174 / 189
第174話
しおりを挟む
「ヴァローネ伯爵領を……ですか」
と言ったっきりアーロンは黙り込んでしまった。
昨日は誰にも何も話す事なく、私は何よりも睡眠を優先させた。アーロンもテオもやきもきした事だろう。
「そうなの。……皆私を買い被り過ぎじゃないかしら?」
昨日の夢の中の公爵様を含め、全員私に期待し過ぎだ。
「でも、ヴァローネ伯爵にだけ処分を下すというのは、やはり陛下もお優しいですね」
とテオが納得した様に頷いた。
「そうね。でも男爵位に格下げよ。ご夫人は妹君に顔向け出来ないと泣いていらっしゃったらしいわ」
ヴァローネ伯爵家も中々の名家だったのに……馬鹿な男1人の為に、その歴史に泥を塗る形となってしまった。ご夫人も御子息もヴァローネ伯爵に逆らえず止められなかった事をとても悔いていたと聞く。ご令嬢はまだ独身だったかと思うが、これではますます縁遠くなってしまうだろう。
「ヴァローネ伯爵領は今は荒廃していますがその領地は広い。そこを3分の2ですか……。これは骨が折れますね」
アーロンは難しい顔で腕を組んだ。
「実は、これを機にアーロンに補佐を付けようと思うの」
と言う私の言葉にアーロンは目を輝かせた。
「本当ですか?!いや~ありがたい!!オーネット公爵家はその大きさに似つかわしくなく、使用人が少な過ぎると思っていたんですよ」
と言うアーロンに私は心の中で(ケチだからよ)
と付け加えた。
「しかも陛下が紹介してくれるらしいわ。と、同時にギルバートにも補佐を。補佐というより……」
と言う私の言葉を継ぐように、
「父は今回の1件で随分とやらかしましたからね。……父に代わる者を育てるのですね?」
とアーロンは私に尋ねた。
「ええ。その通りよ。後にはアーロンの右腕になって貰えるように」
「私には補佐が2名って事ですか!少しは楽になりますかね」
と笑顔のアーロンに、
「私がまだまだですからね。アーロンさんには苦労かけると思いますが、よろしくお願いします」
とテオは小さく頭を下げた。
「さて、その補佐がいつから来るかはわからないけど、とりあえずやるべき事は山のようにあるわ。まずは、鉱山までの道のりの整備。それと、ヴァローネ伯爵領の再建よ!」
と私が元気にそう言うと、
「うちが管理する領地の名は?」
とアーロンが尋ねる。
「一応、タイラー伯爵領となるわ。いずれテオの子どもや子孫に残してあげる事が出来るでしょう?」
と私が口にすると、テオは少しだけ複雑そうな顔をした。
と言ったっきりアーロンは黙り込んでしまった。
昨日は誰にも何も話す事なく、私は何よりも睡眠を優先させた。アーロンもテオもやきもきした事だろう。
「そうなの。……皆私を買い被り過ぎじゃないかしら?」
昨日の夢の中の公爵様を含め、全員私に期待し過ぎだ。
「でも、ヴァローネ伯爵にだけ処分を下すというのは、やはり陛下もお優しいですね」
とテオが納得した様に頷いた。
「そうね。でも男爵位に格下げよ。ご夫人は妹君に顔向け出来ないと泣いていらっしゃったらしいわ」
ヴァローネ伯爵家も中々の名家だったのに……馬鹿な男1人の為に、その歴史に泥を塗る形となってしまった。ご夫人も御子息もヴァローネ伯爵に逆らえず止められなかった事をとても悔いていたと聞く。ご令嬢はまだ独身だったかと思うが、これではますます縁遠くなってしまうだろう。
「ヴァローネ伯爵領は今は荒廃していますがその領地は広い。そこを3分の2ですか……。これは骨が折れますね」
アーロンは難しい顔で腕を組んだ。
「実は、これを機にアーロンに補佐を付けようと思うの」
と言う私の言葉にアーロンは目を輝かせた。
「本当ですか?!いや~ありがたい!!オーネット公爵家はその大きさに似つかわしくなく、使用人が少な過ぎると思っていたんですよ」
と言うアーロンに私は心の中で(ケチだからよ)
と付け加えた。
「しかも陛下が紹介してくれるらしいわ。と、同時にギルバートにも補佐を。補佐というより……」
と言う私の言葉を継ぐように、
「父は今回の1件で随分とやらかしましたからね。……父に代わる者を育てるのですね?」
とアーロンは私に尋ねた。
「ええ。その通りよ。後にはアーロンの右腕になって貰えるように」
「私には補佐が2名って事ですか!少しは楽になりますかね」
と笑顔のアーロンに、
「私がまだまだですからね。アーロンさんには苦労かけると思いますが、よろしくお願いします」
とテオは小さく頭を下げた。
「さて、その補佐がいつから来るかはわからないけど、とりあえずやるべき事は山のようにあるわ。まずは、鉱山までの道のりの整備。それと、ヴァローネ伯爵領の再建よ!」
と私が元気にそう言うと、
「うちが管理する領地の名は?」
とアーロンが尋ねる。
「一応、タイラー伯爵領となるわ。いずれテオの子どもや子孫に残してあげる事が出来るでしょう?」
と私が口にすると、テオは少しだけ複雑そうな顔をした。
916
あなたにおすすめの小説
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
私、女王にならなくてもいいの?
gacchi(がっち)
恋愛
他国との戦争が続く中、女王になるために頑張っていたシルヴィア。16歳になる直前に父親である国王に告げられます。「お前の結婚相手が決まったよ。」「王配を決めたのですか?」「お前は女王にならないよ。」え?じゃあ、停戦のための政略結婚?え?どうしてあなたが結婚相手なの?5/9完結しました。ありがとうございました。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。
【完結】「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります
恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」
「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」
十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。
再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、
その瞬間に決意した。
「ええ、喜んで差し上げますわ」
将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。
跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、
王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。
「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」
聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
※表紙 AIアプリ作成
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる