【完結】どんな君でも君が好き~最強魔術師溺愛に溺れる∼

抹茶らて

文字の大きさ
22 / 75
第1章

返事 ロイ

しおりを挟む

その日もロイに呼ばれ昨日と同じように寮の裏に来ていた。今日は私の方が早いようで、昨日のロイと同じ様に月を見上げた。

初めて見上げた夜空は幻想的で、輝く星や光を照らしてくれる月が宝石のようで夜空は宝箱だと思った。そうなると、ロイの髪も宝箱になるのかな、と思うとクスッと一人で笑ってしまった。

「何1人で笑っているんだ。俺のことでも考えていたのか?」

いきなり声を掛けられ、ビクッとして後ろを見るとロイが少し二ヤついた表情でこちらを見ていた。勘が鋭いのか、いつも考えていることを当てられるから困る。いや、私が顔に出ているだけなのかな?

「そうだよ、ロイのこと考えてた。この夜空がロイみたいにキレイだなって思って。」

今日はなんだか素直になりたい気分だった。ただそれだけだ。

「おまっ、それは反則だろ。」

珍しく慌てたような声が聞こえ、顔を向けると耳を真っ赤にして片手で顔を抑えていた。

「え、ロイさんや。もしかして照れているのかい?」

初めて見る反応に嬉しくなった私は頬が緩むのを感じながらロイに近づく。

「うるせぇ。何ニヤニヤしてるんだ。」

私の行動を咎める様に言ったかと思えば、手を頭の後ろに回されそのまま強く引かれる。だんだんとその整った顔が近づいてくるのがスローモーションのように感じる。
私とロイの距離がゼロになったときチュッと音がしてロイの顔が離れて行く。

そのままロイを見つめると恥ずかしくなって顔をそらしてしまう。

「ダーメ。顔見せて?」

「ヤダ、恥ずかしい。見ないで」

「大丈夫、ナーシィはどんな顔でも可愛い。」

そういうことじゃないんだよ。

「ほら、こっち向いて?」

チラッとロイの方を見ると漆黒の目が今にもとろけそうなほど甘く細められていて、ブワッと顔に熱が集まる。

「っ~~~!!そ、そんな目で見られたらこっちまでとろけそう!」

「フッ、なに、俺そんな甘そうな目してる?まぁナーシィの前だしな。仕方ない。」

「あ、あのそろそろ離してほし…」

そう、キスの後から熱い抱擁が続いている。そろそろ限界。心臓が持たない!!

「ダメ、もう少しこのまま。」

そう言ってギュッと抱きしめる腕を強めた。

「あのね、真剣な話するから一回離して?」

「…分かった。」

ロイと改めて向き合う。

「あのね、隣国の時からずっと真剣に考えたの。好きとか恋愛したことなかったから…分からなくて。でも、昨日ロイに好きな人とずっと一緒に居たくなる、き、キスしたくなるって聞いて頭には一人しか思い浮かばなかったの。ロイ、私ロイが好き、なんだと思う。」

「フハッ、思うってなんだよ。思うって。」

一世一代の告白を曖昧な言葉にしてしまった…

でも、それを聞いたロイは嬉しそうに柔らかく笑っていて、これで良かったかもって自己満足しちゃった。まぁ、一応弁明はしておく。

「いや、だってまだ考えてちょっとしかたってないんだもん。でも、キスするのはロイじゃなきゃ嫌なの。それにロイとずっと一緒に生きていきたい。それじゃダメ…かな?」

「ダメなわけない。俺がどんなに待ったことか。あぁ、ずっと一緒にいよう。ナーシィ、愛してる。」

甘い笑みでそんなことを言われたら胸がキュってなる。

「私も、愛してる。」

そうしてどちらからともなくキスを交わす。
2回目のキスは胸がポカポカして、幸せな気持ちが一杯になった。あぁ、私こんなに幸せでもいいのかなって不安になるくらい。でも、今だけはこの幸せを噛みしめていたい。そう思ってソッと身を預けた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

家出を決行した結果

恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。 デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。 自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。 ※なろうさんにも公開しています。

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉

狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。 「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。 フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。 対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。 「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」 聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。 「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」 そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。 イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。 ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼ そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ! イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。 しかし……。 「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」 そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました

三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。 優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。 優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。 そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。 絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。 そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

ある、王国の物語。『白銀の騎士と王女 』

うさぎくま
恋愛
白銀の騎士と言われている神がかった美貌の騎士アレン・メルタージュとボルタージュ王国王女エルティーナの純愛物語。 今世そして来世にまでまたぐ、「魂」が巡る二人の物語…。 美貌の騎士からの惜しみない愛を感じてください。

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

処理中です...