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第2章:異世界の人々との出会い
第50話:実力を示そう
「よし、じゃあ、お嬢ちゃんから試験するか。なにを試す? 武器は・・・・・・、持ってないようだな」
「魔法でお願いします」
「了解だ。的を設置するから、それを狙って魔法を撃ってくれ」
マーカスは、そういって木でできた丸い形の的を設置した。
それほど大きくない。直径1メートルくらい。
10メートルくらい離れた場所から魔法を放つように指示された。
・・・・・・ん? 近いし的でかくない?
まあ、いいけど。
的を狙って集中する。
『竜人化』を使う必要はないだろうし、大きいの作りすぎて的を粉砕するのも、なんか違う。
昨日見たレーベルの魔法を意識することにする。
まあ、あんなに精度良くはできないけど、お手本としては最適だ。
そう考えて作り出した、いつもより小さな石弾を、的めがけて発射する。
石弾は、的の中心を貫通し、後ろの壁に突き刺さった。
的は爆散していない、成功だ!
「これでいいですか?」
「・・・・・・・・・・・・あ、ああ。問題ない、合格だ・・・」
え? なんで引いてるの?
受付のお姉さん、エリーゼさんも引いてるし、訓練していた他の冒険者も引いてる?
「えっと、じゃあ、次は君だな。なにで試験する?」
「素手での格闘でお願いします」
「・・・・・・素手か?」
「はい。『身体強化』のスキルを使って戦います」
「・・・そう、か。相手は俺がやろう」
カイトとマーカスは、訓練場の中央で向かい合う。
「俺は攻撃を受け止める。どっからでもかかってこい!」
「はい。行きます!」
カイトはスキルを発動すると、右足で踏み込んで、マーカスの懐に入り、彼の鳩尾を右手で上に向かって殴り上げた・・・・・・
マーカスは、そのまま後ろに吹っ飛んで・・・
え?
吹っ飛んだって?
一撃で?
慌ててカイトとエリーゼさんがマーカスに駆け寄った。
「大丈夫ですか!? マーカス!?」
「・・・あ、ああ。大丈夫だ」
「あ、あの、ごめんなさい・・・」
「いやいや。油断した、俺が悪い。にしても、凄いな・・・。気づいたら吹っ飛ばされていた・・・」
「カイト君も凄いですね。マーカスはシルバーランクのベテラン冒険者なんですよ。それを一瞬で・・・。それで、マーカス。2人の試験はどうですか?」
「・・・ああ、もちろん合格だ。2人ともアイアンランクでいいだろう」
冒険者のランクは、上からプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、アイアン、初心者の6つだ。
冒険者登録をする段階では、初心者ランクと、アイアンランクの2つだけだ。
私たち2人とも、アイアンランクで登録してくれるということは、評価が高かったってことかな。
まあ、他の人をドン引きさせた魔法に、試験官をしてくれた歩く筋肉を吹き飛ばしたパンチ。そりゃそうか・・・
その後、訓練場にいた人たちに、奇異の目で見られながら、受付に戻った。
歩く筋肉も一緒だ。
エリーゼさんに、年齢と、種族を伝え、登録をしてもらう。
それから、目的のリンの従魔登録もしてもらった。
リン種族は、レーベルのアドバイス通り、『ポイズンスライム』だ。
私たちはそれぞれ、アイアンランクの冒険者カードを受け取った。
クレジットカードやポイントカードほどのサイズの、少し硬めのカード。
表にはアイアンランクであること、裏には名前が記されている。
達成した依頼の情報なんかは、カードをギルドにある機械、というか魔道具にかざすと、見ることができるらしい。
といっても、見ることができるのは、ギルドの職員と本人だけ。
なんでも、難しい依頼をこなしている冒険者には、貴族が接触し、引き込もうとすることが多いからその対策らしい。
自分の意思で、貴族の紐付きになるのは勝手だが、有望な冒険者を見つけ、一方的に取り込もうとするのは御法度なんだとか。
それから冒険者についての説明を受ける。
冒険者は、ギルドの壁にあるボードに掲げられている依頼票を選び、受付に提出することでその依頼を受理する。これは早い者勝ちだ。
依頼を受理した冒険者は、その依頼内容に従い、魔獣や魔物を討伐したり、素材を回収したりして、依頼の完了を受付に報告する。素材の採取系の依頼の場合は、目的物を受付に提出する。
受付で依頼の完了が確認されると、報酬を受け取ることができる。
基本はこんな感じだ。
それに加えて、特定の冒険者やパーティ ―複数の冒険者がチームを組んで活動するもの— を指名して依頼がされることがある。指名依頼という。
指名依頼は、まずは指名された冒険者やパーティに、受注権限がある。
もちろん、指名依頼であっても断ることはできるが、指名依頼は依頼料が高額な場合が多く、また、依頼主は貴族や大商人などの有力者であることが多いので、断る者はあまりいない。
最後に、強制依頼というものがある。
これは、魔獣や魔物の大量発生、戦争が勃発した場合の軍の支援など、重大な事案が発生した場合に出される。
これは、基本的に受注義務があり、依頼の出された冒険者ギルドに居た者が受注する。
強制依頼が出されている間は、他の依頼を受けることは原則としてできず、怪我や病気などの事情で、依頼に参加できない場合を除いて、勝手な理由で依頼を受けなかった場合は、ペナルティが課される。
依頼についてはこんな感じだ。
1年に1回以上は依頼を受けないといけない、などといった規則はないが、あまり長いこと依頼を受けない場合や、依頼の成功率が極端に低い場合などは、ランクの降格やギルドからの除名があり得る。
まあそうだよね、お荷物をいつまでもいさせるわけにもいかない。
私たちは今回は、依頼を受けることはしなかった。
試しに、アイアンランク推奨の依頼ボードを見に行ったが、目的地が遠方だったり、探すのが大変な魔獣や薬草の採取が内容だったりと、時間がかかりそうだったのだ。
なんでも、アイアンランクの依頼を含めて、ここ最近は魔獣や魔物の討伐系の依頼が、領主から大量に出されて、多くの冒険者がそれを取り合った残りらしい。
つまり、面倒な依頼が残っているわけだ。
うん、やらない。
♢ ♢ ♢
これで晴れて、リンも含めて、この町に滞在できる。
といっても、ポーラとレーベルは数日しか滞在できないので、さっさとやることを済ませて帰ろう。
「とりあえず、布と金属製品だね・・・」
「・・・トレイロさんのお店に行けば? 商会ならいろいろ扱ってるだろうし、それぞれ探すより簡単だと思うよ」
「そうだねー・・・。よし、トレイロ商会を目指そう」
エリーゼさんとマーカスにトレイロ商会の場所を聞いて冒険者ギルドを出た。
「魔法でお願いします」
「了解だ。的を設置するから、それを狙って魔法を撃ってくれ」
マーカスは、そういって木でできた丸い形の的を設置した。
それほど大きくない。直径1メートルくらい。
10メートルくらい離れた場所から魔法を放つように指示された。
・・・・・・ん? 近いし的でかくない?
まあ、いいけど。
的を狙って集中する。
『竜人化』を使う必要はないだろうし、大きいの作りすぎて的を粉砕するのも、なんか違う。
昨日見たレーベルの魔法を意識することにする。
まあ、あんなに精度良くはできないけど、お手本としては最適だ。
そう考えて作り出した、いつもより小さな石弾を、的めがけて発射する。
石弾は、的の中心を貫通し、後ろの壁に突き刺さった。
的は爆散していない、成功だ!
「これでいいですか?」
「・・・・・・・・・・・・あ、ああ。問題ない、合格だ・・・」
え? なんで引いてるの?
受付のお姉さん、エリーゼさんも引いてるし、訓練していた他の冒険者も引いてる?
「えっと、じゃあ、次は君だな。なにで試験する?」
「素手での格闘でお願いします」
「・・・・・・素手か?」
「はい。『身体強化』のスキルを使って戦います」
「・・・そう、か。相手は俺がやろう」
カイトとマーカスは、訓練場の中央で向かい合う。
「俺は攻撃を受け止める。どっからでもかかってこい!」
「はい。行きます!」
カイトはスキルを発動すると、右足で踏み込んで、マーカスの懐に入り、彼の鳩尾を右手で上に向かって殴り上げた・・・・・・
マーカスは、そのまま後ろに吹っ飛んで・・・
え?
吹っ飛んだって?
一撃で?
慌ててカイトとエリーゼさんがマーカスに駆け寄った。
「大丈夫ですか!? マーカス!?」
「・・・あ、ああ。大丈夫だ」
「あ、あの、ごめんなさい・・・」
「いやいや。油断した、俺が悪い。にしても、凄いな・・・。気づいたら吹っ飛ばされていた・・・」
「カイト君も凄いですね。マーカスはシルバーランクのベテラン冒険者なんですよ。それを一瞬で・・・。それで、マーカス。2人の試験はどうですか?」
「・・・ああ、もちろん合格だ。2人ともアイアンランクでいいだろう」
冒険者のランクは、上からプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、アイアン、初心者の6つだ。
冒険者登録をする段階では、初心者ランクと、アイアンランクの2つだけだ。
私たち2人とも、アイアンランクで登録してくれるということは、評価が高かったってことかな。
まあ、他の人をドン引きさせた魔法に、試験官をしてくれた歩く筋肉を吹き飛ばしたパンチ。そりゃそうか・・・
その後、訓練場にいた人たちに、奇異の目で見られながら、受付に戻った。
歩く筋肉も一緒だ。
エリーゼさんに、年齢と、種族を伝え、登録をしてもらう。
それから、目的のリンの従魔登録もしてもらった。
リン種族は、レーベルのアドバイス通り、『ポイズンスライム』だ。
私たちはそれぞれ、アイアンランクの冒険者カードを受け取った。
クレジットカードやポイントカードほどのサイズの、少し硬めのカード。
表にはアイアンランクであること、裏には名前が記されている。
達成した依頼の情報なんかは、カードをギルドにある機械、というか魔道具にかざすと、見ることができるらしい。
といっても、見ることができるのは、ギルドの職員と本人だけ。
なんでも、難しい依頼をこなしている冒険者には、貴族が接触し、引き込もうとすることが多いからその対策らしい。
自分の意思で、貴族の紐付きになるのは勝手だが、有望な冒険者を見つけ、一方的に取り込もうとするのは御法度なんだとか。
それから冒険者についての説明を受ける。
冒険者は、ギルドの壁にあるボードに掲げられている依頼票を選び、受付に提出することでその依頼を受理する。これは早い者勝ちだ。
依頼を受理した冒険者は、その依頼内容に従い、魔獣や魔物を討伐したり、素材を回収したりして、依頼の完了を受付に報告する。素材の採取系の依頼の場合は、目的物を受付に提出する。
受付で依頼の完了が確認されると、報酬を受け取ることができる。
基本はこんな感じだ。
それに加えて、特定の冒険者やパーティ ―複数の冒険者がチームを組んで活動するもの— を指名して依頼がされることがある。指名依頼という。
指名依頼は、まずは指名された冒険者やパーティに、受注権限がある。
もちろん、指名依頼であっても断ることはできるが、指名依頼は依頼料が高額な場合が多く、また、依頼主は貴族や大商人などの有力者であることが多いので、断る者はあまりいない。
最後に、強制依頼というものがある。
これは、魔獣や魔物の大量発生、戦争が勃発した場合の軍の支援など、重大な事案が発生した場合に出される。
これは、基本的に受注義務があり、依頼の出された冒険者ギルドに居た者が受注する。
強制依頼が出されている間は、他の依頼を受けることは原則としてできず、怪我や病気などの事情で、依頼に参加できない場合を除いて、勝手な理由で依頼を受けなかった場合は、ペナルティが課される。
依頼についてはこんな感じだ。
1年に1回以上は依頼を受けないといけない、などといった規則はないが、あまり長いこと依頼を受けない場合や、依頼の成功率が極端に低い場合などは、ランクの降格やギルドからの除名があり得る。
まあそうだよね、お荷物をいつまでもいさせるわけにもいかない。
私たちは今回は、依頼を受けることはしなかった。
試しに、アイアンランク推奨の依頼ボードを見に行ったが、目的地が遠方だったり、探すのが大変な魔獣や薬草の採取が内容だったりと、時間がかかりそうだったのだ。
なんでも、アイアンランクの依頼を含めて、ここ最近は魔獣や魔物の討伐系の依頼が、領主から大量に出されて、多くの冒険者がそれを取り合った残りらしい。
つまり、面倒な依頼が残っているわけだ。
うん、やらない。
♢ ♢ ♢
これで晴れて、リンも含めて、この町に滞在できる。
といっても、ポーラとレーベルは数日しか滞在できないので、さっさとやることを済ませて帰ろう。
「とりあえず、布と金属製品だね・・・」
「・・・トレイロさんのお店に行けば? 商会ならいろいろ扱ってるだろうし、それぞれ探すより簡単だと思うよ」
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