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昔の話⑺
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あれから半年以上たって、佑輔さんを通して色々な人と出会うことができた。今は月2回程、佑輔さんのバイト先のバーを訪れては、そこにいる顔見知りとつるむことが多い。
「春人、この間の子また、振っちゃったんだって?」
「大雅さん、情報早いっすね。でも、振られたのはどっちかと言うとオレの方だと思うんですけど……」
大雅さんは、このバーの常連で、佑輔さんの高校の時の友達だ。今話題に出た子は、大雅さんを通して知り合って、数回2人で遊びに行ったけど、別にまだ付き合っていた訳ではない。それに「もう会うのはやめよう」と言ってきたのはあっちだ。
「え、でもあいつ、手を振り払われて拒絶されたって、へこんでたよ」
「あーそれは……まあ……」
思わず苦笑いしてしまう。確かに、外で手を繋いできたから、振り払ってしまったのは事実だった。別に嫌いではなかったし、遊んでいて楽しかったけど、中学生の頃のトラウマもあって、外でスキンシップされることには抵抗があった。
「春人ってけっこう、ウブだよねー。なんならオレが手取り足取りレクチャーしてあげようか」そう言って、オレの手に手を重ねる。
「大雅っ。また、真樹ちゃんにどやされるぞ。俺はもうお前の尻拭いはしないからな」
佑輔さんが、頼んでいたドリンクをテーブルに置いて、オレの手の上に重ねられている大雅さんの手を払いのける。
「ジョーダンだって。ちょっと春人が可愛くて、からかっただけだって。でも今時、中学生でも手くらい繋げるでしょ」
「別に、オレだって、手くらい繋げますよ!ただ……」
その後が続かず、俯いてしまう。中学時代のことを知っている佑輔さんは、オレが外でそういうことをするのは、苦手なのはわかっていて、そんなオレを慰めるかのように、オレの頭の上に手を置いてきた。
「じゃあ、春人には俺がレクチャーしてあげるから。優しく抱いてあげるよ~」
「……っ、それはいいです!!いっつも、いっつも!オレは佑輔さんに抱かれる気はないですから!!」
「まあ、照れんなって。この間の続きをしようよ」
「一体、いつの話をしてるんですかっ!もういいから、仕事戻ってくださいよ」
佑輔さんに助けてもらった時の話は、毎回ネタに出されて、このやり取りは、毎度毎度お約束みたくなっている。さっき一瞬優しく感じた手も、いつの間にかオレの頭をポンポンと叩いている。佑輔さんが行ってしまうと、解放されて「ふー」と息を吐く。
「でも、佑輔がいなくなると寂しくなるなー。今度から誰が俺の窮地を救ってくれるんだ」
「ははっ……それは大雅さんが彼女がいるのに、フラフラするから……佑輔さん、卒業したらすぐに発っちゃうんですよね」
佑輔さんは大学を卒業したら、ワーキングホリデーでカナダに行くことが決まっていた。今、バイトでやっているバーテンダーを本格的に勉強しに行くらしい。いつもからかってくるので、ウザくも感じているけど、いなくなると思うとやはり寂しく思ってしまう。
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思わず苦笑いしてしまう。確かに、外で手を繋いできたから、振り払ってしまったのは事実だった。別に嫌いではなかったし、遊んでいて楽しかったけど、中学生の頃のトラウマもあって、外でスキンシップされることには抵抗があった。
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「別に、オレだって、手くらい繋げますよ!ただ……」
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「じゃあ、春人には俺がレクチャーしてあげるから。優しく抱いてあげるよ~」
「……っ、それはいいです!!いっつも、いっつも!オレは佑輔さんに抱かれる気はないですから!!」
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