危険な森で目指せ快適異世界生活!

ハラーマル

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第2章:異世界の人々との出会い

第69話:帰ってきた日常

レーベルとバイズ辺境伯達を見送ると、私たちの中で今回の侵攻は終了した。
ダメージはなし。戦果は・・・・・・、バイズ辺境伯とのコネ?
まあ、もっと激しく拠点を攻めてこられることを想定していたので、拍子抜けだった。

とはいえ、カイト達の仇敵である、クソ王子とクソ貴族が確実に死んだことを確認できた。
復讐に意味があるのか、みたいな哲学的な話をする気は無いが、少なくとも区切りにはなるだろう。
というか、カイト達のことが無くても、アイツらは私が殺していたかもしれない。
それほどクソみたいな連中だった。

バイズ辺境伯を信じるならば、私たちのことを王国に言いふらしたりもしないだろう。
それに、バイズ辺境伯家の家紋の入った短剣。
これは、「この印籠が目に入らぬかー!」的なやつかな?
まあ、町に行くときは持って行くことにしよう。




侵攻も終わったので、拠点の片付けをする。
カイトとポーラ、リンと一緒に、拠点の壁に添って、毒の池を撤去していく。
リンが毒を吸収し、水を入れて軽めの水堀にしたり、穴を埋めて平らな地面にしたりしていく。
本当は、堀はもっと深く、広く作る方が防御面を考えるといいのだろうけど、現状の仮想敵は弓矢を持った兵士ではなく、真っ直ぐに突進してくるか魔獣なので、堀は軽めでいい。
必要になったら、深いのを作ろう。




昨日一日で、拠点の後片付けが終わった。
今日から、カイトとポーラはこれまでの日常に戻っている。
具体的には、それぞれ『身体強化』を使った戦闘の訓練や、魔法の訓練だ。
レーベルがいなくても、動きの精度を上げたり、的を狙って魔法を放ったりと、それぞれやっている。
それに加えて、カイトがポーラに貴族時代に勉強した内容をベースに、この世界のことを教えている。
私には、こういった指導的なことはできない。
自分なりにいろいろ考えながらいろいろやっているが、魔法といい種族といい、特殊だから。
それに転生しているので、この世界の知識はカイトに遠く及ばない。


私はリンを連れて、『アマジュ』の群生地に向かっていた。
いろいろ迷ったが、ここは毒の池を維持することにした。
見たことはないが、木の実であるから、魔獣に食べられることもあるだろう。
そして、ここの毒池や壁を目撃した兵士が生きている可能性があることを、思い出したのだ。

思い出した時は、「やらかした!」と、叫んでしまった。
確かあの時は、気まぐれに、毒池を背後にフォレストタイガーと向かい合っていた兵士達を、フォレストタイガーを倒すことで、助けたのだ。
普通の兵士なら、こんな異色の人工物に、当然謎に魔獣が死んだことは報告するだろう。
となると、報告相手がバイズ辺境伯に近い人でなかった場合、調査される可能性は否定できない。
また、完全なやらかしだ。
確実に殺しておくのが正解だったのに・・・


というわけで、ここは毒池や壁を維持、いや強化する。
一度毒をリンに回収してもらい、毒池を埋めていく。
それから、壁を二重にして、倍の分厚さにしていく。
当然、『竜人化』フル発動の、最高強度だ。

完成した壁を見て、その強度を試してみたくなった。
『竜人化』を解いた状態で、最大限に力を込めて、『ストーンバレット』を壁にぶつけてみた。
・・・傷一つ付いていない。
次に、『竜人化』して、軽くやってみた。
同じく無傷だ。
最後に『竜人化』して、フルパワーで放ってみたところ、命中した部分が大きく窪んだ。
だが、一撃で貫通するには至らず、当然2枚目の壁は無傷である。

分かってはいたが、『竜人化』+フルパワーはどっちも強いな。
だが、最近は拠点防御のために壁を作る機会が多かったからか、壁の方に軍配があがったようだ。
しばらくは、攻撃方法のアップグレードを考えるかな・・・
まあ、いずれにせよ、この壁が一般的な魔獣や人型種相手なら十分すぎる強度を有していることは確認できたから満足だ。


次に毒池を再度設置する。
前は、簡単な池を作ったが、今回は前よりも大きな池にする。
もっとも、深く掘ることは、前回の根を守らなくてはいけないという問題が解決していないので、範囲を広げるだけだ。
私たちが『アマジュの実』を収穫するときは、自分で橋を作るので、池は壁を囲うように全体に設置しておく。


 ♢ ♢ ♢


『アマジュ』の群生地の防御設備の、アップグレードは無事に完了した。
というわけで、やることが無くなった。

攻撃方法のアップグレードはあるが、戦い関連一辺倒は飽きるのだ。
この世界における戦闘は、文字通り生きるか死ぬかであって、必ずやらなければならないことではあるが、それだけでは辛い。
せっかく転生して、自由に生活できて、しかも強さを手に入れた。
つまり普通に生きていくのに支障はない。
だからこそ、戦闘以外の何か打ち込めるものがほしいのだ。

カイトやポーラの成長を見守るっていうのも、早くも生きがいになりつつある。
2人が魔法や戦闘でどんどん強くなっているのを見るのはとても楽しい。
だが、それは基本的に見守っているだけであって、私がすることはほとんどない。


この世界に来て、いろいろやった中では、魔法についてあれこれ考えるのが楽しかった。
まあ、魔法について考えていた一番の目的は戦闘力が欲しかったからだが、現状これ以上は必要ない。

魔法に関しては、未だに『闇魔法』が謎だ。
久しぶりにステータスを見たら、『闇魔法』のレベルが3になっていた。
もっとも、使った覚えはない。

他の魔法を参考にするならば、魔法は使えば使うほど、上達していく。
つまりレベルが上がっていた。
だが『闇魔法』を意図的に発動した覚えは無い。
いや、最初に存在を知ったときに試してはみたが、何も起こらなかった。


・・・・・・そういえば、『闇魔法』かは分からないけど、リンを従魔にする直前に、リンの下に現れた魔法陣。
なんか黒い光のようなものを放ちながら、回転していた気がする。
私の見た、闇っぽい魔法はそれだけだ。
いや、あれが魔法だと確定したわけではないけど。

でも確か、あの魔法陣の光を浴びた後、リンとなんとなく感情が繋がったような感覚になったことを覚えている。
・・・・・・うーん、よく分からないが、あの光が何らかの効果を及ぼしたと考えるのが普通かな?
あの光が『闇魔法』かは分からないが、あの光の正体を突き止めるところから始めようかな。
『闇魔法』とは関係なくても、それはそれで面白いし。

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