危険な森で目指せ快適異世界生活!

ハラーマル

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第2章:異世界の人々との出会い

第70話:再現しよう

翌日、あの時の魔法陣を再現しようと、一日中、「はっ!」とか、「魔法陣!」とか叫んだり、いろいろイメージしながら力を込めてみたりしたが、何も起こらなかった。
カイトやポーラに変な目で見られただけだった。




次の日、今度は『闇魔法』を試してみる、
あの時の魔法陣にこだわらなければ、『闇魔法』といってもイメージできるのは・・・・・・、影とか?
でも、これは前も試して上手くいかなかった。
一応やってみたが同じだ。
影を操るってのが、イメージしにくいのが原因なのか、それ以外が原因か・・・


完全に手詰まりだ。
『闇魔法』について考えてみようと思って2日経たずに、暗礁に乗り上げてしまった。
やっぱ、独学だけでは無理があるかなー

レーベルに聞いてみる?
いや、前に言われたけどそれでは直接答えが出てきてしまって面白くないし、レーベルにも止められている。

こうなったら、前回と同じ状況を再現してみる?
いや、リンと同じオリジンスライムをもう一体探すなんて・・・・・・

そうか、別にオリジンスライムじゃなくてもいいのか。
もちろん完全再現ならそうだけど、同じ魔物、それに区別が曖昧な魔獣でも試せるのでは?
幸い魔獣なら、適当に歩いていれば遭遇できる。
明日は森に入って、魔獣探しでもするか。


 ♢ ♢ ♢


翌日、カイト達に森に行くと伝え、リンと一緒に森に入る。
カイト達は今日も拠点の広場で訓練をするらしい。
拠点を出る前に2人に頼まれ、いくつか攻撃目標を作ってあげた。
ファングラヴィットやフォレストタイガーを模した、土像や石像だ。
強度は、『竜人化』して、簡単に作った程度。
というのも、『竜人化』せずに作ったものだと、本気で作っていても、2人は数回の攻撃で破壊してしまう。
何度も殴る訓練を考えると、最低限、『竜人化』した強度が必要となるのだ。




森の中で魔獣を探してみるが、こういうときに限って、なかなか魔獣に遭遇しない。
そういえば、つい先日、『アマジュ』の群生地で『竜人化』をフル発動したばかりだったか・・・


気を取り直して、捜索場所を拠点の北東方向へ変え再び森の中を歩き出す。
カイト達が流された川へ向かう方向だ。
いい加減、この川も名前で呼びたいな・・・
ラシアール王国がなんて呼んでいるのか、今度聞いてみるかな。


いつもよりも森をじっくり眺めながらジグザグと歩くこと数十分、なにやら鳴き声が聞こえてきた。
それも複数だ。
足音を立てないように慎重に鳴き声の方向へ進んでいく。

少し進むと、6頭の馬が見えてきた。
『鑑定』してみると、『スレイドホース』だった。
確かカイトが、普通の馬よりも体力やスピードに優れていて、大きい商会や貴族、高位の軍人が愛馬にしているって言ってたっけ?
それが、6頭。目の前で足下の草を食っている。
よく見ると、それぞれ鞍や頭部に鎧のようなものが装着されている。


「・・・・・・侵攻の際に、逃げ出したの?」

そんな風に呟きながら、スレイドホースの様子を観察する。
どのスレイドホースも、なんだかのんびりと、穏やかな様子で草を食っている。
森の中には、馬が食うような草とか、ニンジン?なんてあまりないように思う。
だが見ていると、背の低い木の葉っぱや、木の実なんかも食べており、私の知っている馬とは違うようだ。
そりゃ、異世界でしかも魔獣だからいろいろ違うか。




スレイドホースを観察しているが、どんどん可愛く思えてきた。
どの個体も、毛並みや模様が全く異なり、動き方も違う。
これまで、ファングラヴィットやフォレストタイガーを多く見て、倒してきたが、これほどじっくり見たことはなかった。
まあ、見た目が怖くないっていうのが大きいかもしれないけど・・・


・・・うーん、従魔にできないかなぁー
今後、町に定期的に行くわけだし、毎回野営をしながら、森の中を2、3泊して進んでいくのはちょっとしんどい。
どれくらい短縮できるのか分かんないけど、スレイドホースに乗れば、確実に時間短縮にはなるだろう。
それに、従魔にして拠点で暮らしてもらうことになったとしても、どうやら食事は用意できそうだ。
さらに、魔獣だから、今日の目標である、魔獣に対してリンの時の再現してみるっていうのも達成できる。


なんとかして従魔にしたいな。
・・・とはいえ、やり方が分からん。
あの時は確か、リンを見て・・・、可愛いなーってなって・・・、ペットにしたいって思ったんだっけ・・・?


そう思いながら、スレイドホースたちを見つめていると・・・・・・

「えっ!?」

スレイドホースそれぞれの足元に、あの時の魔法陣が展開し始めた。
魔法陣はあの時と同じく、グルグルと回転を始めて、黒い光を放ち始めた。
スレイドホースたちは、驚いたり逃げ出そうとしたりする様子もなく、そのまま、足元を見つめて、立っている。

少しして黒い光が消えていった。
スレイドホースたちに、目に見える変化はない。
・・・ただ、どの子も私の隠れている茂みの方向を向いていた。
明らかに、居場所がバレている。


茂みからゆっくりと出て、スレイドホースたちの前に立つ。
みんな、私の方をじっと見つめているが、先程と同様に、逃げようとする気配はない。

「・・・・・・は、初めまして。私はコトハよ」

そう言いながら、ゆっくりと近づいていく。
この子たちに、私を害する意図は感じないし、多分攻撃されてもそんなダメージは受けない。
・・・いや、単純にショックだけど。

近づいていき視線を交わすと、スレイドホースたちの感情がなんとなく分かるような感じがした。
そういえば、リンのときも、「名前をつけて欲しい」っていう、リンの感情が伝わってきたんだっけ?


スレイドホースたちの目の前まで来ると、一番近くにいたスレイドホースが、私に頭を擦り付けてきた。
それを皮切りに、他の子たちも次々と私の周りに集まって、同じく頭を擦り付けてくる。
一瞬驚いたが、感じるのは敬意や服従の意思ばかりだ。

「・・・・・・えっと、もしよかったら私たちと一緒に来ない? その、食事とかは用意できるし、危ない魔獣からも守ってあげれるから・・・」

そう伝えると、一呼吸置いてから、一斉に「ウォーーン!!」と、野太い声で鳴いた。
どうやら、同意してくれたらしい。




拠点へ連れ帰るため、スレイドホースたちを先導しようと先頭で歩き始めると、腰を小突かれた。

「・・・どうしたの?」

そう問いかけると、先頭にいた、さっき最初に頭を擦り付けてきた子が、私と自分の背中を交互に見て、鳴いている。

「・・・もしかして、乗せてくれるの?」

そう聞き返すと、「そうだよ!」とでも言うように、軽く鳴いた。


その子の横に回って、足置きのような場所に足をかけて、一気に上に上がる。
そして、鞍に腰掛けると、スレイドホースは嬉しそうに鳴いた後、ゆっくり歩き始めた。

最初は、それほどスピードは出ていなかったが、次第にスピードが上がっていき、かなり速いスピードで、森の中を疾走し始めた。

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