11 / 50
寂しい3日間⑶
しおりを挟む
早めに出勤して、昨日やり残した仕事を手早く片付ける。昼前には大方片付き、残りは部下にお願いして、半休を取って何とか午前診療に間に合った。
「急性扁桃炎ですね」
やっぱり思った通り……
小さい頃から扁桃腺が弱く、大人になった今でも、風邪や疲労で扁桃炎になることがある。あれから、グングン熱は上がり、病院で再度測ると38℃を越えていた。点滴を打ち、薬をもらって帰宅し布団に入ると、すぐに深い眠りについた。
「父さん、父さん……」
幸司に呼ばれて目を覚まし、時計を見ると7時を回っていた。どうやら、5時間程寝ていたようだ。
「どう?具合は?……はい、ポカリ」
ポカリを口に含むと、冷たくて気持ち良かったが、飲み込むのはしんどい。
「煮込みうどん作ったけど、食べれそう?あと、着替えと濡れタオル持ってきたから、着替えた方がいいよ」
「ああ……悪い……」
戸口の方に目をやると、勇がいた。幸司に部屋に入るなと言われているのだろう……様子を伺うように不安な顔で覗いてる。
「うどんはここに置いておくから、食欲がなくても少しは食べなよ。あと、しばらく勇はオレの部屋で寝かせるから」
テキパキと動く幸司を見て、頼もしくなったなぁ……と感慨深く見つめる。
「じゃあ、何かあったらケータイ鳴らして」
そう言うと勇の布団を持って部屋を出て行く。
「広くん……大丈夫?」
「今は、ちょっと熱高いけど、お薬飲んで寝てたら、すぐによくなるよ」
「本当?」
「ああ。だから、そんなに心配すんなって。でも、勇にうつったら大変だから、今日からオレの部屋で寝ような」
「……うん」
幸司の手が、勇の頭の上にのる。
そんな2人の様子を申し訳なく、そして微笑ましく見ていた。
1日目こそ、39℃まで熱が上がったが、2日目には37℃台まで下がり、3日目にはほぼ平熱に戻った。ただ、一番かかりやすい年齢の勇にはうつしたくなくて、なるべく部屋から出ないようにし、会話も極力避けていた。
もう、喉の痛みもなくなってきたし、明日から通常の生活で大丈夫だな。
勇にもだいぶ心配させちゃったから、明日は大いに甘やかそうかな……そんなことをぼんやりと布団の中で考えていた。
「急性扁桃炎ですね」
やっぱり思った通り……
小さい頃から扁桃腺が弱く、大人になった今でも、風邪や疲労で扁桃炎になることがある。あれから、グングン熱は上がり、病院で再度測ると38℃を越えていた。点滴を打ち、薬をもらって帰宅し布団に入ると、すぐに深い眠りについた。
「父さん、父さん……」
幸司に呼ばれて目を覚まし、時計を見ると7時を回っていた。どうやら、5時間程寝ていたようだ。
「どう?具合は?……はい、ポカリ」
ポカリを口に含むと、冷たくて気持ち良かったが、飲み込むのはしんどい。
「煮込みうどん作ったけど、食べれそう?あと、着替えと濡れタオル持ってきたから、着替えた方がいいよ」
「ああ……悪い……」
戸口の方に目をやると、勇がいた。幸司に部屋に入るなと言われているのだろう……様子を伺うように不安な顔で覗いてる。
「うどんはここに置いておくから、食欲がなくても少しは食べなよ。あと、しばらく勇はオレの部屋で寝かせるから」
テキパキと動く幸司を見て、頼もしくなったなぁ……と感慨深く見つめる。
「じゃあ、何かあったらケータイ鳴らして」
そう言うと勇の布団を持って部屋を出て行く。
「広くん……大丈夫?」
「今は、ちょっと熱高いけど、お薬飲んで寝てたら、すぐによくなるよ」
「本当?」
「ああ。だから、そんなに心配すんなって。でも、勇にうつったら大変だから、今日からオレの部屋で寝ような」
「……うん」
幸司の手が、勇の頭の上にのる。
そんな2人の様子を申し訳なく、そして微笑ましく見ていた。
1日目こそ、39℃まで熱が上がったが、2日目には37℃台まで下がり、3日目にはほぼ平熱に戻った。ただ、一番かかりやすい年齢の勇にはうつしたくなくて、なるべく部屋から出ないようにし、会話も極力避けていた。
もう、喉の痛みもなくなってきたし、明日から通常の生活で大丈夫だな。
勇にもだいぶ心配させちゃったから、明日は大いに甘やかそうかな……そんなことをぼんやりと布団の中で考えていた。
0
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる