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仲直り⑵
しおりを挟む「えっ、何で知って」
「(カマかけただけなんだが、こんなに純粋だと本当に心配になる。)ディのことなら分かる。それで、相手は元家庭教師や侯爵家嫡男あたりか…」
ビクッ
「(その肩の揺れが返事の代わりと考えてよさそうだ)返事はしたのかい?」
「………いえ、まだリアンにも返事をしていませんし。それに、もっとしっかり自分の気持ちを考えないとと思って、色々考えていたら眠れなくなって。」
「なるほど。ディらしい誠実な考えだね。」
クスっと笑ってそういうリアン。
違う、そんなんじゃない。僕は卑怯なんだ。嫌われるのが怖くて、独りになるのが怖い。だから、みんなの好意に知らんぷりをして、理由をつけて自分自身をごまかして、真正面から向き合うことから逃げていた。そして、逃げて逃げ続けた結果…自分の気持ちすら分からなくなったんだ。
「リアン、ごめんなさい。この前の言葉は本気で言ったわけではなくて…」
「ディ、ごめん。この前は怖がらせてしまって…」
僕が何も答えなかったから、続いた沈黙を破ったのはほとんど同時だった。
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