あなたに告白してもいいですか?

笹タクタク

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第1章 凶歩大会編

4話「ハマっちゃっていいですか?(前編)」

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 皆様は「魔聖歩斬ませいほざん」をご存じだろうか?
 戦闘における基本である4つの力の名前である。

 魔物が産み出した破壊的な力、「魔法」

 天使が産み出した救護的な力、「聖法」

 人間がありとあらゆる方法で進化させた移動の力「歩方」

 そして、単純かつ攻撃方法が多彩な「斬撃」

 この4つの力はバランスを取ることができるのは人間のみ…
 その中でも彼女は、ずば抜けていた…

====================================

 凶歩大会開始まもなく先頭集団の中で何かいざこざがあったらしいが、俺は早く帰りたかったので気にせず、栗林と千田の3人で前に進んだ。
 現在スタートから2キロは走っている。まだ、ルールの通達は何故かスマホに届いていないので、「鎖と剣ソラフル」の連中についていくしかない。
 栗林は早速、手袋をして鼻の穴の中に指を突っ込む。

「早速使うのかよ…」

 千田は目をそらしながら、栗林と距離をおく。
 栗林は鼻の穴から極小サイズの箱を取り出し、

開封オープン

と言うと、箱が大きな鳥へ変化した。
 栗林の能力は特殊な歩法、『鼻先の世界ノーズ·ワールド』と呼ばれるいわゆる収納魔法である
 鳥は栗林を乗せ、空に飛び立った。
 千田は栗林が消えてから、

「せめて、見えないようにしようとかさ…デリカシーがないよなあいつは」

 と愚痴を垂れ流しながら足を速めた。

====================================

 ~その頃、亜水は~

 現在、私のいる先頭集団の方はスタート地点である無駄に広い太鼓山ランドを抜けたら、急に立ち止まりました。おそらく目の前の看板に、『北見市にようこそ』と書いてあった為であると思われます。私の見解だと、地理的におそらく富山県の太鼓山ランドが何故か突然1200km以上離れた北海道北見市に飛ばされたのだと推測はできます。これは浅見さんの『地点移魔法ガレイリオンマジック』の能力でしょう。
 皆が戸惑っているときに、一通のメールが届きました。メールには「ルール」が5つ書いてあり、

 るーる1 富山県外に出てはいけない。
 るーる2 水に濡れてはいけない。
 るーる3 穴に落ちてはいけない。
 るーる4 飲み物は飲んでもいいが、食べ物を食べてはいけない。
 るーる5 30分毎に最後尾から50人は強制失格になる
 
 るーるを破った、もしくはるーる5に当てはまる場合は失格となり、自宅に転送され、優勝者が決まるまで制約として校庭に軟禁される。

 と、まるでこのルール自体に罠が仕掛けられているかのようなルールでした。
 また、私はこのメールに違和感を感じた。なんか、矛盾してないか?

「なんじゃ?これはぁ?」

鎖と剣ソラフル』の大男こと、大猿寺安値だいえんじあんち先輩が、大声で怒鳴ります。
 そういえば、周りの生徒に『鎖と剣ソラフル』の生徒が大猿寺先輩しかいません。

「先頭について行ったのが間違いだったのですね…」

 私がボソッと呟くと、後ろの方が、

「いや、全部浅見の計画だったんだ…」

と、死んだような目をして言いました。
 もこんな感じのことがあり、周南様が巻き込まれたことがあった。
 の繰り返しにならぬように努力してきた自分が悲しくなり、壁に拳をぶつけることしかできなかった。
 その時、失格になったことを知らされたメールが全員に送られる。
 
 25人失格 残り975人

 私は苛立ちを覚え、スマートフォンをぶっ壊してやった。
 
====================================

 ~一方その頃~

 先頭集団が太鼓山ランドを抜けた時、まだ俺達は出口から800mほどあった。

「ゼェ…ゼェ…さすがに…長すぎ…る…だろ…」

 千田は体力がないのか、途切れ途切れに文句を言ってくる。
 もう6kmは走りっぱなしだから俺もヘトヘトになってた。
 と、10分位飛んでいた栗林が地上に降りてきて、

「すぐそこで兎野原と鶏塚が決闘デュエルしてる!」

 と慌てて言ったが、

「は?…なに…言ってん…だ?委員長…が鎖と剣ソラフル…と対等に…渡り合える…わけ……ない…だろう…が。見間違え…じゃ…ねぇ…のか?」

 千田は息を切らしながら反論した。
 確かに綾香は戦闘においては、下の下。
 鎖と剣ソラフルのような超絶チート集団なんぞ、ワンパンで倒されるだろう。
 だから、戦闘が続いている時点でおかしいのだ。

「とにかく止めにいかなきゃ!」 

 俺達3人は、兎野原さんと綾香のところへ駆け込もうとしたその時、一通のメールが来た。
 先ほどの「るーる」のあとにきた、失格者通知だ。
 
478名失格 のこり、497名

「一気に消えたな」

 栗林が不審そうに言うと、

「後ろの奴ら全員急に消えたぞ。いったいどうなってるんだ?」

 千田が振り返りながら言った。
 俺も振り返ってみたが、俺らの後ろにいた半数の生徒がその場から消えていた。
 いったいどうなっていやがる…
 俺は背筋が凍る思いになり、綾香達のもとへ急ぎ足で向かった。
◇◇◇
 15分後、前にいた200人程を抜かし、綾香達のもとへたどり着いた。
 綾香達は、服がボロボロになっており、完全に下着丸出し状態になっていた。

「おい、お前らやめろ!」

 俺が止めに入ると攻撃をやめ、お互いに距離をおいた。

「邪魔しないで!ゆーくん!」

 綾香が兎野原さんを睨み付けながら叫んだ。
 ん?ゆーくん?て…こと…は

「あ、口滑らせちゃった~」

 と、綾香に化けた奴が言うと、やはり元のアイツに姿を戻した。

「やっぱり綾香に化けていたのは………」

 俺はまためんどくさい女に絡んでしまったようだ……

 後から聞いたのだがその頃、綾香は俺を探しながら走っていたそうだ。





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