忘れられない思い

yoyo

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プレゼント⑵

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「真野、実に連絡先教えたよ」

「あぁ、はい。昨日メッセージきました」


   昼休憩の時、一緒にご飯を食べていた都築さんに言われる。昨日、カフェを出るときに佐藤さんに連絡先を教えて欲しいと言われて、次の外勤先に急いでいたこともあり、深く考えないで、都築さんに聞いてと言って、その場をあとにしていた。

   でもその日の夜、先生とまんぷく屋にいる時に佐藤さんからメッセージが届いて、少し複雑な気持ちになった。その場にいた先生に、佐藤さんと連絡先を交換したことを話すと、嫌な訳じゃないけど、自分の教え子とやり取りをされるのは複雑と困惑顔をされた。


「あの……ボクと佐藤さんがメッセージでやり取りするのって、嫌じゃないですか?」

   自分の彼女が他の男と連絡を取り合ってるのはどうなんだろう。まぁ、ボクには全くその気はないのだけれど……


「ん?あぁ、真野なら別にいいかな。安全パイみたいな感じ?」

「それって、ボクが先生と付き合ってるから……ですか?」


   男と付き合ってるというと、やっぱり世間的には、そういう風に見られるのかなと思う。


「え?」

「ボクが男の人と付き合ってるから、だから、女の人には興味ないから安全パイなのかなって」

「え、いや、その……」


   都築さんは困惑顔で、歯切れ悪く返す。都築さんと話をしていて、先生には同じように見てほしいと思っているのに、周りからそう見られると何とも言えない気持ちになる。


「ボクは別に男の人が好きな訳ではないですよ。先生だから好きなだけで。先生が男だったってだけで……」

「あぁ。うん。そういうつもりで言った訳じゃなかったんだけど、悪かった。俺もそういう気持ちはわかるよ。実が高校生だから付き合ってる訳じゃないしな」


   謝られて自分の自分勝手な考えが、急に恥ずかしくなる。



「す、すいません。ボクも何言ってるんだろう。あ、それに矛盾しますけど、安全パイなのは確かで……あぁ、えっと、ごめんなさい」

「安全パイって言ったのは、真野、お前、奥田さんしか見えてないだろうなと思ったから。あ、あと実が、またお前と、精霊シリーズの話がしたいって言ってたこともあるしな。俺は一緒に映画は見たけど、どうしてもあの熱量についていけないしな。だから、たまにあいつに付き合ってあげてよ」

「それは、ボクも好きな本の話ができて楽しいので、都築さんが嫌でなければ……」


   都築さんと話していて、ボクのこの自分勝手な考えが先生は気づいていたのかもしれないと改めて思った。
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