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第1章
返事 ロイ
しおりを挟むその日もロイに呼ばれ昨日と同じように寮の裏に来ていた。今日は私の方が早いようで、昨日のロイと同じ様に月を見上げた。
初めて見上げた夜空は幻想的で、輝く星や光を照らしてくれる月が宝石のようで夜空は宝箱だと思った。そうなると、ロイの髪も宝箱になるのかな、と思うとクスッと一人で笑ってしまった。
「何1人で笑っているんだ。俺のことでも考えていたのか?」
いきなり声を掛けられ、ビクッとして後ろを見るとロイが少し二ヤついた表情でこちらを見ていた。勘が鋭いのか、いつも考えていることを当てられるから困る。いや、私が顔に出ているだけなのかな?
「そうだよ、ロイのこと考えてた。この夜空がロイみたいにキレイだなって思って。」
今日はなんだか素直になりたい気分だった。ただそれだけだ。
「おまっ、それは反則だろ。」
珍しく慌てたような声が聞こえ、顔を向けると耳を真っ赤にして片手で顔を抑えていた。
「え、ロイさんや。もしかして照れているのかい?」
初めて見る反応に嬉しくなった私は頬が緩むのを感じながらロイに近づく。
「うるせぇ。何ニヤニヤしてるんだ。」
私の行動を咎める様に言ったかと思えば、手を頭の後ろに回されそのまま強く引かれる。だんだんとその整った顔が近づいてくるのがスローモーションのように感じる。
私とロイの距離がゼロになったときチュッと音がしてロイの顔が離れて行く。
そのままロイを見つめると恥ずかしくなって顔をそらしてしまう。
「ダーメ。顔見せて?」
「ヤダ、恥ずかしい。見ないで」
「大丈夫、ナーシィはどんな顔でも可愛い。」
そういうことじゃないんだよ。
「ほら、こっち向いて?」
チラッとロイの方を見ると漆黒の目が今にもとろけそうなほど甘く細められていて、ブワッと顔に熱が集まる。
「っ~~~!!そ、そんな目で見られたらこっちまでとろけそう!」
「フッ、なに、俺そんな甘そうな目してる?まぁナーシィの前だしな。仕方ない。」
「あ、あのそろそろ離してほし…」
そう、キスの後から熱い抱擁が続いている。そろそろ限界。心臓が持たない!!
「ダメ、もう少しこのまま。」
そう言ってギュッと抱きしめる腕を強めた。
「あのね、真剣な話するから一回離して?」
「…分かった。」
ロイと改めて向き合う。
「あのね、隣国の時からずっと真剣に考えたの。好きとか恋愛したことなかったから…分からなくて。でも、昨日ロイに好きな人とずっと一緒に居たくなる、き、キスしたくなるって聞いて頭には一人しか思い浮かばなかったの。ロイ、私ロイが好き、なんだと思う。」
「フハッ、思うってなんだよ。思うって。」
一世一代の告白を曖昧な言葉にしてしまった…
でも、それを聞いたロイは嬉しそうに柔らかく笑っていて、これで良かったかもって自己満足しちゃった。まぁ、一応弁明はしておく。
「いや、だってまだ考えてちょっとしかたってないんだもん。でも、キスするのはロイじゃなきゃ嫌なの。それにロイとずっと一緒に生きていきたい。それじゃダメ…かな?」
「ダメなわけない。俺がどんなに待ったことか。あぁ、ずっと一緒にいよう。ナーシィ、愛してる。」
甘い笑みでそんなことを言われたら胸がキュってなる。
「私も、愛してる。」
そうしてどちらからともなくキスを交わす。
2回目のキスは胸がポカポカして、幸せな気持ちが一杯になった。あぁ、私こんなに幸せでもいいのかなって不安になるくらい。でも、今だけはこの幸せを噛みしめていたい。そう思ってソッと身を預けた。
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