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地獄の園へようこそ⑵
しおりを挟む「あのぅ~少しお時間よろしくて?」
3人のうちの巻き髪がもはやドリルのリーダー格の令嬢が話しかけてきた。
私は気にせず食べ進める。
「すまないが今話している最中だ。後にしてくれないか?」
ジルさんや…その言い訳はちょっと厳しいのじゃないかい?
「で、では私たちもその会話をご一緒させていただいても?」
ジルの返答に懲りず、次はそばかすがチャーミングな令嬢が話しかけてきた。
いや、初対面で名前も知らずに話入ってくるのはちょっとな…ないわ~
「構わないが、俺たちはあなた方の名前すら知らないのだが…それで楽しい話がでいるとお思いで?」
「「……」」
「申し訳ございません。私エリアールと申します。是非エリと呼んでくださいませ。」
黙りこくった2人とは違い、後ろにいた大人しそうな子が前へ来て名乗り始めた。
何故か既視感を覚えた。聞いたことのあるような名前に首を傾げるがそんなことより目の前の甘い物だ。既視感を振り払いお目当ての物を食べ進める。
「はぁ~…そういうことじゃないんだが…お嬢さん方の家名をお聞きしても?」
「私は平民出身のため家名はございません。それは先の二人も同じ…今回は身分関係なく、無礼講だとお聞きしましたわ。何か問題でも?」
なんと、どこぞのご令嬢じゃなかったのか。なるほど、いくら無礼講を言われようと、あまりにもマナーの悪さが際立っているわけだ。私に害がなければ何でもいいんだけど…
「なるほど…確かに本日は無礼講です。しかし、だからと言ってあまりにもマナーが悪すぎるのはどうかと思いますよ、レディー?」
ジルは丁寧に対応しているが、身分関係なくとも失礼なのは3人組の方だ。
話している間に入るのはよっぽど親しくないとダメだし、しかも間に入る時は失礼なのを先に謝らないとなのに、相手をしてほしいと話しかけてきたのだ。ジルは咎めず話している最中だと言ったが、初対面で名乗りもしないで話に入らせてほしいと。そして、注意されてから名乗った挙句、無礼講だからと身分で注意しているのではないのに勝手に話をすり替える始末。ほんと、話にならない。
「私たちは平民出身です。貴族様方のマナーを持ち出されても困りますわ。」
折角隅で甘いものを堪能していたのに、騒ぎ過ぎたのか周囲の目が集まっていることに気が付く。
関わる気はなかったが、皇子がこれ以上目立つのは良くないだろう。
「貴族のマナー以前の問題ですよ。常識はどこに置いてこられたのでしょう。指摘されたことを素直に聞きもせず、癇癪起こして恥ずかしいですね。」
「「「ッ!…」」」
ここにきて自分たちが浮いていることに気づいたのか私の言ったことに対して言い返そうにも口が開かない様子。
なら、もう言うことはないと思い、場所を移ろうとしたらクレマさんが人間とは思えない速度で走って来た。
「ナオどこ行ってたんだ。心配したぞ。あれの息子と一緒だと思うと気が気じゃない。さぁ帰ろう。今すぐ帰ろう。直ちに帰ろう。」
そう言いがら私に抱き着き、頭に頬をスリスリしてくる。
そう、認めたくないがクレマさんはこの1年で過保護度合いがバージョンアップしているのだ。
それに皇后をあれ呼ばわりするのは多分クレマさんだけだろう。
「うん、帰る!でもその前に…ジル‼ありがとう。」
私も直ちに帰りたかったからちょうど良かった。ジルに3人組の相手をしてもらったお礼を言ってからクレマさんと手を繋いで帰路につく。色んなフラグを立てまくっていることに気づきもせず…
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