【完結】復讐を決意した逆行令嬢の末路

抹茶らて

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壁に耳あり障子に目あり

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アミリアス達がこのような会話を繰り広げている近くの席で、ロイド殿下の側近候補であるナーウェイドはふと耳に入る女生徒たちの会話に聞き耳を立てる。良くないことだと分かっていても、内容がわが主君になるであろう方のことだと思うとやめられない。

ナーウェイドはアミリアスの言葉の数々に戸惑いを感じていた。

ナーウェイドはこの王国の騎士団長を父に持ち幼い頃から剣術を磨いてきた。将来国王になるであろうロイド殿下の為に。それは自分の意思に関係なく、生まれたときから決められていたことである。

親交を深めるため小さなころからロイドと遊ぶことが多く、今ではよき友人であった。
ナーウェイドからするとアミリアスも良く見知った人の一人である。ロイドとアミリアスは当時から婚約が決まっていたため、ロイドとよく遊ぶナーウェイドはアミリアスとも話す機会が多かった。
アミリアスは小さいときから完璧と言う言葉が似合う令嬢で、綺麗な顔と相まって隙の無い方であった。経済や貴族のルールなどを慮る考え方で、少なくとも人を思いやっているところを見たことがなかったのだ。

にもかかわらず、ここ数年で出会った学友のことを考えているような発言に戸惑ったのだ。



聞き耳を立てていることがバレているなど夢にも思わないナーウェイドは物思いにふける。真っ赤な髪に同じく燃えるように赤い瞳のナーウェイドは、自覚はないが目立つのだ。


「人は変わるものだろうか…」


思わず漏れた一言は、誰にも聞かれることなく消えていく。




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