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王太子
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そうやって、羞恥に身悶えていると、王家の方々が入場してきた。
最後に入場してきた陛下と王妃様が壇上に上がると、ざわついていた会場が、一斉に静かになる。
「皆のもの。今宵は1つ報告がある。」
威厳のある陛下の声が響く。
「今まで空席であったが、王太子の座にこの度、第1王子であるフィリップが就くことと相成った。
これからは、王太子として政務にあたる。臣下の皆には、そのつもりで今後も支えて欲しいと思う。」
そう陛下が言うと、続けて
「今後は王太子として、この国の為、国民の為に尽力する事をここに誓う。」
そうフィリップ殿下…フィリップ王太子殿下は宣言された。
周りの貴族からは大きな拍手があがる。
フィリップ殿下は、貴族からも、国民からも人気があるらしい。
そのまま、立太子の任命式が行われた。
「レオ様は、ご存知でしたの?」
「いや、さっき団長から聞いた。
本来なら、もっと早くにフィリップ殿下が王太子に決まるはずだったんだけどな。
まぁ、色々あったが、これで安心だ。」
…きっと、政治的な何かがありますのね。
後で、お話してもらえるかしら?
そして、ファーストダンスを陛下と王妃様が踊り、その後に王太子夫妻と、ローガン殿下とララベル様が踊る。
その後は、上位貴族から順に踊り始める。
「さて、俺のお姫様。ダンスを申し込んでも?」
そう言ってレオ様が手を出してくれる。
私はその手に自分の手を重ね
「喜んで」
と言って、2人でダンスフロアへと向かった。
レオ様とは、邸で少し練習したが、最初から息はピッタリだった。
ここでも、私達は楽しく踊る。
レオ様のリードはとても踊りやすい。
「レオ様、夜会にはあまり出席されてないとおっしゃってたのに、ダンス、お上手なんですね。」
「ん?上手いのか?相手もいないし、踊ってなかったけど、なんとかなるもんだな。きっとレベッカが相手だからだよ。
レベッカが上手だから」
そう言って褒めてくれた。嬉しい。
そうしていると、皆が王族の方々へ挨拶しているのが見えた。
「そろそろ俺たちも行こうか」
とレオ様に促されて、私達も挨拶へ向かう。
「フィリップ王太子殿下、立太子おめでとうございます。」
そう2人で挨拶すると
「ありがとう。急な事で驚かせてすまない。詳しいことは追々な。
ところで、隣の綺麗なご婦人を紹介してくれないのかい?」
そう殿下に言われ
「こちらが、私の妻のレベッカです。」と紹介される。
「レベッカ・ランバードです。今後も主人共々よろしくお願いいたします。」
と私は頭を下げた。
「顔を上げて。いや~久しぶりに会えたね。デビュタント以来だ。
益々美しくなって。
これは、アレックスが隠したがるわけだ。」
「?」
私が不思議そうな顔をしたからだろう、殿下は
「私はアレックスとは顔見知りだ。学園では共に学んだ。私は友と思っているが、アレックスは弁えた男だからな。そう気安くは呼んでくれないだろう。
君の事はアレックスから、よく聞いてたからね。
勝手に妹みたいに思ってた。」
アレックスお兄様が王太子殿下と知り合いなんて、初めて聞いた。
何故言ってくれないのかしら?
「左様でございましたか。申し訳ありません。
兄から何も聞いておらず、失礼しました。」
「あいつが他の男の名前を妹に言うわけないだろうな。」
と殿下は苦笑した。
……嫌な予感しかしないが、もしかして、殿下はお兄様の異常なシスコンをご存知なのでしょうか?
もしそうなら、今すぐ穴を掘って埋まってしまいたい。
「レオナルドには、いつも世話になってる。今後もよろしく頼むよ。」
「殿下、長い休暇もそろそろ明けます。またこきつかって下さい。」
とレオ様も笑顔で答えた。
とても気安い関係のようだ。
私達はローガン殿下、ララベル様とも挨拶し、次はルイス殿下にと…殿下の前に立った瞬間、私のカーテシーも待たずにルイス殿下が私の手を両手で握りしめ、
「ああ!会いたかったよ。」
と感激した様子で私を見る。
「!?」
私はびっくりして、固まった。
「ルイス殿下、手をお離しください。」
そうレオ様が不機嫌そうに抗議した。
不敬にならない?大丈夫?
「なんだ、ランバード。いたのか?」
「はい、ずっとおりますが。
とにかくうちの妻の手を離していただけますか?」
「なんだ、うるさい男だな。
私はレベッカ嬢と話がしたいんだ、お前は下がれ」
「そういうわけにはまいりません。私の妻です。」
「私の邪魔をするな。」
「いいえ、邪魔します!
ほら、他の皆様もルイス殿下への挨拶をお待ちです。私達は失礼します。」
「え?レオ様、私、ご挨拶出来てませんが…」
私は手を握られたまま、2人のやり取りを見守っていたが、挨拶をせずに立ち去るのは、明らかに不味いのでは?と慌てる。
「大丈夫だ。
ごきげんよう。さようなら。
ほら、もう済んだ。レベッカ行くよ」
とレオ様はルイス殿下に握られた手を無理やり掴んで歩き出す。
「殿下、それでは失礼いたします。」
私は辛うじて声を掛けながら手を引かれて捌けていった。
最後に入場してきた陛下と王妃様が壇上に上がると、ざわついていた会場が、一斉に静かになる。
「皆のもの。今宵は1つ報告がある。」
威厳のある陛下の声が響く。
「今まで空席であったが、王太子の座にこの度、第1王子であるフィリップが就くことと相成った。
これからは、王太子として政務にあたる。臣下の皆には、そのつもりで今後も支えて欲しいと思う。」
そう陛下が言うと、続けて
「今後は王太子として、この国の為、国民の為に尽力する事をここに誓う。」
そうフィリップ殿下…フィリップ王太子殿下は宣言された。
周りの貴族からは大きな拍手があがる。
フィリップ殿下は、貴族からも、国民からも人気があるらしい。
そのまま、立太子の任命式が行われた。
「レオ様は、ご存知でしたの?」
「いや、さっき団長から聞いた。
本来なら、もっと早くにフィリップ殿下が王太子に決まるはずだったんだけどな。
まぁ、色々あったが、これで安心だ。」
…きっと、政治的な何かがありますのね。
後で、お話してもらえるかしら?
そして、ファーストダンスを陛下と王妃様が踊り、その後に王太子夫妻と、ローガン殿下とララベル様が踊る。
その後は、上位貴族から順に踊り始める。
「さて、俺のお姫様。ダンスを申し込んでも?」
そう言ってレオ様が手を出してくれる。
私はその手に自分の手を重ね
「喜んで」
と言って、2人でダンスフロアへと向かった。
レオ様とは、邸で少し練習したが、最初から息はピッタリだった。
ここでも、私達は楽しく踊る。
レオ様のリードはとても踊りやすい。
「レオ様、夜会にはあまり出席されてないとおっしゃってたのに、ダンス、お上手なんですね。」
「ん?上手いのか?相手もいないし、踊ってなかったけど、なんとかなるもんだな。きっとレベッカが相手だからだよ。
レベッカが上手だから」
そう言って褒めてくれた。嬉しい。
そうしていると、皆が王族の方々へ挨拶しているのが見えた。
「そろそろ俺たちも行こうか」
とレオ様に促されて、私達も挨拶へ向かう。
「フィリップ王太子殿下、立太子おめでとうございます。」
そう2人で挨拶すると
「ありがとう。急な事で驚かせてすまない。詳しいことは追々な。
ところで、隣の綺麗なご婦人を紹介してくれないのかい?」
そう殿下に言われ
「こちらが、私の妻のレベッカです。」と紹介される。
「レベッカ・ランバードです。今後も主人共々よろしくお願いいたします。」
と私は頭を下げた。
「顔を上げて。いや~久しぶりに会えたね。デビュタント以来だ。
益々美しくなって。
これは、アレックスが隠したがるわけだ。」
「?」
私が不思議そうな顔をしたからだろう、殿下は
「私はアレックスとは顔見知りだ。学園では共に学んだ。私は友と思っているが、アレックスは弁えた男だからな。そう気安くは呼んでくれないだろう。
君の事はアレックスから、よく聞いてたからね。
勝手に妹みたいに思ってた。」
アレックスお兄様が王太子殿下と知り合いなんて、初めて聞いた。
何故言ってくれないのかしら?
「左様でございましたか。申し訳ありません。
兄から何も聞いておらず、失礼しました。」
「あいつが他の男の名前を妹に言うわけないだろうな。」
と殿下は苦笑した。
……嫌な予感しかしないが、もしかして、殿下はお兄様の異常なシスコンをご存知なのでしょうか?
もしそうなら、今すぐ穴を掘って埋まってしまいたい。
「レオナルドには、いつも世話になってる。今後もよろしく頼むよ。」
「殿下、長い休暇もそろそろ明けます。またこきつかって下さい。」
とレオ様も笑顔で答えた。
とても気安い関係のようだ。
私達はローガン殿下、ララベル様とも挨拶し、次はルイス殿下にと…殿下の前に立った瞬間、私のカーテシーも待たずにルイス殿下が私の手を両手で握りしめ、
「ああ!会いたかったよ。」
と感激した様子で私を見る。
「!?」
私はびっくりして、固まった。
「ルイス殿下、手をお離しください。」
そうレオ様が不機嫌そうに抗議した。
不敬にならない?大丈夫?
「なんだ、ランバード。いたのか?」
「はい、ずっとおりますが。
とにかくうちの妻の手を離していただけますか?」
「なんだ、うるさい男だな。
私はレベッカ嬢と話がしたいんだ、お前は下がれ」
「そういうわけにはまいりません。私の妻です。」
「私の邪魔をするな。」
「いいえ、邪魔します!
ほら、他の皆様もルイス殿下への挨拶をお待ちです。私達は失礼します。」
「え?レオ様、私、ご挨拶出来てませんが…」
私は手を握られたまま、2人のやり取りを見守っていたが、挨拶をせずに立ち去るのは、明らかに不味いのでは?と慌てる。
「大丈夫だ。
ごきげんよう。さようなら。
ほら、もう済んだ。レベッカ行くよ」
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私は辛うじて声を掛けながら手を引かれて捌けていった。
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