【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

文字の大きさ
上 下
87 / 149

いつも通り

しおりを挟む


「…と、えい…!おき…起きろっ!」

「ひゃいっ!」

何事っ!いきなり聞こえた耳元での大声にただ事ではないと飛び起きる。バッと周囲を見渡すとこちらを見ている尊や徹の顔が…

「え、え?なに?ここどこ?」

「ここは保健室!そんで栄人は体育館倉庫に閉じ込められてて、風紀委員長がここまで運んでくれたんだよ。そんでもって体育祭はもう終わっちゃった。」

尊が簡潔にかつ分かりやすく教えてくれたおかげで、なんとなく思い出した。ん?そういえば、俺一回起きたよな?それで確か、輝樹先輩がいて………

 ボンッ

「うわぁ!何?なんで栄人の顔爆発してんの!?」

「何もないです…」

思い出して恥ずかしくなって、両手で顔を隠す。うわぁぁぁ、俺輝樹先輩の前であんな醜態を…次どんな顔して会えば…

「だ、大丈夫か?」

耳が垂れた幻覚が見えるのは俺だけだと思うが、シュンとした様子で心配そうにこちらを見る徹。ごめん、色んな意味で大丈夫じゃない…

「大丈夫だ、ちょっとしたら治まるから……」

それから二人と寮へ帰る。心配だからと二人の部屋へお泊りすることになった。
二人とも心配し過ぎだと思うけど、お言葉に甘えておく。




そうして、1日がとても長く感じた体育祭は幕を閉じた。





徹がお風呂に入っているとき……

「栄人~本当に何もされてない?胸とか尻とか触られてない?あ、み、耳舐められたり!?」

あ、圧!圧が凄い!

「だ、大丈夫だ…どこも触られてないし、舐められてもない。ただ閉じ込められてだけだ。」

閉じ込めた犯人には…ね……

「じゃあ、なんでそんなに可愛い顔するんだよ~絶対何かされたんじゃん!」

尊の鋭い勘にギクリとするが、言わなければ分からないんだからここは突き通すのみ。

「俺は可愛くない!それに本当に何もされてないから。」

ってか、近い!尊は変態かもしれないけど顔だけは良いから、なんかドキドキする。

急に真顔になってジッとこちらを見るから、目が合わせれない。これなんの時間?

 ゴンっ

「ッ!~~~~~~っいっったーい!!え、俺の頭ある?ねぇ、割れてない?大丈夫?脳みそ壊れた、これ絶対壊れたよ!?」

「うるせぇ、壊れてねぇわ。お前が無意味に栄人に迫るからだろう。」

徹の正義の鉄槌が尊の頭頂部を直撃。何とか変な雰囲気から脱出できたから、徹に感謝だな。

「無意味ってなにさ!徹の気になるだろ?本当に何もなかったのか!」

「そうだが、お前が迫ってどうすんだ。」

「……ごもっともです。すいません…」

即論破され、静かになる。

「っふ、ふふふ…あっはははは!」

「栄人!?どうしよう徹。栄人が壊れちゃった…」

「壊れてねぇわ!」

 ゴンっ

「ふふ、ありがとうな。二人とも。」

あくまでいつも通りな二人に心の中でちゃんと感謝する。

「ねぇ、俺なんで叩かれたの?俺の頭流行ってる感じ?と言うかこれっていじめって言うんじゃ……ねぇ、聞いてる!?」




しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

離縁するので構いません

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:42,329pt お気に入り:518

【完結】断罪必至の悪役令息に転生したけど生き延びたい

BL / 完結 24h.ポイント:532pt お気に入り:2,827

異世界で新生活〜スローライフ?は精霊と本当は優しいエルフと共に〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:19,618pt お気に入り:737

全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:234pt お気に入り:1,235

冴えない「僕」がえっちオナホとして旦那様に嫁いだ日常♡

BL / 連載中 24h.ポイント:852pt お気に入り:554

母になります。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:28,884pt お気に入り:1,793

家出少年💚ハル

BL / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:11

処理中です...