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始まりの始まり
しおりを挟む「アミリアス様、いいのですか?またあの女が…」
アミリアス=セントリアは王立ブリアント学園のテラスで学友達に詰め寄られていた。
アミリアス=セントリアはセントリア公爵家の長女であり、漆黒の黒髪とエメラルド色に輝く瞳を持つ高嶺の花と名高い16歳の少女である。そして、第1王太子殿下の婚約者であり、次期王妃候補である。学友の話の内容は、アミリアスの婚約者であるロイド王太子殿下がどこぞの男爵令嬢に現を抜かしているということだ。
心配する学友達をよそに、ゴテゴテの恋愛小説によくありそうな内容だとアミリアスは考える。が、淑女たるもの考えていることを他人に悟らせてはならないと、今日もアミリアスは完璧な淑女を演じるのだ。
「まぁ、皆さん心配してくださっているのですね。うれしゅうございます。でもどうかご心配なさらず。殿下がもしローゼ嬢を選んだならば、私と殿下はそれまでだったということですわ。」
「でも、でも私は我慢なりません。アミリアス様はずっと王妃教育や公務をなさっているのにあんまりじゃありませんか。それをどこの馬の骨かも分からないあの女が無礼にも殿下に…」
ほぅとアミリアスは息をつく。噂好きの令嬢たちの言葉はいったいどこまでが真実なのか…
「私は気にしていませんわ。それに、王妃教育を受けているからと言って私が王妃になるとは限りませんわ。人生どうなるか分からないものです。だから静観するのですわ。物事はなる様にしかなりません。それに私が動いたところで変わることもありませんわ。ただ行く末を見守るだけですわ。」
「アミリアス様…なんと聡明なお考えを…申し訳ございません。私たちは出過ぎた真似を…」
「そんなことありませんわ。私の為に怒ってもらえてとても嬉しゅうございます。…それにあなたたちの綺麗な心をこのような内容を考えることで汚してほしくないのですわ。なので、どうか気にしないでください。何があっても…それにせっかくの楽しい時間なのです。もっと楽しいお話をしましょう?」
アミリアスの学友は、ただでさえ忙しく、婚約者の醜態で大変なアミリアスが私たちのことまで気遣ってくれていることに感銘を受ける。同時に、この人こそ頂点に立つに相応しいと感じざるを得ないのだった。
アミリアスのこの言葉の裏に何があるのかを知らずに…
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