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第2章:異世界の人々との出会い
第84話:ゴーレム作り1
シャロンがポーラの従魔になったこと、ポスとベッカが妊娠したこと以外は、変わらない日常を送っていた。
・・・結構変わってるか?
カイトとポーラは訓練や勉強、レーベルは家事やカイトたちの相手、従魔たちは自由気ままな生活を送っている。
シャロンはポーラと一緒に訓練に参加し、私の作った的に噛み付いたり引っ掻いたりしていた。
魔法の発動はまだ完全にはできないらしく、魔法を発動しようとして自分が水浸しになる、といったことを繰り返していた。
ステータス上では『水魔法』のレベルは1だったが、上手く使えるようになるには時間がかかるみたいだ。
私は、予定通り一度町へ向かい、バイズ辺境伯と話をしたり、トレイロに『セルの実』を追加で売ったりしていた。
『セルの実』の相場が、金貨8~10枚だと聞いて、思わず値下げとこの前の分を返そうかと思ったが、トレイロに拒否された。
トレイロは、私から買い取った『セルの実』を仲良くしたい貴族への贈り物としたらしい。
塩自体は普通に買えるが、『セルの実』から作られる高級な塩を使った料理は、貴族にとってはパーティー料理なんかで振る舞うことがステータスの一つらしく、かなり喜ばれて、その後の取引にプラスに働いているらしい。
そのことを分かっていたから、私から絶対に買い取るべく、高値を提案したらしい。
・・・まあ、こちらは助かるだけだし、いいんだけどさ。
町に行った以外では、森を散策したり、定期的に魔獣を狩ったり、拠点を手直ししたりと、のんびりと過ごしていた。
そんな中で趣味的にやっていたのが、ゴーレムについて書かれた本の解読だ。
解読といっても、用語の意味が分からないものを、レーベルやカイトに聞いたのが中心だ。
というのもこの本は、ラシアール王国の前身の国家でグレイムラッドバイパーに滅ぼされたカナト王国の時代のゴーレム研究について書かれた本なのだ。
そのため、当時の地名や人名が、例え話や実例として紹介されているのだ。
カイト曰くこの本に使われている言語は、カナト王国の古語で、カイトたちラシアール王国で勉強してきた者は勉強しない、失われた言語らしい。
王国の古老などに見せれば読むことができるはず、とのことで、その前に入手できたのはラッキーだった。
内容を知られれば、普通は軍事転用や貿易への利用を考えて、機密扱いになるだろうし。
本に書かれていることは大きく分けて2つ。
ゴーレムの構造や出来る事、とゴーレムの作り方だ。
前者については、かなり基礎的な内容から実用例までかなり詳しく書いてあった。
曰く、ゴーレムとは魔石を核として、土や金属などを身体部分とした、魔法生物だ。
魔法生物と書かれているが、ロボットやドローンに近い感じかな。
魔石に命令式を書き込む、魔力を稼動エネルギーとして使用する。
カナト王国では、兵士・門番や警備としての利用や、重たい物を運搬する運搬役としての運用がされていたらしい。
ゴーレムの性能を基礎付けるのは、魔石だ。
魔石の大きさや質が、どれくらい命令式を書き込むことのできるかに影響する。
当然、命令式を多く書き込める方が、ゴーレムのできることも増えるわけだ。
そして、稼動にどれほど魔力を使えるか —どれくらいの魔力を貯めることができるか—と、魔力の使用効率 —要は魔力の燃費— も性能に大きな差を与える。
魔力は、魔石に貯めることができ、それを電池代わりに、ゴーレムに埋め込むらしい。
カナト王国で、比較的大きく質の良い魔石を入手することができたようだ。
というのも、カナト王国は、ラシアール王国よりも軍事力が優れていて、ファングラヴィットであれば、少しの犠牲で討伐できた。
そのため、森から出てきたファングラヴィットを年に数回は狩っており、その魔石を利用できたらしい。
つまり、宝物庫に大量にある魔石で、ゴーレムを作ることができるわけだ。
それを知った時は、思わず叫んでしまった。
ただ、そう簡単にはいかない。
ゴーレムの作り方は思ったより、定式化されていなかったのだ。
まず難しいのが、命令式を書き込む作業。
ゴーレムへ命令式を書き込む方法は2つある。
最初に魔石に直接書き込む方法と、ゴーレムが完成してから勉強させる方法だ。
後者については、新人研修が如く、そのゴーレムにやらせたいことを訓練してやれば、身につく。この身につくというのが、魔石への書き込みになるわけだ。
つまり、ゴーレムとして完成し、ある程度の動きができるようになってから、兵士にするなら兵士の訓練を、門番にするなら門番の訓練をすればいいわけだ。
一方で前者、魔石へ直接書き込む方法がよく分からない。
これはゴーレムの基礎的な動き、つまり首を動かす、手足を動かす、歩くなどの動きの命令式を書き込んでいく。
本には、必要な動きを順に念じながら魔力を込めていく、と書かれているのみなのだ。
なんとなくだが、魔法の発動と似たものを感じる。
魔法発動の核は、イメージだ。
強いイメージを参考に魔力が魔素へ指示を出して、イメージした事象が具現化する。
魔石にゴーレムの基礎的な動きの命令式を書き込むことも、イメージを具現化していくということができる。
それにレーベルは、ゴーレムの作製は『闇魔法』の一種だと言っていた。
最後に命令式を書き込んだ魔石と身体部分となる土や金属を合成する。
これも説明は曖昧だったが、おそらく魔石と土等の身体部分を1カ所に集め、魔力を込める感じだ。
すると魔法陣に包まれて、ゴーレムとなるらしい。
・・・・・・分からんが、イメージを強くすれば『適合化の魔法陣』みたいなのが出てくるんだろうか?
まあ、そのときになったら考えよう・・・
♢ ♢ ♢
そんな感じで、本の解読が進み、町へ行くという用事も完了したので、いよいよゴーレム作りに取り掛かることにする。
まずは、基礎的な動きを魔石に書き込むことから始めよう。
宝物庫に行き、ファングラヴィットの魔石をいくつか選ぶ。
宝物庫には、フォレストタイガーの魔石やグレイムラッドバイパーの魔石もあるが、最初は失敗するだろうし、山ほどあるファングラヴィットの魔石で実験する。
魔石の大きさが性能に直結することを考えると、一際大きいグレイムラッドバイパーの魔石は、ゴーレム作りに慣れてから使用したい。
魔石へ直接、命令式を書き込む行程は、イメージと魔力の注入だ。
イメージを書き込めているかを試すためにも、まずは魔力を込めることができるようにならなければならない。
そういうわけで、魔石に魔力を込めることからやってみる。
魔力を感じたり、体内の魔力を操作したりといったことは、最近なんとなく感覚がつかめてきた。
『竜人化』により角を出してから、魔石を両手で包み、魔力を込めていく。
どの程度込める必要があるか分からないので、とりあえず、全力だ。
魔力が身体を巡り、かざした両手から魔石へ流れていくのを感じる。
2分ほど魔力を込め続けていると、いきなり魔石が「ギャン!」と音を立てて、破裂した・・・・・・
・・・結構変わってるか?
カイトとポーラは訓練や勉強、レーベルは家事やカイトたちの相手、従魔たちは自由気ままな生活を送っている。
シャロンはポーラと一緒に訓練に参加し、私の作った的に噛み付いたり引っ掻いたりしていた。
魔法の発動はまだ完全にはできないらしく、魔法を発動しようとして自分が水浸しになる、といったことを繰り返していた。
ステータス上では『水魔法』のレベルは1だったが、上手く使えるようになるには時間がかかるみたいだ。
私は、予定通り一度町へ向かい、バイズ辺境伯と話をしたり、トレイロに『セルの実』を追加で売ったりしていた。
『セルの実』の相場が、金貨8~10枚だと聞いて、思わず値下げとこの前の分を返そうかと思ったが、トレイロに拒否された。
トレイロは、私から買い取った『セルの実』を仲良くしたい貴族への贈り物としたらしい。
塩自体は普通に買えるが、『セルの実』から作られる高級な塩を使った料理は、貴族にとってはパーティー料理なんかで振る舞うことがステータスの一つらしく、かなり喜ばれて、その後の取引にプラスに働いているらしい。
そのことを分かっていたから、私から絶対に買い取るべく、高値を提案したらしい。
・・・まあ、こちらは助かるだけだし、いいんだけどさ。
町に行った以外では、森を散策したり、定期的に魔獣を狩ったり、拠点を手直ししたりと、のんびりと過ごしていた。
そんな中で趣味的にやっていたのが、ゴーレムについて書かれた本の解読だ。
解読といっても、用語の意味が分からないものを、レーベルやカイトに聞いたのが中心だ。
というのもこの本は、ラシアール王国の前身の国家でグレイムラッドバイパーに滅ぼされたカナト王国の時代のゴーレム研究について書かれた本なのだ。
そのため、当時の地名や人名が、例え話や実例として紹介されているのだ。
カイト曰くこの本に使われている言語は、カナト王国の古語で、カイトたちラシアール王国で勉強してきた者は勉強しない、失われた言語らしい。
王国の古老などに見せれば読むことができるはず、とのことで、その前に入手できたのはラッキーだった。
内容を知られれば、普通は軍事転用や貿易への利用を考えて、機密扱いになるだろうし。
本に書かれていることは大きく分けて2つ。
ゴーレムの構造や出来る事、とゴーレムの作り方だ。
前者については、かなり基礎的な内容から実用例までかなり詳しく書いてあった。
曰く、ゴーレムとは魔石を核として、土や金属などを身体部分とした、魔法生物だ。
魔法生物と書かれているが、ロボットやドローンに近い感じかな。
魔石に命令式を書き込む、魔力を稼動エネルギーとして使用する。
カナト王国では、兵士・門番や警備としての利用や、重たい物を運搬する運搬役としての運用がされていたらしい。
ゴーレムの性能を基礎付けるのは、魔石だ。
魔石の大きさや質が、どれくらい命令式を書き込むことのできるかに影響する。
当然、命令式を多く書き込める方が、ゴーレムのできることも増えるわけだ。
そして、稼動にどれほど魔力を使えるか —どれくらいの魔力を貯めることができるか—と、魔力の使用効率 —要は魔力の燃費— も性能に大きな差を与える。
魔力は、魔石に貯めることができ、それを電池代わりに、ゴーレムに埋め込むらしい。
カナト王国で、比較的大きく質の良い魔石を入手することができたようだ。
というのも、カナト王国は、ラシアール王国よりも軍事力が優れていて、ファングラヴィットであれば、少しの犠牲で討伐できた。
そのため、森から出てきたファングラヴィットを年に数回は狩っており、その魔石を利用できたらしい。
つまり、宝物庫に大量にある魔石で、ゴーレムを作ることができるわけだ。
それを知った時は、思わず叫んでしまった。
ただ、そう簡単にはいかない。
ゴーレムの作り方は思ったより、定式化されていなかったのだ。
まず難しいのが、命令式を書き込む作業。
ゴーレムへ命令式を書き込む方法は2つある。
最初に魔石に直接書き込む方法と、ゴーレムが完成してから勉強させる方法だ。
後者については、新人研修が如く、そのゴーレムにやらせたいことを訓練してやれば、身につく。この身につくというのが、魔石への書き込みになるわけだ。
つまり、ゴーレムとして完成し、ある程度の動きができるようになってから、兵士にするなら兵士の訓練を、門番にするなら門番の訓練をすればいいわけだ。
一方で前者、魔石へ直接書き込む方法がよく分からない。
これはゴーレムの基礎的な動き、つまり首を動かす、手足を動かす、歩くなどの動きの命令式を書き込んでいく。
本には、必要な動きを順に念じながら魔力を込めていく、と書かれているのみなのだ。
なんとなくだが、魔法の発動と似たものを感じる。
魔法発動の核は、イメージだ。
強いイメージを参考に魔力が魔素へ指示を出して、イメージした事象が具現化する。
魔石にゴーレムの基礎的な動きの命令式を書き込むことも、イメージを具現化していくということができる。
それにレーベルは、ゴーレムの作製は『闇魔法』の一種だと言っていた。
最後に命令式を書き込んだ魔石と身体部分となる土や金属を合成する。
これも説明は曖昧だったが、おそらく魔石と土等の身体部分を1カ所に集め、魔力を込める感じだ。
すると魔法陣に包まれて、ゴーレムとなるらしい。
・・・・・・分からんが、イメージを強くすれば『適合化の魔法陣』みたいなのが出てくるんだろうか?
まあ、そのときになったら考えよう・・・
♢ ♢ ♢
そんな感じで、本の解読が進み、町へ行くという用事も完了したので、いよいよゴーレム作りに取り掛かることにする。
まずは、基礎的な動きを魔石に書き込むことから始めよう。
宝物庫に行き、ファングラヴィットの魔石をいくつか選ぶ。
宝物庫には、フォレストタイガーの魔石やグレイムラッドバイパーの魔石もあるが、最初は失敗するだろうし、山ほどあるファングラヴィットの魔石で実験する。
魔石の大きさが性能に直結することを考えると、一際大きいグレイムラッドバイパーの魔石は、ゴーレム作りに慣れてから使用したい。
魔石へ直接、命令式を書き込む行程は、イメージと魔力の注入だ。
イメージを書き込めているかを試すためにも、まずは魔力を込めることができるようにならなければならない。
そういうわけで、魔石に魔力を込めることからやってみる。
魔力を感じたり、体内の魔力を操作したりといったことは、最近なんとなく感覚がつかめてきた。
『竜人化』により角を出してから、魔石を両手で包み、魔力を込めていく。
どの程度込める必要があるか分からないので、とりあえず、全力だ。
魔力が身体を巡り、かざした両手から魔石へ流れていくのを感じる。
2分ほど魔力を込め続けていると、いきなり魔石が「ギャン!」と音を立てて、破裂した・・・・・・
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