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温かいね⑴
しおりを挟む私はここに来るまで看護師をしていた。
パワハラを受けて正直精神的に辛い時期だった。世の中では、いじめ、パワハラで命を散らす人もいる。暴力もそうだけど、言葉が心を傷つけているんだ。
そう、病気やケガだけでなく…
仕事では命が尽きる場面を何度も見て来た。命が尽きる瞬間は呆気ないもので、簡単に尽きてしまう。だからこそ、その人生、生き様が儚く、美しいと言われているんだと思う。
この世界では治癒魔法なるものがある。多少の大怪我は治せてしまうのだ。だから、エリちゃんのように人を攻撃することに抵抗がない子供が多い。そのまま大人になったんだろうなと思う人を、任務で見ることも少なくない。
「言葉で人って死ぬんだよ。」
それを分かっているのやら、いないのやら。
『あんたなんて、どうせその顔だけじゃない!』
「ふふ、結構効いたなぁ。」
ズキッと胸に痛みが走る。
あぁ~結構精神的に強くなったと思ったのになぁ。
胸のあたりからズキズキとした痛みが黒い感情と共に全身に広がっていくみたい。
みんな顔だけしか見てないのかな。誰も私のことなんて見てくれない…
「って、そんなわけないじゃん!」
顔だけで親になって、養ってくれる人がいる?命を懸けて守ってくれる人がいる?クレマさんは、皆は、そんな薄っぺらい人達じゃない。
大丈夫。
「大丈夫、大丈夫だよ。水野奈央。」
「あぁ、大丈夫だ。」
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