63 / 75
第4章
ロイ不足
しおりを挟むこの前はロイから「変わったことあるか?」って聞かれてドキッとした。いきなり振られた話題にシラを切るのに精いっぱいで、自分が何を答えたのかよく覚えてない。
何か変に思ったかな?確かに最近仕事でのミスが多くなった気がするけど…
っ!それだけでそう聞いてくれるってことは、それだけ私のことを見てくれているってこと?
そう思うと、負のループのせいで若干憂鬱だった心も軽くなる。たとえ、私の勘違いだとしても!
「じゃあ、当日の警備はこことここを強化しよう。出入口はこことここの二か所、他に人が出入りできるような場所はここぐらいだろう。それ以外はいつも通りで大丈夫だろう。」
団長の真剣な声に現実に戻される。
そう、今はサーシスたちの結婚式、パレードの警備を考えている最中なのだ。まぁ立派な仕事中ってやつだ。
結婚式、パレードの日にちが決まり、国民に伝えられると国民はもうお祭り騒ぎ。避暑地の時とは比べ物にならないぐらい。
結婚式の日にちは伝えられていないが周辺の国の人達も来るため厳重な警戒態勢を敷いている。
私とロイは王家及びサーシスやシャミリア様たちの護衛だ。いつも通りと言うかなんというか。でも、目の前でシャミリア様やサーシスのキレイは姿が見れるのは護衛ならではの特権だろう。しっかり楽しませてもらおう。
あ、そうそう。仕事のことでも変化が増えた。フランツが加わっただけじゃなくて、フランツが加わったことによって、私がシャミリア様の護衛になったのだ。シャミリア様とサーシスの結婚が正式に決まったことでシャミリア様も立派な王家の一員となったのだ。平隊員じゃなくて、女性の私が付くことになったのだ。
と、言うことはですね…必然的に仕事の時にずっと一緒だったロイとの時間は減るのですよ……今はシャミリア様とサーシスが一緒にいるときだけ私たちも一緒にいれるような感じ。まぁ、元から仕事に恋人との時間を求めるなって思われるだろうけど、何年も一緒だったのにいきなり時間が減ると案外、いやかなり寂しいのだ。ましてや同棲とかで一緒に住んでいるわけでもないし、週に数回のロイの部屋に行くときぐらいしかちゃんと話すことができないのだ。
もう正直に言います。圧倒的ロイ不足……
もっとイチャイチャしたい!の前にそもそも物理的に会う時間が減ったのだから、もう何も言えまい。これじゃあ、関係を進めるどころか冷めないか心配だよ……
そんな私の心配事には目もくれず、他人の結婚と言う名の幸せが近づいてきている。他人って言っても友達の、なんだけど…
私もロイと結婚したいな…
間違っても結婚がしたいのではなくて、ロイとだからしたいのだ。
私のこの願いが届く日は来るのだろうか………
0
あなたにおすすめの小説
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた魔王様と一緒に田舎でのんびりスローライフ
さら
恋愛
美人な同僚・麗奈と一緒に異世界へ召喚された私――佐伯由香。
麗奈は「光の聖女」として王に称えられるけれど、私は“おまけ”扱い。
鑑定の結果は《才能なし》、そしてあっという間に王城を追い出されました。
行くあてもなく途方に暮れていたその時、声をかけてくれたのは――
人間に紛れて暮らす、黒髪の青年。
後に“元・魔王”と知ることになる彼、ルゼルでした。
彼に連れられて辿り着いたのは、魔王領の片田舎・フィリア村。
湖と森に囲まれた小さな村で、私は彼の「家政婦」として働き始めます。
掃除、洗濯、料理……ただの庶民スキルばかりなのに、村の人たちは驚くほど喜んでくれて。
「無能」なんて言われたけれど、ここでは“必要とされている”――
その事実が、私の心をゆっくりと満たしていきました。
やがて、村の危機をきっかけに、私の“看板の文字”が人々を守る力を発揮しはじめます。
争わずに、傷つけずに、人をつなぐ“言葉の魔法”。
そんな小さな力を信じてくれるルゼルとともに、私はこの村で生きていくことを決めました。
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
『生きた骨董品』と婚約破棄されたので、世界最高の魔導ドレスでざまぁします。私を捨てた元婚約者が後悔しても、隣には天才公爵様がいますので!
aozora
恋愛
『時代遅れの飾り人形』――。
そう罵られ、公衆の面前でエリート婚約者に婚約を破棄された子爵令嬢セラフィナ。家からも見放され、全てを失った彼女には、しかし誰にも知られていない秘密の顔があった。
それは、世界の常識すら書き換える、禁断の魔導技術《エーテル織演算》を操る天才技術者としての顔。
淑女の仮面を捨て、一人の職人として再起を誓った彼女の前に現れたのは、革新派を率いる『冷徹公爵』セバスチャン。彼は、誰もが気づかなかった彼女の才能にいち早く価値を見出し、その最大の理解者となる。
古いしがらみが支配する王都で、二人は小さなアトリエから、やがて王国の流行と常識を覆す壮大な革命を巻き起こしていく。
知性と技術だけを武器に、彼女を奈落に突き落とした者たちへ、最も華麗で痛快な復讐を果たすことはできるのか。
これは、絶望の淵から這い上がった天才令嬢が、運命のパートナーと共に自らの手で輝かしい未来を掴む、愛と革命の物語。
溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~
紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。
ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。
邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。
「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」
そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。
【完結】『推しの騎士団長様が婚約破棄されたそうなので、私が拾ってみた。』
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
【完結まで執筆済み】筋肉が語る男、冷徹と噂される騎士団長レオン・バルクハルト。
――そんな彼が、ある日突然、婚約破棄されたという噂が城下に広まった。
「……えっ、それってめっちゃ美味しい展開じゃない!?」
破天荒で豪快な令嬢、ミレイア・グランシェリは思った。
重度の“筋肉フェチ”で料理上手、○○なのに自由すぎる彼女が取った行動は──まさかの自ら押しかけ!?
騎士団で巻き起こる爆笑と騒動、そして、不器用なふたりの距離は少しずつ近づいていく。
これは、筋肉を愛し、胃袋を掴み、心まで溶かす姉御ヒロインが、
推しの騎士団長を全力で幸せにするまでの、ときめきと笑いと“ざまぁ”の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる