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第2章:異世界の人々との出会い
第45話:森を出よう
森を出た先に、人の目がないかを確認しにいったレーベルが見たのは、軍隊だった。
「・・・軍隊?」
「はい。500名ほどの軍隊が、陣地の形成を行っております」
「うーん。ここって、ラシアール王国に繋がっているんだよね? じゃあ、ラシアール王国の軍隊?」
「申し訳ありませんが、自分にはどこの軍かまでは・・・」
「そしたら、僕が見てくるよ」
「・・・そうね、足場を作るからレーベルと行ってきて。気を付けてね」
「うん!」
カイトもレーベルみたいに木登りなんか余裕かもしれないが、一応、簡単な足場を作って、2人に見てきてもらう。
逆に私とポーラ、リンは、出口の近くから少し離れて待っておく。
しばらくすると2人が戻ってきて、
「あれは、バイズ辺境伯領の領軍だと思う。辺境伯家の旗を掲げてたし」
「辺境伯領軍・・・か。でも、なんでここに? 陣地築いてるんでしょ?」
「・・・・・・さぁ?」
「軍の目的は分かりかねますが、今いる人数が500名ほどなのに対して、作っている陣地はもっと大勢を想定していると思われます。おそらく、あれは先遣隊。ここに陣地を築くのが役目で、後に本隊が到着するのではないかと・・・」
「軍隊のことはよく分かんないけど、それって結構、大変なことだよね。どこか攻めようとしてるってこと?」
「・・・・・・・・・・・・お姉ちゃん。こんなところに軍隊集めてる理由って、この森に攻め入ることぐらいしか思いつかないんだけど・・・」
「・・・ん? この森に? でも、この森ってすごい危険な場所っていう認識なんでしょ?」
「うん」
「それじゃあ、なんでそんな危険なことを?」
「そんなのわかんないよ・・・」
「あ、ごめん。でもなー、理由とか目的とかは知らないけど、森に攻めてこられたら困るなー」
「左様でございますね。クライスの大森林はコトハ様の土地。そこに攻め入ろうなど、言語道断でございます」
「・・・・・・ん? 別にこの森、私の土地ってわけじゃないでしょ?」
「いえ。クライスの大森林は、古の龍族が多く暮らしていた場所。そもそも『クライス』という名も、古の龍族の長の名前でございます。それが今も受け継がれているのです。ですから、クライスの大森林は、古の龍族の末裔たるコトハ様の土地といっても差し支えないのです」
・・・・・・いやいやいや、そうなの!?
由来とか初めて知ったけどさ。
けど、この森がどんだけ広いのか知らないけど、別にいらないよ?
「いやさ、そんなことを言いたいわけではなくてさ・・・・・・。拠点の近くや、『アマジュ』が生えているところに行かれたら困るなーって話であって」
「けど、拠点もここから結構近いよ? 少なくとも軍事目標的には、拠点も『アマジュ』もあり得ると思うけど?」
「・・・・・・うっ! いや、だからといって、軍隊と揉めるのは・・・」
「まあ、いずれにいたしましても、現時点で陣地の作成段階ということ、本隊と思しき軍勢がまだ見られないことから、すぐに進軍してくるとは思えません。先に、用事を済ませて、帰りにもう一度状況を確認すればよろしいかと」
「そ、そうだね! とりあえず、離れたところに移動して、森を出よっか!」
・・・・・・うーん。まさか、軍隊と遭遇するとは思ってなかった。
いや、クライスの大森林がどこの国にも属していないなら、ラシアール王国に入るってことは、入国するってことで、国境に軍隊がいても不思議じゃないか・・・
それに、レーベルの言っている意味がよくわからない。
クライスの大森林の名前の由来が、古の龍族の長だからって、なんでこの森全部が、私のものになるのよ!
ひとまず、大きく迂回し、バイズ辺境伯領の領都を目指すことにした。
再度、森の出口で人目がないかを確認し、森を出た。
森から出ると、そこには広大な草原が広がっていた。遠くまでよく見通すことができる。
少し先には、森のような場所も見える。
草原では、馬のような四足歩行の動物が、群れをなして走っているのが見えるし、空には鳥の群れが飛んでいる。
見渡すかぎりの緑の草原に、大きな青い空。緩やかな風がとても心地よい。
なんかこう、とても落ち着く雰囲気だ。
ただ、右側に目を向けると、そんな雰囲気は一変する。
そこでは、レーベルたちの言っていた軍隊を見ることができた。
騎士、と言われてイメージする、中世ヨーロッパの金属の甲冑を、全身に纏った人が数名、辺りを警戒するように歩いており、その奥で、軽装の人たちがテントを張るなど作業をしている。
確かに、拠点を作っているように見えるな。
・・・そういえば、私ってこんなに視力良かったっけ?
そして、彼らが陣地を築いている場所から、右手奥側へ一本の道が続いている。
そこに見えるのは、この綺麗な自然に似合わない、厳つい黒い大きな壁。
あれが、バイズ辺境伯領の領都である、城塞都市なのだろう。
それなりに離れていると思うのだが、その大きさは伝わってくる。
「はぁー、すごいね。綺麗な場所。ゆっくり生活できそうな感じがするねー」
「・・・うーん、どうだろう。クライスの大森林を出ても、この辺りに生息している魔獣や魔物はどれも強いからなー。冒険者の人にとってはいい仕事場だって聞いたけど・・・。まあ、お姉ちゃんなら、余裕なのかも?」
「そりゃそうか。普通は魔獣なんか倒せないんだよね。っていうかさ、冒険者? 冒険者って、魔獣と盗賊とか討伐したり、護衛したりするあれ?」
「う、うん。お姉ちゃん、冒険者は知ってるんだ・・・」
冒険者! そりゃー、異世界と言えば、だよね。
やっぱ冒険者ギルドとかあるのかな!
うー、テンション上がってきたー!!
いや、落ち着け。目的を見失ってどうする・・・
今回は、布と金属を求めて来たんだった。
・・・いや、でもさ。冒険者になって、ここいらにいる魔獣を狩って、売れば、お金になるよね?
それもありなのでは?
♢ ♢ ♢
とりあえず、領都を目指して移動を開始した。
といっても、軍隊騒ぎで、思っていたよりも時間を食ったので、今日の野営地を探さなくてはいけない。
これまでみたいに森の空きスペースを見つけるわけではないが、逆にあまり人目に付く場所に行くわけにもいかない。
結局、クライスの大森林と領都の間にあった、小さな森に入って、野営をすることにした。
なんだか、森って安心するのよね・・・
「・・・軍隊?」
「はい。500名ほどの軍隊が、陣地の形成を行っております」
「うーん。ここって、ラシアール王国に繋がっているんだよね? じゃあ、ラシアール王国の軍隊?」
「申し訳ありませんが、自分にはどこの軍かまでは・・・」
「そしたら、僕が見てくるよ」
「・・・そうね、足場を作るからレーベルと行ってきて。気を付けてね」
「うん!」
カイトもレーベルみたいに木登りなんか余裕かもしれないが、一応、簡単な足場を作って、2人に見てきてもらう。
逆に私とポーラ、リンは、出口の近くから少し離れて待っておく。
しばらくすると2人が戻ってきて、
「あれは、バイズ辺境伯領の領軍だと思う。辺境伯家の旗を掲げてたし」
「辺境伯領軍・・・か。でも、なんでここに? 陣地築いてるんでしょ?」
「・・・・・・さぁ?」
「軍の目的は分かりかねますが、今いる人数が500名ほどなのに対して、作っている陣地はもっと大勢を想定していると思われます。おそらく、あれは先遣隊。ここに陣地を築くのが役目で、後に本隊が到着するのではないかと・・・」
「軍隊のことはよく分かんないけど、それって結構、大変なことだよね。どこか攻めようとしてるってこと?」
「・・・・・・・・・・・・お姉ちゃん。こんなところに軍隊集めてる理由って、この森に攻め入ることぐらいしか思いつかないんだけど・・・」
「・・・ん? この森に? でも、この森ってすごい危険な場所っていう認識なんでしょ?」
「うん」
「それじゃあ、なんでそんな危険なことを?」
「そんなのわかんないよ・・・」
「あ、ごめん。でもなー、理由とか目的とかは知らないけど、森に攻めてこられたら困るなー」
「左様でございますね。クライスの大森林はコトハ様の土地。そこに攻め入ろうなど、言語道断でございます」
「・・・・・・ん? 別にこの森、私の土地ってわけじゃないでしょ?」
「いえ。クライスの大森林は、古の龍族が多く暮らしていた場所。そもそも『クライス』という名も、古の龍族の長の名前でございます。それが今も受け継がれているのです。ですから、クライスの大森林は、古の龍族の末裔たるコトハ様の土地といっても差し支えないのです」
・・・・・・いやいやいや、そうなの!?
由来とか初めて知ったけどさ。
けど、この森がどんだけ広いのか知らないけど、別にいらないよ?
「いやさ、そんなことを言いたいわけではなくてさ・・・・・・。拠点の近くや、『アマジュ』が生えているところに行かれたら困るなーって話であって」
「けど、拠点もここから結構近いよ? 少なくとも軍事目標的には、拠点も『アマジュ』もあり得ると思うけど?」
「・・・・・・うっ! いや、だからといって、軍隊と揉めるのは・・・」
「まあ、いずれにいたしましても、現時点で陣地の作成段階ということ、本隊と思しき軍勢がまだ見られないことから、すぐに進軍してくるとは思えません。先に、用事を済ませて、帰りにもう一度状況を確認すればよろしいかと」
「そ、そうだね! とりあえず、離れたところに移動して、森を出よっか!」
・・・・・・うーん。まさか、軍隊と遭遇するとは思ってなかった。
いや、クライスの大森林がどこの国にも属していないなら、ラシアール王国に入るってことは、入国するってことで、国境に軍隊がいても不思議じゃないか・・・
それに、レーベルの言っている意味がよくわからない。
クライスの大森林の名前の由来が、古の龍族の長だからって、なんでこの森全部が、私のものになるのよ!
ひとまず、大きく迂回し、バイズ辺境伯領の領都を目指すことにした。
再度、森の出口で人目がないかを確認し、森を出た。
森から出ると、そこには広大な草原が広がっていた。遠くまでよく見通すことができる。
少し先には、森のような場所も見える。
草原では、馬のような四足歩行の動物が、群れをなして走っているのが見えるし、空には鳥の群れが飛んでいる。
見渡すかぎりの緑の草原に、大きな青い空。緩やかな風がとても心地よい。
なんかこう、とても落ち着く雰囲気だ。
ただ、右側に目を向けると、そんな雰囲気は一変する。
そこでは、レーベルたちの言っていた軍隊を見ることができた。
騎士、と言われてイメージする、中世ヨーロッパの金属の甲冑を、全身に纏った人が数名、辺りを警戒するように歩いており、その奥で、軽装の人たちがテントを張るなど作業をしている。
確かに、拠点を作っているように見えるな。
・・・そういえば、私ってこんなに視力良かったっけ?
そして、彼らが陣地を築いている場所から、右手奥側へ一本の道が続いている。
そこに見えるのは、この綺麗な自然に似合わない、厳つい黒い大きな壁。
あれが、バイズ辺境伯領の領都である、城塞都市なのだろう。
それなりに離れていると思うのだが、その大きさは伝わってくる。
「はぁー、すごいね。綺麗な場所。ゆっくり生活できそうな感じがするねー」
「・・・うーん、どうだろう。クライスの大森林を出ても、この辺りに生息している魔獣や魔物はどれも強いからなー。冒険者の人にとってはいい仕事場だって聞いたけど・・・。まあ、お姉ちゃんなら、余裕なのかも?」
「そりゃそうか。普通は魔獣なんか倒せないんだよね。っていうかさ、冒険者? 冒険者って、魔獣と盗賊とか討伐したり、護衛したりするあれ?」
「う、うん。お姉ちゃん、冒険者は知ってるんだ・・・」
冒険者! そりゃー、異世界と言えば、だよね。
やっぱ冒険者ギルドとかあるのかな!
うー、テンション上がってきたー!!
いや、落ち着け。目的を見失ってどうする・・・
今回は、布と金属を求めて来たんだった。
・・・いや、でもさ。冒険者になって、ここいらにいる魔獣を狩って、売れば、お金になるよね?
それもありなのでは?
♢ ♢ ♢
とりあえず、領都を目指して移動を開始した。
といっても、軍隊騒ぎで、思っていたよりも時間を食ったので、今日の野営地を探さなくてはいけない。
これまでみたいに森の空きスペースを見つけるわけではないが、逆にあまり人目に付く場所に行くわけにもいかない。
結局、クライスの大森林と領都の間にあった、小さな森に入って、野営をすることにした。
なんだか、森って安心するのよね・・・
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