には事前に話しておいた。
七海が手編みのマフラーを渡すと、千宙は大喜びで首に巻いていた。千宙からはニットの帽子が贈られ、七海も頭に被ってポーズを取っていた。昼食は宅配ピザとケーキが用意されており、姉とその彼氏と一緒に食べた。
「千宙君は中々やるね!七海ちゃんだっけ、可愛いじゃん!俺が中2の時は、彼女はいなかったもの。」と言う彼氏の言葉に、
「わたしだって、そうだよ!チー君はませてるんだよね!」と姉が答えていた。千宙はうっとうしい様な顔をして、
「食べ終わったら、自分の部屋に行きなよ!4人でいても仕様がないでしょ!」と姉に目配せをした。
二人が2階の部屋に行くのを見届けて、彼は弁解のように、
「中学の時にも彼氏がいたくせに、よく言うよ。」と言ったので、
「でも、それを言ったら、中学生のわたしたちも同じだよ!」と私は言った。
その後は、ゲームをしたり、アニメ映画を観たりして二人で過ごした。そして、千宙君の部屋に行き、ベッドに腰掛けて音楽を聴きながら話をした。
「ねえ、お姉さんたちは部屋に行った切りだけど、何してるのかな?」と頭にふと浮かんだ疑問を口にしていた。
「そうだね、やけに静かだよね。寝てるのかな?」
「えー?寝てるって、二人で?」と驚いて、大きな声になっていた。
「声が大きいよ!七海、何を想像してるの?そんなことを言ったら、俺たちだって同じ部屋にいるじゃない?」と言われた時には、恥ずかしさで顔を覆っていた。
「ごめんなさい!変なことを考えてた。でも、あの二人の様子からして…。」
「キスぐらいはしてるかな、と言いたいの?」とはっきりと言われ、
「うん、よく分からないけど、好きになったら、そういうことをするんだよね。千宙君は、そういうことをしたいと思わないの?」と直球で返した。
「じゃあ、してみる?」と言われ、私はあわてて口を抑えた。
「冗談だよ!無理矢理したりしないから、安心して!」
「びっくりした!時々、際どい冗談を言うんだから。」
「それは、したくないと言ったら嘘になるけど、今は七海とこうしているだけで楽しいし、まだそうする勇気がないんだ!」
「千宙君は正直だね、いつもそう思う。そういう所が好き!わたしも、まだ何か怖いし、わたしの気持ちを理解してくれているんだよね。」
「いきなり好きだなんて、卑怯だよ!俺も七海が好きだよ!」
「うれしい!それに、ママが男の子は狼になることがあると言ってたんだけど、千宙君は理性でコントロールができるんだね。わたし、初めては千宙君がいいな!」と最後の方は、小さい声でつぶやいた。
「何て言ったの?初めては?」と訊き返す彼に、「何でもない。」と答えていた。
「寒かっただろう?あのね、お姉ちゃんが彼氏を連れてきてるんだ。」と申し訳なさそうに言うので、「全然気にならないから」と私は返事をした。千宙君の姉の萌香が彼氏を、千宙君が私を紹介した。
1週間前に七海は、クリスマスに千宙の家に遊びに行くと母親に告げた。母親はすんなりと許可はしたが、夕方の5時には帰って来るようにと言われた。七海の親はクリスチャンで、毎年イブの日には家族で教会に行く事になっている。小さい頃からの習慣で、七海も弟も当たり前の事だと思い、それに従っていた。その事を千宙には事前に話しておいた。
七海が手編みのマフラーを渡すと、千宙は大喜びで首に巻いていた。千宙からはニットの帽子が贈られ、七海も頭に被ってポーズを取っていた。昼食は宅配ピザとケーキが用意されており、姉とその彼氏と一緒に食べた。
「千宙君は中々やるね!七海ちゃんだっけ、可愛いじゃん!俺が中2の時は、彼女はいなかったもの。」と言う彼氏の言葉に、
「わたしだって、そうだよ!チー君はませてるんだよね!」と姉が答えていた。千宙はうっとうしい様な顔をして、
「食べ終わったら、自分の部屋に行きなよ!4人でいても仕様がないでしょ!」と姉に目配せをした。
二人が2階の部屋に行くのを見届けて、彼は弁解のように、
「中学の時にも彼氏がいたくせに、よく言うよ。」と言ったので、
「でも、それを言ったら、中学生のわたしたちも同じだよ!」と私は言った。
その後は、ゲームをしたり、アニメ映画を観たりして二人で過ごした。そして、千宙君の部屋に行き、ベッドに腰掛けて音楽を聴きながら話をした。
「ねえ、お姉さんたちは部屋に行った切りだけど、何してるのかな?」と頭にふと浮かんだ疑問を口にしていた。
「そうだね、やけに静かだよね。寝てるのかな?」
「えー?寝てるって、二人で?」と驚いて、大きな声になっていた。
「声が大きいよ!七海、何を想像してるの?そんなことを言ったら、俺たちだって同じ部屋にいるじゃない?」と言われた時には、恥ずかしさで顔を覆っていた。
「ごめんなさい!変なことを考えてた。でも、あの二人の様子からして…。」
「キスぐらいはしてるかな、と言いたいの?」とはっきりと言われ、
「うん、よく分からないけど、好きになったら、そういうことをするんだよね。千宙君は、そういうことをしたいと思わないの?」と直球で返した。
「じゃあ、してみる?」と言われ、私はあわてて口を抑えた。
「冗談だよ!無理矢理したりしないから、安心して!」
「びっくりした!時々、際どい冗談を言うんだから。」
「それは、したくないと言ったら嘘になるけど、今は七海とこうしているだけで楽しいし、まだそうする勇気がないんだ!」
「千宙君は正直だね、いつもそう思う。そういう所が好き!わたしも、まだ何か怖いし、わたしの気持ちを理解してくれているんだよね。」
「いきなり好きだなんて、卑怯だよ!俺も七海が好きだよ!」
「うれしい!それに、ママが男の子は狼になることがあると言ってたんだけど、千宙君は理性でコントロールができるんだね。わたし、初めては千宙君がいいな!」と最後の方は、小さい声でつぶやいた。
「何て言ったの?初めては?」と訊き返す彼に、「何でもない。」と答えていた。
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