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第21話
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私と結婚した事で公爵様の『女嫌い』の噂は鳴りを潜めた。
代わりに『おしどり夫婦』などと言われる様になってしまった事は私にとっては一種の悪口の様なものだ。誰が好き好んでこんな男と仲良しこよしをしなければならないのか。仮面夫婦とはまさしく私達の為にある言葉に違いない。
しかし、
『あまりに仲の良い夫婦には子どもも遠慮してしまう』などという様な事を言う人も居て、私の気持ちとは裏腹に、ますます私達はおしどり夫婦感を強めていった。
「ムスカ、私って公爵様と仲良くしている様に見えるの?」
街を散策しながら、私は無口な護衛に話し掛ける。
「……見ようによっては」
と何とも曖昧な返答を寄越す護衛に、
「ふーん……。お互い嫌ってるのにね」
と私は苦笑した。するとムスカは、
「ご主人様が奥様を『嫌って』いるのかは分かりませんが、ある程度認めているのは確かではないですか?」
と私に言う。
私の作った人脈が、公爵様の仕事にも役立つ様になったのは、私が嫁いで3年ほどほど経った頃だったろうか。
「ほら!オーネット公爵家の役に立ったではないですか!!あの時のあの発言、撤回して下さいませ!」
と私が言った時に、
「そんなものは忘れた」
ととぼけた公爵様にイライラした事を思い出した。
しかしそんな事より、
「ムスカ……貴方、長文が話せたのね。貴方ともう6年程一緒にいるけど、貴方の気持ちを聞いたのは初めての様な気がするわ」
と私はそちらの方に驚いた。
ムスカは、
「まぁ。たまには」
と少し笑った。
「貴方……笑うのね」
と私はまたもや驚かされたのだった。
「あれ?これ、間違って私の所に紛れて持ち込まれたのではないかしら?」
さっきギルバートが持ってきた帳簿の中に私が見慣れない物が紛れ込んでいた。
それは、領地にあるオーネット家本宅の帳簿。何故か公爵様は私に領地のオーネット家の収支を頑なに明かしてこなかった。
別に私も自分の仕事を増やしたい訳ではないので、それを知りたいとも暴きたいとも思った事がなかった為、最初にこれを見た時に全くピンと来ていなかった。
私は何の気なしにパラパラとその帳簿を捲る。
ふと……気になる物を見つけてしまった。
代わりに『おしどり夫婦』などと言われる様になってしまった事は私にとっては一種の悪口の様なものだ。誰が好き好んでこんな男と仲良しこよしをしなければならないのか。仮面夫婦とはまさしく私達の為にある言葉に違いない。
しかし、
『あまりに仲の良い夫婦には子どもも遠慮してしまう』などという様な事を言う人も居て、私の気持ちとは裏腹に、ますます私達はおしどり夫婦感を強めていった。
「ムスカ、私って公爵様と仲良くしている様に見えるの?」
街を散策しながら、私は無口な護衛に話し掛ける。
「……見ようによっては」
と何とも曖昧な返答を寄越す護衛に、
「ふーん……。お互い嫌ってるのにね」
と私は苦笑した。するとムスカは、
「ご主人様が奥様を『嫌って』いるのかは分かりませんが、ある程度認めているのは確かではないですか?」
と私に言う。
私の作った人脈が、公爵様の仕事にも役立つ様になったのは、私が嫁いで3年ほどほど経った頃だったろうか。
「ほら!オーネット公爵家の役に立ったではないですか!!あの時のあの発言、撤回して下さいませ!」
と私が言った時に、
「そんなものは忘れた」
ととぼけた公爵様にイライラした事を思い出した。
しかしそんな事より、
「ムスカ……貴方、長文が話せたのね。貴方ともう6年程一緒にいるけど、貴方の気持ちを聞いたのは初めての様な気がするわ」
と私はそちらの方に驚いた。
ムスカは、
「まぁ。たまには」
と少し笑った。
「貴方……笑うのね」
と私はまたもや驚かされたのだった。
「あれ?これ、間違って私の所に紛れて持ち込まれたのではないかしら?」
さっきギルバートが持ってきた帳簿の中に私が見慣れない物が紛れ込んでいた。
それは、領地にあるオーネット家本宅の帳簿。何故か公爵様は私に領地のオーネット家の収支を頑なに明かしてこなかった。
別に私も自分の仕事を増やしたい訳ではないので、それを知りたいとも暴きたいとも思った事がなかった為、最初にこれを見た時に全くピンと来ていなかった。
私は何の気なしにパラパラとその帳簿を捲る。
ふと……気になる物を見つけてしまった。
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