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クリスマス⑵
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1人病室に残されて、悶々とベットの上で考えているより、気分転換をしようとベット脇においてある松葉杖に手を伸ばした。松葉杖になってから身軽になったので、リハビリを兼ねて院内を歩き回ることが颯の日課になっていた。1階の売店やいつも行っているリハビリ室など、行動範囲もかなり広がっていた。
今日はどこまで行こうかなとボーッと考えながら、適当にエレベーターに乗り一番最初に止まった階で、降りようかなどとゲームのようなことをしようと考える。あまりに人がいなさそうな階はスルーで、降りても問題なさそうな階に止まること期待する。
チーンと扉が開くとまばらに人が見え、ここなら大丈夫かとエレベータから降りる。周りを見るとレントゲン室やCT室と書かれた案内板が見え、どうやら検査室の階らしい。そういえば、検査のために何度か訪れたことのある階だと思い出す。入院患者だけでなく、外来患者も検査を受けているため、廊下には検査を待っているであろう人や名前を呼ぶ看護師さんの姿があった。本当は関係ない颯がウロウロしていい場所ではないだろうけど、素知らぬ顔で堂々と歩いていると検査に来た患者と思われて不審がられることもなかった。
奥まで行くと人影が少なくなり、さすがにここはマズイかなとUターンしかけたとき、薄く開いていた部屋から聞き覚えのある名前に足が止まってしまう。
「湖城くんって、外科病棟の?」
「うん。友達がね、湖城くんの彼女と同じ病院で働いてるんだけど、別れたらしいんだよね~」
「へぇ~。何、あんた狙ってんの?」
「いや~確かに好みのタイプではあるけど……プライベートと仕事を混同するのはなぁって思う。ほら、この間も担当外されかけたって話があったじゃん。私が彼女でも、患者より私を見てほしいって思うもん。それが別れた原因なんじゃないかなぁ」
「湖城くんって、そんな感じなんだ。一緒の科になったことないから、よくは知らないけど、でも患者さんでも同僚の子でも好意を持たれてトラブったって話は以前よくあったしね。たらし君なんだね~」
担当外されかけたってなんだろう……
ドキン、ドキンと不安が押し寄せてくる。湖城の担当している人はたくさんいるわけだから、自分ではないと思いつつも、昼休憩時など颯の病室を訪れる機会はめっきり減っているのも事実で……
自分が原因で彼女とも別れることになったのかもしれなくて……
でも、勝手に病室に来ていたのは湖城の方だし、颯自身が頼んだことはない。だけど、来てくれる湖城の存在が嬉しく思っていた自分もいる。こんな風に言われてしまう原因を自分が作ってしまったかもしれないことに、胸が苦しくなる。
早くこの場から立ち去りたかったけど、颯の足はちっとも言うことを聞いてくれず、それはまた自分の不甲斐なさを助長させていった。
今日はどこまで行こうかなとボーッと考えながら、適当にエレベーターに乗り一番最初に止まった階で、降りようかなどとゲームのようなことをしようと考える。あまりに人がいなさそうな階はスルーで、降りても問題なさそうな階に止まること期待する。
チーンと扉が開くとまばらに人が見え、ここなら大丈夫かとエレベータから降りる。周りを見るとレントゲン室やCT室と書かれた案内板が見え、どうやら検査室の階らしい。そういえば、検査のために何度か訪れたことのある階だと思い出す。入院患者だけでなく、外来患者も検査を受けているため、廊下には検査を待っているであろう人や名前を呼ぶ看護師さんの姿があった。本当は関係ない颯がウロウロしていい場所ではないだろうけど、素知らぬ顔で堂々と歩いていると検査に来た患者と思われて不審がられることもなかった。
奥まで行くと人影が少なくなり、さすがにここはマズイかなとUターンしかけたとき、薄く開いていた部屋から聞き覚えのある名前に足が止まってしまう。
「湖城くんって、外科病棟の?」
「うん。友達がね、湖城くんの彼女と同じ病院で働いてるんだけど、別れたらしいんだよね~」
「へぇ~。何、あんた狙ってんの?」
「いや~確かに好みのタイプではあるけど……プライベートと仕事を混同するのはなぁって思う。ほら、この間も担当外されかけたって話があったじゃん。私が彼女でも、患者より私を見てほしいって思うもん。それが別れた原因なんじゃないかなぁ」
「湖城くんって、そんな感じなんだ。一緒の科になったことないから、よくは知らないけど、でも患者さんでも同僚の子でも好意を持たれてトラブったって話は以前よくあったしね。たらし君なんだね~」
担当外されかけたってなんだろう……
ドキン、ドキンと不安が押し寄せてくる。湖城の担当している人はたくさんいるわけだから、自分ではないと思いつつも、昼休憩時など颯の病室を訪れる機会はめっきり減っているのも事実で……
自分が原因で彼女とも別れることになったのかもしれなくて……
でも、勝手に病室に来ていたのは湖城の方だし、颯自身が頼んだことはない。だけど、来てくれる湖城の存在が嬉しく思っていた自分もいる。こんな風に言われてしまう原因を自分が作ってしまったかもしれないことに、胸が苦しくなる。
早くこの場から立ち去りたかったけど、颯の足はちっとも言うことを聞いてくれず、それはまた自分の不甲斐なさを助長させていった。
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