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第181話
しおりを挟む「はぁ~……。やっぱり美味しい」
テオが私の淹れたお茶を飲んで、笑顔でそう言った。
何度もフーフーと息を吹きかけて冷ます様子に私も笑顔になる。猫舌は変わっていないようだ。
1年見ない間に逞しくなった気がする。というか大人になった。
私が眩しい思いでテオを見ていると、
「ステラ様、そんなに見られると照れます」
と苦笑した。
「ごめんなさい、つい。だって1年見ない間に随分と大人になったな……って思って。留学はどうだった?」
この1年の事をテオに尋ねると、彼は饒舌に自分の学んだ知識を話してくれた。
これがテオ?
テオと出会って1年半。こんなにお喋りなテオは初めてだった。
私達はテオの話に耳を傾けた。彼は身振り手振りを交えて留学で学んだ事を披露する。
そんな彼に少しだけ寂しさを感じる私は、本当に、子離れが出来ていない母親の様だ。
フランクは最愛の人に会えたらしい。そして隣国に残った。
2人の始まりは、確かに不適切な関係だったのかもしれないが、2人の気持ちは変わりはなかったようだ。遠回りをしたのかもしれないが、幸せになってくれたら良い。
するとテオが、
「ステラ様、誕生日の贈り物をありがとうございました。誕生日に贈り物を貰ったのは初めてで、とても嬉しかったです。大切にしますね」
とテオは胸ポケットから私が贈った懐中時計を取り出した。
「お礼なら手紙を貰ったわ」
「本当は直接言いたかったんですが。まだ、勉強が足りなくて……」
「いいの。こうして戻って来てくれたから」
「当たり前じゃないですか!私の家はここなので」
と言うテオに少し胸が熱くなった。
「そうよね。テオも戻って来た事だし、陛下に言って養子の件を進めなきゃね」
と言った私を見て、テオは真面目な顔になる。
「ステラ様。その前にお願いがあるのですが」
いつになく真剣なテオに私も居住まいを正す。
「何?」
「ステラ様、とりあえず離縁をお願いします」
と言うテオの言葉の意味が一瞬分からずに、私は固まってしまった。
………ここを出ていけと……そういう事なのね。
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