危険な森で目指せ快適異世界生活!

ハラーマル

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第1章:異世界の森で生活開始

第36話:勉強しよう②ー2

レーベルのおかげで、魔素についていろいろ知れたし、カイト達が無詠唱かつ高火力の魔法を使える理由もわかった。
それに、2人の“思い”を聞けてよかった。

レーベルは、続けて、『アマジュの実』の効果についても説明してくれた。

「『アマジュの実』には多くの魔素が含まれています。『アマジュの実』は、1つの実から、数百回分の魔法薬を作り出すことが可能と言われています。当然、『アマジュの実』をそのまま食せば、その魔素を直接、体内に取り込むことができるのです。そのため、『アマジュの実』を一口食べただけで、軽い怪我や疾患なら回復するでしょうし、『アマジュの実』から作ったジュースを飲めば、疲労ごとき簡単に回復するのです」
「・・・なるほど。でも、2人に最初に出会ったときにも、『アマジュの実』を食べさせて、傷とか痣とか治ったよ? その時点では、2人とも普通の『人間』でしょ? 『人間』が魔素を取り込んでもあんまり意味が無いんじゃないの?」
「確かに、基本的に『人間』は魔素をうまく体内で扱うことはできません。しかし『人間』であっても少しは魔素を保有しています。魔素濃度が低い地域でも生活に支障はありませんが、魔素があればその恩恵を多少は受けられるのです。
そして、『人間』が、魔素を魔力に変換するのが不得手なのは、自然の魔素には、他に多くのもの、言ってしまえば不純物が含まれているからです。『人間』には、それを取り除き、純粋な魔素を利用する能力はありません。
それに対して、『アマジュの実』に含まれる魔素は、不純物が取り除かれた純粋な魔素ですから、『人間』が食べても、一定の効果があります。もっとも、魔素への親和性の高い『魔族』などが食するのと、効果の違いは歴然ですが。そのため、昔の『人間』は、『アマジュの実』の効果を最大限に発揮できるように、『アマジュの実』を材料とした魔法薬の製作に取り組んだのです」

なるほどね。
魔素への親和性の低い『人間』でも、『アマジュの実』を一口でも食べれば、軽い怪我なんかは治癒する。それが魔素への親和性の高い『魔族』なんかであれば言わずもがな。
そして、既に魔素への親和性の高い、『人間』とは言えない状態に至っているカイトは、『アマジュの実』から作ったジュース —それこそ普通に食べるより魔素が多いのかも— を飲んだら、疲れなんて吹き飛ぶわよね。


「じゃあ、万が一に備えて、『アマジュの実』は大量にストックしておかないとね」

そう言うと、レーベルが、

「確かにそうしておけば安心ですし、賛成でございます。もっとも、先程申しましたように、身体を構成する魔素の割合が多い種族は、魔素を循環させて、生きています。その効果として、魔素が豊富な地域では、怪我や病気になりにくく、また、なった場合の治癒も早いと言われています。さらに、疲労の回復も早いのです。これは魔素を循環させているため、絶えず身体組織において新陳代謝がハイスピードで行われているためになります。
ですので、お三方とも、この森で生活している限り、基本的に怪我等になりにくく、完治も早いのです。そのため、薬として『アマジュの実』が必要な場面は少ないかと思います」
「そっか。・・・でも、この間のグレイムラッドバイパーのこともあるし、備えあれば憂いなしよね」
「左様でございますね」

とりあえず、納得だ。
それに、『アマジュの実』の有用性も再確認できた。
食事の時間がとても長くなり、ポーラは眠そうだ。カイトも、『アマジュの実』で回復したとはいえ、寝るのが一番だろう。

そういえば私も、探索やら戦闘やらで、疲れた気がする。
そう思い、片付けをレーベルに任せて、先に3人で寝ることにした。

今日は、ポーラが、私の寝床に入ってきたので、一緒に寝た。
カイトも誘えばよかったかな?


 ♢ ♢ ♢


翌日、今日は家でゆっくりすることにした。
ここのところ、探索しては戦闘しての繰り返しで、疲れてしまったのだ。
実際、ワンパターンとはいえ、ファングラヴィットの貯蔵はまだあるし、レーベルの食事のレパートリーはまだあるそうで、急いで新しい食料を探さなくてもいい。

そういうわけで、今日は、拠点の空き地でゆっくり日光浴でもしようかと思っていると、リンが私の前に跳ねてきた。
そして、「これ、どうするの?」と問いかけてきた。

「ん? ・・・・・・・・・あ、忘れてた」

ツイバルドのことをすっかり忘れていた。
昨日帰ってきてから、カイト達の訓練見たり、ジュース作ったり、レーベルの授業受けてたからなー
そう思い、カイト達とレーベルを呼んだ。

「いかがなさいましたか?」
「どうしたの、お姉ちゃん」

レーベルとカイトがそう聞いてくるので、リンにツイバルドの死体を出してもらう。

「お、お姉ちゃん、これは!?」
「ツイバルドって亜竜らしいよ? 昨日襲われて倒したの。すっかり忘れてたのよね」
「つ、ツイバルド?」
「うん。カイトは知らない?」
「・・・うん。聞いたことない」
「レーベルは?」
「一応、存じてはおります。ですが、ツイバルドがコトハ様を襲ったのですか?」
「ええ。歩いていたら、いきなり上から攻撃された」
「・・・なるほど。確か、ツイバルドは基本的に空を飛んで生活し、巣は高い木の上や、断崖絶壁などに作ったと記憶しております。獲物は鳥や、鳥型の魔獣が主で、地上の生物を襲うことはあまりなかったと思うのですが・・・」

うーん。それなら、なんで私は襲われたんだろう。

「私から仕掛けたわけでもないしね・・・」

レーベルは少し考えて

「・・・あ」

と呟くと、ツイバルドの身体を調べ始めた。
そして、

「コトハ様、確認させていただきたいのですが、ツイバルドに襲われる前に、オーラはどうなさっていましたか? 絶えず、オーラは隠していたのでしょうか?」
「えーっとねー・・・。確か、集まってきたファングラヴィットとかを追っ払うために何回か、解放したかな?」
「なるほど・・・。もしかいたしますと、ツイバルドは、コトハ様に求愛行動をとったのかもしれません」
「・・・・・・・・・はい? 求愛行動?って、あの相手探すときのアレ?」
「左様でございます。ツイバルドは、オスがメスに対し、自分の強さを見せつけて、それをメスが受け入れて、番となります。コトハ様への攻撃は、それだったのではないかと・・・」
「え、でもさ。私、ツイバルドじゃないよ?」
「はい。ですが、龍族に近いオーラを放っておられます。このオーラは、一般的な魔獣にとっては、ただただ畏怖するものです。ですが、亜竜であるツイバルドにとっては、同族に近いオーラといえます。そして、コトハ様がオーラを解放したのならば、それは強烈です。ツイバルドにとって、失礼ながら、強いメスがいると誤解したのではないかと思われます。生き物は、子孫を残すため、番に強きものを求めます。つまり、このツイバルドは、コトハ様を強いメスと誤解し、コトハ様に求愛行動をとったのではないかと、そう愚考致します」
「・・・・・・・・・な、なによそれ!!」

え? 私、ツイバルドに求愛されたの? 首2つの、亜竜に?
・・・・・・勘弁してよ。
なんで、こう、男運無いのよ。
いや、ツイバルドを男運に含めていいのか分かんないけどさ!!








ちなみに、ツイバルドの肉はまずくて、食べられたものではなかった。
収穫は、魔石だけだった。
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