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第1章:異世界の森で生活開始
第26話:拠点を作ろう4
リンが新しい能力、『酸液精製・射出』『毒液精製・射出』を獲得したところで、改めて、岩山の周りの整備に取り掛かることにする。
最初、岩山周りに関しては、地面の整地と、木の生えていない場所を縫うように、柵でも作ろうかと考えていた。
しかし、それだと結構な長さの柵を作る必要があり、そこまでのスペースを求めていない私たちにとって、あまり有用ではなく、困っていた。
そんな中での、リンの成長である。
・・・そんなわけで、計画を変更することにした。
まず、岩山を中心に、半径50メートルほどに生えている木を、『毒液精製・射出』を使って、根元を腐らせて、折っていく。
若干、木の根が残ってしまうが、この程度なら『土魔法』で掘り起こすことが可能だから、後回しだ。
折った木は、すかさずリンに『マジックボックス』で回収してもらう。
そういえば、リンのステータスを見たところ、『マジックボックス』が“小”から、“中”に変わってた。多分、容量が増えたんだろう。
現に、リンは既に20本以上の木を収納しているが、「まだまだ入るよ!」と伝えてきている。
・・・『マジックボックス』も使えば使うほど成長するの?
まあ、考えるのは後回しだ。
この世界に来てから、魔法やスキルなど、前世の知識では対応できないことが多く、結構な頻度で、いろいろ実験や考察をしているが、これが結構、楽しい。
前世でも、謎解きゲームなんかは好きだったし、理系選択で実験も大好きだった。
それに、ここでやる考察や実験は、そのまま生活の向上や、身の安全に直結するから、やる気も出る。
とはいえ、先に作業をやってしまわないと・・・
リンが木を切り・・・、折り倒してくれたところから、『土魔法』を使い、地面を整地していく。
残っていた根っこや切り株は、『火魔法』で、さっと焼いておく。
この程度を燃やすための火なら、手加減を間違えて、森林火災を引き起こすこともない。
途中、カイトとポーラも合流したので、カイトには『土魔法』で根っこや切り株を掘り起こしてもらい、ポーラには『火魔法』でそれらの始末をお願いすることにした。
休憩を挟みつつ、3時間ほど作業をして、岩山周辺の木の伐採と、整地が完了した。
残っているのは、『セルの実』が生る、『セル』の木だけだ。
日も暮れ始めているので、今日の作業はここまでということにして、みんなで家へと帰る。
夕食の準備をするために、食料庫に行ったが、そこは綺麗に整理整頓されていた。
「ポーラ。ありがとう。とっても綺麗に片付いてるね」
「うん! ポーラ頑張ったよ!」
ポーラに片付けを任せたのは正解だったな。
ちなみに、物は少ないが、宝物庫も綺麗になっていた。
そのまま夕食をとって、就寝となった。
♢ ♢ ♢
翌日、昨日整地した、岩山周辺の整備を続ける。
まず、木を伐採し更地にした場所を囲う様に、『土魔法』をフルパワーで発動して、石壁を作っていく。
高さは、1.5メートルほどで、厚さは30センチほど。私の身長が164センチだから、かろうじて外を見ることができる高さだ。
完全に外が見えないようだと、危険が迫っていることも分からず困るし、低すぎても意味が無い。
壁をこの高さにしたのは、ファングラヴィットが飛び越えられないようにするためだ。
大型犬ほどの大きさの、“ウサギ”なのだから、こんな壁程度、余裕で飛び越えそうなものだが、アイツらは意外とジャンプ力がない。
いや、垂直方向へのジャンプ力が無いのか。走りながら、前方向へジャンプすると、まあまあな距離飛んでくる。一度、飛び掛かってこられたことがあるが、あれは結構焦った・・・
壁の強度は、試すことができないので、分からない。
ただ、現状、私が作れる最高強度の壁を作ったつもりなので、どのみちこれ以上は無理だ。
壁を過信しないように気を付けよう。
壁には、5箇所、幅2メートルほどの隙間を空けている。
洞窟の入り口を背にして、前後左右の4方向と、『アマジュ』の群生地の方角だ。出入り口である。
この隙間は、普段は壁よりは強度の劣る、土の壁で塞いでおく。出入りのたびに、消したり作ったりすることを考えると、同じ強度にするのは難しい。
ただ、安全対策として、土壁だけでは心許ない。
なので、隙間から出て、森の方に、タテヨコ5メートル、深さ2メートルほどの穴を掘って、水を貯めておく。私たちが通るときは、私やカイトが『土魔法』で橋を架けて渡ればいい。
これで、土壁に体当たりするために、助走を付けることは難しいはずだ。
・・・まあ、いつぞやのフォレストタイガーみたいに魔法を撃ってきたら、破壊されるだろうが、それはしょうがない。
今の私たちに、完璧な防衛設備を設置することなどできない。
・・・・・・実は、水ではなく、リンに酸や毒の液を出してもらってそれを貯めることも考えた。しかし、万が一カイト達が落ちた場合を想定すると、危険すぎるとの結論になった。
2人は少しなら泳げるらしいし、この程度の水溜に落ちても、危険は少ない。
壁の設置は予定通りに完了した。
今は、壁の内側にあるのは、岩山のほかには、『セル』の木だけだ。
とりあえず、『セル』が生えている近くに、『シェン』の種をいくつか植えてみる。
整地していた際に、一度土を耕しているので、簡単に植えることができた。
この場所は、もともと別の木が生えていたわけだし、栄養的には問題ないのだろうけど、木に栄養をもっていかれているかもしれないので、さっき木の根や切り株を燃やした、灰をまいておくことにした。
その上から魔法で水を作って、水やりをしておく。
・・・そういえば、この森に雨が降っているのを見たことがない。雨が降らない地域なのか、乾期みたいなものなのか・・・
♢ ♢ ♢
岩山周りの整備が終わったら、今度は、『アマジュの実』を採りに行くための道だ。
この道についても、悩んだ。
『アマジュ』までの道のりと群生地を全て、岩山周辺に作ったのと同様に、壁で囲うことも考えたが、『アマジュ』の群生地がどれほど広いのか、分からず現実的ではない。
なので、地面を整地し、真っ直ぐ進めるようにした上で、道の近くの木を、ある程度伐採しておくことにした。
これで、見通しが良くなるので、少しは安全になるだろう。
伐採した木は、先程と同様に、リンが回収している。
もっとも、さすがに岩山周辺で伐採した木を全部入れることができるほど、『マジックボックス』の容量は無いようで、壁の内側の空きスペースに、木が積み上がっている。
不思議なのは、積み上げられている木には、腐食の形跡が見られないことだ。いずれも、リンの毒で腐らせて、折ったはずなので、折れた箇所も腐っているはずなのだが、そんな様子はない。
『マジックボックス』に入れると、腐食も治るの? でも、時間経過はするし、劣化防止はあるんだっけ? また謎が増えた。
まあ、いつか木材を使えるようになったときに備えて、保管しておこう。
そんなことを考えながら、作業を続けて、『アマジュ』までの道は完成した。
これにて、拠点整備事業は完了である。
とりあえず、しばらくこれで生活してみよう。
気になるところは、その都度手を加えていけばいい。
これからは、岩山を囲った壁の内側を、“拠点”と、呼ぶことにしよう。
中心にある洞窟を家とする、私たちの生活拠点だ。
最初、岩山周りに関しては、地面の整地と、木の生えていない場所を縫うように、柵でも作ろうかと考えていた。
しかし、それだと結構な長さの柵を作る必要があり、そこまでのスペースを求めていない私たちにとって、あまり有用ではなく、困っていた。
そんな中での、リンの成長である。
・・・そんなわけで、計画を変更することにした。
まず、岩山を中心に、半径50メートルほどに生えている木を、『毒液精製・射出』を使って、根元を腐らせて、折っていく。
若干、木の根が残ってしまうが、この程度なら『土魔法』で掘り起こすことが可能だから、後回しだ。
折った木は、すかさずリンに『マジックボックス』で回収してもらう。
そういえば、リンのステータスを見たところ、『マジックボックス』が“小”から、“中”に変わってた。多分、容量が増えたんだろう。
現に、リンは既に20本以上の木を収納しているが、「まだまだ入るよ!」と伝えてきている。
・・・『マジックボックス』も使えば使うほど成長するの?
まあ、考えるのは後回しだ。
この世界に来てから、魔法やスキルなど、前世の知識では対応できないことが多く、結構な頻度で、いろいろ実験や考察をしているが、これが結構、楽しい。
前世でも、謎解きゲームなんかは好きだったし、理系選択で実験も大好きだった。
それに、ここでやる考察や実験は、そのまま生活の向上や、身の安全に直結するから、やる気も出る。
とはいえ、先に作業をやってしまわないと・・・
リンが木を切り・・・、折り倒してくれたところから、『土魔法』を使い、地面を整地していく。
残っていた根っこや切り株は、『火魔法』で、さっと焼いておく。
この程度を燃やすための火なら、手加減を間違えて、森林火災を引き起こすこともない。
途中、カイトとポーラも合流したので、カイトには『土魔法』で根っこや切り株を掘り起こしてもらい、ポーラには『火魔法』でそれらの始末をお願いすることにした。
休憩を挟みつつ、3時間ほど作業をして、岩山周辺の木の伐採と、整地が完了した。
残っているのは、『セルの実』が生る、『セル』の木だけだ。
日も暮れ始めているので、今日の作業はここまでということにして、みんなで家へと帰る。
夕食の準備をするために、食料庫に行ったが、そこは綺麗に整理整頓されていた。
「ポーラ。ありがとう。とっても綺麗に片付いてるね」
「うん! ポーラ頑張ったよ!」
ポーラに片付けを任せたのは正解だったな。
ちなみに、物は少ないが、宝物庫も綺麗になっていた。
そのまま夕食をとって、就寝となった。
♢ ♢ ♢
翌日、昨日整地した、岩山周辺の整備を続ける。
まず、木を伐採し更地にした場所を囲う様に、『土魔法』をフルパワーで発動して、石壁を作っていく。
高さは、1.5メートルほどで、厚さは30センチほど。私の身長が164センチだから、かろうじて外を見ることができる高さだ。
完全に外が見えないようだと、危険が迫っていることも分からず困るし、低すぎても意味が無い。
壁をこの高さにしたのは、ファングラヴィットが飛び越えられないようにするためだ。
大型犬ほどの大きさの、“ウサギ”なのだから、こんな壁程度、余裕で飛び越えそうなものだが、アイツらは意外とジャンプ力がない。
いや、垂直方向へのジャンプ力が無いのか。走りながら、前方向へジャンプすると、まあまあな距離飛んでくる。一度、飛び掛かってこられたことがあるが、あれは結構焦った・・・
壁の強度は、試すことができないので、分からない。
ただ、現状、私が作れる最高強度の壁を作ったつもりなので、どのみちこれ以上は無理だ。
壁を過信しないように気を付けよう。
壁には、5箇所、幅2メートルほどの隙間を空けている。
洞窟の入り口を背にして、前後左右の4方向と、『アマジュ』の群生地の方角だ。出入り口である。
この隙間は、普段は壁よりは強度の劣る、土の壁で塞いでおく。出入りのたびに、消したり作ったりすることを考えると、同じ強度にするのは難しい。
ただ、安全対策として、土壁だけでは心許ない。
なので、隙間から出て、森の方に、タテヨコ5メートル、深さ2メートルほどの穴を掘って、水を貯めておく。私たちが通るときは、私やカイトが『土魔法』で橋を架けて渡ればいい。
これで、土壁に体当たりするために、助走を付けることは難しいはずだ。
・・・まあ、いつぞやのフォレストタイガーみたいに魔法を撃ってきたら、破壊されるだろうが、それはしょうがない。
今の私たちに、完璧な防衛設備を設置することなどできない。
・・・・・・実は、水ではなく、リンに酸や毒の液を出してもらってそれを貯めることも考えた。しかし、万が一カイト達が落ちた場合を想定すると、危険すぎるとの結論になった。
2人は少しなら泳げるらしいし、この程度の水溜に落ちても、危険は少ない。
壁の設置は予定通りに完了した。
今は、壁の内側にあるのは、岩山のほかには、『セル』の木だけだ。
とりあえず、『セル』が生えている近くに、『シェン』の種をいくつか植えてみる。
整地していた際に、一度土を耕しているので、簡単に植えることができた。
この場所は、もともと別の木が生えていたわけだし、栄養的には問題ないのだろうけど、木に栄養をもっていかれているかもしれないので、さっき木の根や切り株を燃やした、灰をまいておくことにした。
その上から魔法で水を作って、水やりをしておく。
・・・そういえば、この森に雨が降っているのを見たことがない。雨が降らない地域なのか、乾期みたいなものなのか・・・
♢ ♢ ♢
岩山周りの整備が終わったら、今度は、『アマジュの実』を採りに行くための道だ。
この道についても、悩んだ。
『アマジュ』までの道のりと群生地を全て、岩山周辺に作ったのと同様に、壁で囲うことも考えたが、『アマジュ』の群生地がどれほど広いのか、分からず現実的ではない。
なので、地面を整地し、真っ直ぐ進めるようにした上で、道の近くの木を、ある程度伐採しておくことにした。
これで、見通しが良くなるので、少しは安全になるだろう。
伐採した木は、先程と同様に、リンが回収している。
もっとも、さすがに岩山周辺で伐採した木を全部入れることができるほど、『マジックボックス』の容量は無いようで、壁の内側の空きスペースに、木が積み上がっている。
不思議なのは、積み上げられている木には、腐食の形跡が見られないことだ。いずれも、リンの毒で腐らせて、折ったはずなので、折れた箇所も腐っているはずなのだが、そんな様子はない。
『マジックボックス』に入れると、腐食も治るの? でも、時間経過はするし、劣化防止はあるんだっけ? また謎が増えた。
まあ、いつか木材を使えるようになったときに備えて、保管しておこう。
そんなことを考えながら、作業を続けて、『アマジュ』までの道は完成した。
これにて、拠点整備事業は完了である。
とりあえず、しばらくこれで生活してみよう。
気になるところは、その都度手を加えていけばいい。
これからは、岩山を囲った壁の内側を、“拠点”と、呼ぶことにしよう。
中心にある洞窟を家とする、私たちの生活拠点だ。
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