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第2章:異世界の人々との出会い
第57話:クライスの大森林への侵攻1
拠点の改造は完了し、ひとまずは、することがなくなった。
いつ攻めてくるか分からないが、現状、暇になったのだ。
というわけで、トイレの改良をすることにした。
必須なのは、購入したディーズスライム7匹を浮かべておく、スライムプール。
ここに、流れていけば、浄化してくれる。
『剣と盾』では、便器の下に、そのプールが設置されていただけであったが、少し手を加える。
私たちは全員、『水魔法』を使うことができる。
なので、セルフではあるが、水洗式トイレを作ることにした。
といっても、構造は同じだ。
まず、拠点の隅の空き地にスライムプールの場所を決めて、穴を掘る。
深さ10メートルほどの穴を掘ったら、メンテナンスの時にスライムを回収するために、側面にはしごを設置しておく。
スライムプールの壁には、別々の場所に穴を2つ空け、そこから、地中に筒状の通路を作っていく。
ここを流すのだ。なので通路の壁はなるべくツルツルにしておく。
それを、新たに作った2つのトイレへと接続する。
これで完成だ。
使用の前後に『水魔法』で水を流すことで、スライムプールに、流れていくようになっている。
スライムプールはトイレの真下ではなく、拠点の隅にあるので、臭いの心配もない。
後は、スライムプールの中で、ディーズスライムが浄化してくれるのを待つだけでいい。
必要なのは、定期的に水を捨てることだけだ。
新トイレは、みんなに好評だった。
こういう小さな設備の更新が、快適な生活へと繋がる。
毎日必ず使うものだと、なおさらだ。
レーベルは話し合った通り、食事の準備や、掃除などをしている以外は、ほとんどの時間、拠点の外へ出ての偵察や、見張り台での監視を行っている。
レーベルが、家事をしているときは、カイトやポーラが見張り台で監視を行っている。
私も定期的に、外へ出て、偵察をしている。
行動範囲よりも外へ出ることも多くあるが、不気味なくらいに魔獣や魔物と遭遇しない。
行動範囲内は、私のオーラを感じて、避けているらしいが、行動範囲の外でも遭遇しないのはなぜだろう。
ここ最近は、拠点の改造や、『アマジュ』の群生地の防御のために、『竜人化』を多用していた。
普段よりも放つオーラが強かったとか?
♢ ♢ ♢
~とあるブラッケラー視点~
森が騒がしい。
ここ最近、獲物が頻繁に移動する。
なぜだろうか・・・・・・
獲物を探して、森を歩いていたときに、その答えが分かった。
・・・アイツだ。
自分は少し前に、これまで戦ったことの無い強敵と相対した。
アイツがいったい何者なのかは分からない。
放つ魔力は、ドラゴンに似ていた。
ドラゴンとは何度か戦ったことがある。
大きな翼で羽ばたき、空を飛ぶ。
放つ魔法は強力で、鋭い爪で身体を抉ろうとしてくる。
半端な攻撃は全く意味をなさず、一瞬の隙が、命取りになる。
実際に、同族が殺されるのを見たこともある。
そんなドラゴンと似た魔力。
だが、ドラゴンとは全く違う。
感じた恐怖はそれ以上。
死を覚悟した。
一目見て、最初は人間だと思った。
人間は、見た目が異なるものがいくつかいるし、魔法を使うのもいれば、武器を使うものもいる。だがどれも貧弱だ。
ただの、獲物に過ぎない。
たまに森に迷い込んでくると、奪い合いになる。
リスク無く倒せる獲物なのだから当然だ。
だが、あれは違った。
間違いなく、自分より上位の存在。
それに気づいてからは、逃げることだけ考えていた。
幸い、魔力を溜めて放った光線によって、隙を作れたことで、逃げることができた。
あのとき、切りつけられた腕の傷は今も残っているし、痛む。
その相手、人間の見た目をしているが、ドラゴンと同じ雰囲気を醸し出しているアイツの魔力を、強く感じた。
それも感じた魔力は、以前よりも強くなっている。
近づくわけにはいかない。
次は確実に殺される・・・
アイツの気配から逃れながら、いなくなった獲物の後を追う。
数日森の中を彷徨った結果、獲物を発見した。
どうやら、森の入り口近くに獲物は移動しているようだ。
森の入り口の近くに行くと、気配を感じた。
アイツの絶望的な気配とは、まるで違う。
ただの雑魚、獲物の気配だ。それもたくさんの気配を感じる。
・・・ただ、少し不快な気配もある。
魔力を乱す、そんな気配だ。
たくさん感じる雑魚の気配、人間の気配を感じて、普段狩っている獲物が多く、森の入り口を目指している。
普段の獲物を襲ってもいいが、狩りは疲れる。
森の獲物は、どれもそれなりに強く、また逃げ足が速い。
それなら、雑魚を多く狩る方が楽だ。
そう思いながら、森の入り口近くを歩いていると、人間の集団を発見した。
その中から、さっき感じた、不快な気配を感じる。
なにやら、丸いものをこちらに向けている。
アレが、不快な気配の正体か?
まあ、不快なだけで、行動できないわけではない。
あの丸いものを破壊してから、食事をするとしよう・・・
♢ ♢ ♢
~軍務卿ラッドヴィン侯爵視点~
いよいよ進軍を開始する。
今回の遠征の目的は、塩の販売ルートの確保と、クライスの大森林を開拓し、領土とすること。
まずは開拓軍を、横に広げて森へと進軍する。
森の入り口付近から徐々に、支配下に置いていく計画だ。
魔除けの魔道具を適宜設置し、安全地帯を広げていく。
参加するのは、レンロー侯爵のところの領軍3000名を中心とした4000名。
400名を10グループに分け、横に散開し進軍を開始する。
分け方は、元の所属を中心にしている。その方がいざというときの連携が取りやすい。
バイズ辺境伯領軍を中心とした1000人は陣地を中心に待機だ。
魔獣や魔物が、森から逃げ出してきた場合に備えることになる。
私も一分隊を率いて、森へと入る。
率いているのは主に私の配下の軍勢だ。
殿下やレンロー侯爵は、魔除けの魔道具の力を信じており、前へ前へと進めているようだが、私は慎重に進軍していく。
私の担当は、一番東の端だ。
殿下とレンロー侯爵は、後にダーバルド帝国方向への進路を目指しやすくするため、西側を担当している。
まあ、成果に直結する場所だ。
魔除けの魔道具は、ある程度効果があるようだった。
レンロー侯爵が量産していただけあって、数はそれなりにあるため、30分程度進むごとに、魔除けの魔道具を設置していくことができる。
実験では、これよりも広い間隔で設置したのでも、その範囲で、魔獣どもが逃げ出したという。
今回は安全策として、実験よりも短い間隔で設置している。
同時に、部隊全体を囲うように、魔除けの魔道具を使用している兵士がいる。
これで、部隊全体が、魔獣どもの襲撃から守られるはずである。
森へ進軍を開始して2日が経過した。
これまで、魔獣による襲撃は受けていない。
どうやら、魔除けの魔道具の効果は、殿下やレンロー侯爵の主張通りであったようだ。
貴族である以上、他の貴族の成功は喜ばしいことばかりではないが、今回はその成否が自分や部下の命に直結するのであるから、素直に成功していてよかったと言えよう。
そうして、今日も進軍を続けようと、野営の片付けをし、進軍を開始した直後、1体の魔獣が私たちの行く手を阻んだ・・・
いつ攻めてくるか分からないが、現状、暇になったのだ。
というわけで、トイレの改良をすることにした。
必須なのは、購入したディーズスライム7匹を浮かべておく、スライムプール。
ここに、流れていけば、浄化してくれる。
『剣と盾』では、便器の下に、そのプールが設置されていただけであったが、少し手を加える。
私たちは全員、『水魔法』を使うことができる。
なので、セルフではあるが、水洗式トイレを作ることにした。
といっても、構造は同じだ。
まず、拠点の隅の空き地にスライムプールの場所を決めて、穴を掘る。
深さ10メートルほどの穴を掘ったら、メンテナンスの時にスライムを回収するために、側面にはしごを設置しておく。
スライムプールの壁には、別々の場所に穴を2つ空け、そこから、地中に筒状の通路を作っていく。
ここを流すのだ。なので通路の壁はなるべくツルツルにしておく。
それを、新たに作った2つのトイレへと接続する。
これで完成だ。
使用の前後に『水魔法』で水を流すことで、スライムプールに、流れていくようになっている。
スライムプールはトイレの真下ではなく、拠点の隅にあるので、臭いの心配もない。
後は、スライムプールの中で、ディーズスライムが浄化してくれるのを待つだけでいい。
必要なのは、定期的に水を捨てることだけだ。
新トイレは、みんなに好評だった。
こういう小さな設備の更新が、快適な生活へと繋がる。
毎日必ず使うものだと、なおさらだ。
レーベルは話し合った通り、食事の準備や、掃除などをしている以外は、ほとんどの時間、拠点の外へ出ての偵察や、見張り台での監視を行っている。
レーベルが、家事をしているときは、カイトやポーラが見張り台で監視を行っている。
私も定期的に、外へ出て、偵察をしている。
行動範囲よりも外へ出ることも多くあるが、不気味なくらいに魔獣や魔物と遭遇しない。
行動範囲内は、私のオーラを感じて、避けているらしいが、行動範囲の外でも遭遇しないのはなぜだろう。
ここ最近は、拠点の改造や、『アマジュ』の群生地の防御のために、『竜人化』を多用していた。
普段よりも放つオーラが強かったとか?
♢ ♢ ♢
~とあるブラッケラー視点~
森が騒がしい。
ここ最近、獲物が頻繁に移動する。
なぜだろうか・・・・・・
獲物を探して、森を歩いていたときに、その答えが分かった。
・・・アイツだ。
自分は少し前に、これまで戦ったことの無い強敵と相対した。
アイツがいったい何者なのかは分からない。
放つ魔力は、ドラゴンに似ていた。
ドラゴンとは何度か戦ったことがある。
大きな翼で羽ばたき、空を飛ぶ。
放つ魔法は強力で、鋭い爪で身体を抉ろうとしてくる。
半端な攻撃は全く意味をなさず、一瞬の隙が、命取りになる。
実際に、同族が殺されるのを見たこともある。
そんなドラゴンと似た魔力。
だが、ドラゴンとは全く違う。
感じた恐怖はそれ以上。
死を覚悟した。
一目見て、最初は人間だと思った。
人間は、見た目が異なるものがいくつかいるし、魔法を使うのもいれば、武器を使うものもいる。だがどれも貧弱だ。
ただの、獲物に過ぎない。
たまに森に迷い込んでくると、奪い合いになる。
リスク無く倒せる獲物なのだから当然だ。
だが、あれは違った。
間違いなく、自分より上位の存在。
それに気づいてからは、逃げることだけ考えていた。
幸い、魔力を溜めて放った光線によって、隙を作れたことで、逃げることができた。
あのとき、切りつけられた腕の傷は今も残っているし、痛む。
その相手、人間の見た目をしているが、ドラゴンと同じ雰囲気を醸し出しているアイツの魔力を、強く感じた。
それも感じた魔力は、以前よりも強くなっている。
近づくわけにはいかない。
次は確実に殺される・・・
アイツの気配から逃れながら、いなくなった獲物の後を追う。
数日森の中を彷徨った結果、獲物を発見した。
どうやら、森の入り口近くに獲物は移動しているようだ。
森の入り口の近くに行くと、気配を感じた。
アイツの絶望的な気配とは、まるで違う。
ただの雑魚、獲物の気配だ。それもたくさんの気配を感じる。
・・・ただ、少し不快な気配もある。
魔力を乱す、そんな気配だ。
たくさん感じる雑魚の気配、人間の気配を感じて、普段狩っている獲物が多く、森の入り口を目指している。
普段の獲物を襲ってもいいが、狩りは疲れる。
森の獲物は、どれもそれなりに強く、また逃げ足が速い。
それなら、雑魚を多く狩る方が楽だ。
そう思いながら、森の入り口近くを歩いていると、人間の集団を発見した。
その中から、さっき感じた、不快な気配を感じる。
なにやら、丸いものをこちらに向けている。
アレが、不快な気配の正体か?
まあ、不快なだけで、行動できないわけではない。
あの丸いものを破壊してから、食事をするとしよう・・・
♢ ♢ ♢
~軍務卿ラッドヴィン侯爵視点~
いよいよ進軍を開始する。
今回の遠征の目的は、塩の販売ルートの確保と、クライスの大森林を開拓し、領土とすること。
まずは開拓軍を、横に広げて森へと進軍する。
森の入り口付近から徐々に、支配下に置いていく計画だ。
魔除けの魔道具を適宜設置し、安全地帯を広げていく。
参加するのは、レンロー侯爵のところの領軍3000名を中心とした4000名。
400名を10グループに分け、横に散開し進軍を開始する。
分け方は、元の所属を中心にしている。その方がいざというときの連携が取りやすい。
バイズ辺境伯領軍を中心とした1000人は陣地を中心に待機だ。
魔獣や魔物が、森から逃げ出してきた場合に備えることになる。
私も一分隊を率いて、森へと入る。
率いているのは主に私の配下の軍勢だ。
殿下やレンロー侯爵は、魔除けの魔道具の力を信じており、前へ前へと進めているようだが、私は慎重に進軍していく。
私の担当は、一番東の端だ。
殿下とレンロー侯爵は、後にダーバルド帝国方向への進路を目指しやすくするため、西側を担当している。
まあ、成果に直結する場所だ。
魔除けの魔道具は、ある程度効果があるようだった。
レンロー侯爵が量産していただけあって、数はそれなりにあるため、30分程度進むごとに、魔除けの魔道具を設置していくことができる。
実験では、これよりも広い間隔で設置したのでも、その範囲で、魔獣どもが逃げ出したという。
今回は安全策として、実験よりも短い間隔で設置している。
同時に、部隊全体を囲うように、魔除けの魔道具を使用している兵士がいる。
これで、部隊全体が、魔獣どもの襲撃から守られるはずである。
森へ進軍を開始して2日が経過した。
これまで、魔獣による襲撃は受けていない。
どうやら、魔除けの魔道具の効果は、殿下やレンロー侯爵の主張通りであったようだ。
貴族である以上、他の貴族の成功は喜ばしいことばかりではないが、今回はその成否が自分や部下の命に直結するのであるから、素直に成功していてよかったと言えよう。
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