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番外編
番外編・その43
しおりを挟む「クロエ、大丈夫、安心しろ。賊は屋敷に侵入する前に全員拘束出来たそうだ。まだ詳細は不明だが、子ども達も、屋敷の皆も無事なのは間違いない」
マルコ様に肩を掴まれ、私は我に返る。
「ほ、本当?本当に子ども達も皆も無事なのね?」
私は震える声でマルコ様に訊ねた。
マルコ様は力強く私に頷いてみせると、
「ここで騒ぎを大きくすれば、ジュリエッタの結婚式が台無しだ。今から俺だけ屋敷に戻るから、クロエ、君は残れ」
と私の目を見てゆっくりと言い聞かせる様に言った。
「嫌よ!子ども達の顔を見るまで安心出来ないわ!私も帰ります」
と私は必死にマルコ様の袖口を掴んだ。
しかし、マルコ様は、
「ダメだ。クロエ、君が動けば、皆が注目する。
ジュリエッタの晴れの日だ。君には君の役割がある。
大丈夫。俺が子ども達の無事をちゃんと確認するから」
と私の背を擦って、落ち着かせる様に私に言った。
子ども達が心配だ。だけど、今日のジュリエッタの笑顔を曇らせる訳にはいかない。あんな嬉しそうな父を不安にさせたくない。
私は、
「わかった。私は最後まで此処で…笑顔で居るわ」
と決心を口にする。
「それでこそ君だ。じゃあ、俺は馬で帰る。また後で」
とマルコ様は私の頭を引き寄せて額に口付けた。
私はマルコ様を遠目で見送り、今尚、参列者の輪の中で、皆に祝福の言葉をかけて貰っている笑顔の新郎新婦に近づいた。
「あら?お姉様、お義兄様は?」
「ちょっと商会の方でトラブルがあったみたい。先に戻って行ったの。ジュリエッタに謝っていたわ」
と私はジュリエッタに微笑んだ。
「まぁ!それは大変ね。お義兄様もすっかり商人ね」
「本当に。仕事だから仕方ないけどね」
私とジュリエッタは微笑み合った。
心の中では、まだ不安で一杯だが、私は精一杯の笑顔を見せた。
そんな私にナラはそっと近づいて、誰にも聞こえない様な声で、
「何かあったのですね?大丈夫です。他の誰も気づいておりません」
と私の耳元で囁いた。
流石、私の専属侍女だっただけはある。
彼女の目を欺くのは容易ではないようだ。
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