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第26話
「……きて下さい。起きて下さい」
私が瞼を開けると、目前にマギーの顔があった。
「わっ!!」
驚いた私に呆れた様なマギーの視線が突き刺さる。
「ドレスのまま、眠ってしまうとは。食事が終わったらお呼び下さいと言いましたでしょう?」
「す、すみません……」
私はとりあえず謝った。ドレスのままは流石に不味かったのかもしれない。
「とりあえず化粧を直して……ドレスも皺になっていますから、着替えましょうか」
「え?化粧を直すの?別にこのまで良くない?誰に見せる訳でも……」
「……陛下がお話があるそうです。お支度の時間はいただいていますが、グダグダしている暇はありません」
そう言われてしまえば、私ももう何も言えなくなった。
あれよあれよという間に、マギーが私のドレスを脱がせる。その時に、
「ね、ねぇ。もう少しシンプルなドレスはない?こんなゴテゴテしたやつじゃなくて。それと靴もなるべくヒールが低いやつ。まだ慣れてないから」
と私は何とか自分の希望を口にした。
「シンプルですか……難しいですねぇ。メリッサ様は豪華な物をお好みですので」
暗に『お前はメリッサなのだから我慢しろ』と言われた様に感じるが、私の好みではない。
「む、難しいでしょうけど、なるべく、なるべくシンプルかつ動きやすいドレスを……」
「動きやすさを追求しても仕方ないと思いますよ?貴女はもう逃げられないのですから。それになるべく部屋を出ないで下さい。……色々と困るので」
マギーはそう言いながらも、先ほどよりは飾りの少ないドレスを選んでくれた。靴もこのぐらいの高さならもっと上手に歩けそうだ。
ドレスを着替え、寝転んだ拍子にぐしゃぐしゃになった髪を結い直す。今度はハーフアップだ。
「あまり時間に猶予がないので、こんな所でしょう」
マギーのその言葉に私は自分の姿を鏡で見た。
そこに映る姿は、私であって私ではない。
「ありがとう」
礼を言った私に、
「礼は不要です。では、陛下の元へと参りましょう」
とマギーは私に背を向けた。
私が瞼を開けると、目前にマギーの顔があった。
「わっ!!」
驚いた私に呆れた様なマギーの視線が突き刺さる。
「ドレスのまま、眠ってしまうとは。食事が終わったらお呼び下さいと言いましたでしょう?」
「す、すみません……」
私はとりあえず謝った。ドレスのままは流石に不味かったのかもしれない。
「とりあえず化粧を直して……ドレスも皺になっていますから、着替えましょうか」
「え?化粧を直すの?別にこのまで良くない?誰に見せる訳でも……」
「……陛下がお話があるそうです。お支度の時間はいただいていますが、グダグダしている暇はありません」
そう言われてしまえば、私ももう何も言えなくなった。
あれよあれよという間に、マギーが私のドレスを脱がせる。その時に、
「ね、ねぇ。もう少しシンプルなドレスはない?こんなゴテゴテしたやつじゃなくて。それと靴もなるべくヒールが低いやつ。まだ慣れてないから」
と私は何とか自分の希望を口にした。
「シンプルですか……難しいですねぇ。メリッサ様は豪華な物をお好みですので」
暗に『お前はメリッサなのだから我慢しろ』と言われた様に感じるが、私の好みではない。
「む、難しいでしょうけど、なるべく、なるべくシンプルかつ動きやすいドレスを……」
「動きやすさを追求しても仕方ないと思いますよ?貴女はもう逃げられないのですから。それになるべく部屋を出ないで下さい。……色々と困るので」
マギーはそう言いながらも、先ほどよりは飾りの少ないドレスを選んでくれた。靴もこのぐらいの高さならもっと上手に歩けそうだ。
ドレスを着替え、寝転んだ拍子にぐしゃぐしゃになった髪を結い直す。今度はハーフアップだ。
「あまり時間に猶予がないので、こんな所でしょう」
マギーのその言葉に私は自分の姿を鏡で見た。
そこに映る姿は、私であって私ではない。
「ありがとう」
礼を言った私に、
「礼は不要です。では、陛下の元へと参りましょう」
とマギーは私に背を向けた。
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