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主人(推し)に従順なオタク
しおりを挟む濃い時間を過ごした公爵家での日々も終わり、去年より早く寮へ戻って来たのだ。今年は仕事を持ち帰って来るというシガンたんのワーカーホリックぶり。
文句ひとつ言わずに涼しい顔でやってのける俺の推し、愛おしい。
コンッコンッコンッ
「失礼します。シガン様、温かい紅茶を用意しました。どうぞ休憩をなさってください。」
学園がまだ休みの今日、朝からずっと仕事をしているシガンたんは誰がどう見てもオーバーワークだ。ちょっとでも休んでもらうため、温かい飲み物を準備したのだ。
「あぁ、ベルありがとう。もう少しで終わるからこれだけやりきるよ。」
そう言って振り返ったシガンたんの顔から、おおよそ0.5㎏痩せてることが見て取れる。これは由々しき事態だ。
このまま放っておけばどんどん痩せて行ってしまう。
考えろベルデ、お前は何の為について来た。何のためにシガンたんの隣にいる。シガンたんの…推しの健やかな生活を守るためだろ!
でもでも、これ終わったらって言ってたから、とりあえず待つ。主人(推し)に従順なオタクですから。
「終わった~」
「ではお休みしましょう。お菓子を食べて、紅茶を飲んでカロリー摂取を。」
ついつい鼻息が荒くなってしまったけどバレてないかな…
「ふぅ~いつ飲んでもベルデのお茶は美味しいね。」
「恐れ入ります。」
宣言通り休憩をはさんでくれたシガンたんは、俺が淹れたお茶を飲んで一息ついてくれている。
「シガン様、お仕事をされている姿はカッコいいですが、ご無理をなさっていないか心配です。」
「っ!僕カッコいいの?」
とてつもなくキラキラした目で見て来る。何この子、本っ当に可愛い!!じゃなくて
「もちろんです。ですが、心配の方が勝ってしまいます。どうかお身体をご自愛ください。」
「うん、ちょっと根を詰め過ぎたかも。これからは気を付けるね。」
「シガン様が頑張れるよう隣でお支えいたします。嫌悪されたとしても。」
例え嫌がられようと、俺は最後までシガンたんを支える!(自己満通り越してただの自己中オタク)
「ベルのこと嫌になんてならないよ。むしろ大歓迎だよ。(ベルはどんな意味で言ったのだろうか。まぁどんな意味だとしてもいいか。)…ボソッ)今は、ね。」
シガンの不穏なつぶやきは誰にも聞かれることなく空を彷徨う。
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