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朝食
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今、うちのキッチンには、イケメンが私のエプロン着けて立っている。
違和感しかない。
手持ち無沙汰な私はとりあえず、愛猫の『もなか』にご飯をあげる。2年前拾った時はガリガリの子猫だったもなかは、その名の由来である薄茶色の毛並みはそのままだが、でっぷりと重量感のある猫になった。何故か顔つきも力士っぽい。それもまた可愛い。
「奏さん、出来たよ~。温かいうちに食べよ~」
と違和感だらけのイケメンが私を呼ぶ。
ダイニングテーブルには、プレーンオムレツとベーコン。ミニサラダと私行きつけのベーカリーの看板商品であるクロワッサンがワンプレートにお上品に盛られていた。女子が好きそうな、THE朝食。
私は、料理が苦手ではないが、好きでもない。特に自分1人分の食事を作るのはとても、とてもめんどくさい。
自分しか見ない食事に見映えを気にした事もない。
ちなみに私はひっそりと生きていきたい主義だから、SNSも全く活用しない。
今どき女子とは真逆の人間だ。
オシャレメシにも興味はない。色味が悪くてもいい。美味しい物が好きだ。
ダイニングテーブルに着いた私の前に違和感男子も腰掛ける。
「どうぞ、召し上がれ」
「……いただきます。」
手を合わせてから、フォークを取る。
オムレツを口に運ぶと、フワフワでバターの風味が効いてる。凄く美味しい。
私の感想が気になるのか、違和感男子が様子を伺っている。
「美味しいよ。」
そう言うと
「本当?!良かった~。じゃあ俺も食べよ~っと。」
そう言って彼は自分で作ったオムレツを頬張る。
その姿を見てると、あ~そういえば、私も、彼氏にお世話焼かれる事に憧れてたなぁ。って昔の事を思い出した。
私は結構尽くす女でお節介なタイプの彼女になりがちだが、本当はお世話も焼かれたかった。
ギブ&テイク。
持ちつ持たれつって関係に憧れていた。
「奏さん、どうしたの?口に合わなかった?」
ボーッとしてた私を心配そうに覗き込む。
そんな顔も可愛らしい。ずるい。
「あ、ごめん。ちょっと考え事。ご飯は美味しいよ。」
「そっか。なら良かった」
と少しホッとした彼は自分の食事を終えてコーヒーを飲んでいた。
私も残りの食事を綺麗に平らげた。
淹れてもらったカフェオレを飲みながら
「…ねぇ、千秋くんだっけ?ところで君は誰なの?」
「さっきも言ったけど、橘 千秋 20歳。」
「名前は、さっき聞いた。で、何者なの?ここにいる目的はなに?」
「そんな怖い顔しないでよー。俺はねぇ、奏さんの『理想のオトコ』」
「私の理想?どういう事?」
全然意味がわからない。
「説明、難しいなぁ。」
「じゃあ、私は千秋くんみたいな男性を好きって事?」
「多分、そうなんじゃないかな?自分でも気がついてない部分もあるかもだけど。」
「それって、例えば?」
「うーん。例えば…奏さんはどんなタイプの男性が好きって聞かれて、なんて答える?」
「そうだなぁ。優しい人…とか?でも、それって殆どの女の人がそう思ってるんじゃない?誰だって冷たい人は嫌でしょ?」
「だよね。でも、奏さんの絶対譲れない条件じゃないんじゃない?それって。」
「うーん。確かに。優しくされたら誰でもOKって事じゃないな。
じゃあ、私が絶対譲れない彼氏の条件ってなんだろ。」
自分の事なのに、自分の心がわからない。
「『優しさ』も必要なんだろうけど、それは『そうだったらいいなぁ~』ぐらいかもね。他に思い当たる条件はない?」
「笑いのツボが一緒とか、私に干渉し過ぎないとか…私の意見を尊重してくれるとか、色々『そうだったらいいなぁ~』は思い付くけど、どれもしっくりこない感じ。」
「そっかぁ。自分で気がついてなくても、本当は絶対譲れない事があるんじゃないかと思うんだけど…」
「うーん。」
私はすっかり考えこむ。
「じゃあ、千秋くんは私の絶対条件を満たすオトコって事なの?」
「うん。そうなるね。だから俺が選ばれたんだもん。」
「自分でも理解してない深層心理?的なものなのかなぁ……
あ!そういえば、昔、友達にさ今みたいに
『どんなタイプが好き?』って聞かれてさ、そん時の答えが意味わかんないって言われた事があるんだよね。」
そう言いながら、私は大学時代の友達との会話を思い出していた。
違和感しかない。
手持ち無沙汰な私はとりあえず、愛猫の『もなか』にご飯をあげる。2年前拾った時はガリガリの子猫だったもなかは、その名の由来である薄茶色の毛並みはそのままだが、でっぷりと重量感のある猫になった。何故か顔つきも力士っぽい。それもまた可愛い。
「奏さん、出来たよ~。温かいうちに食べよ~」
と違和感だらけのイケメンが私を呼ぶ。
ダイニングテーブルには、プレーンオムレツとベーコン。ミニサラダと私行きつけのベーカリーの看板商品であるクロワッサンがワンプレートにお上品に盛られていた。女子が好きそうな、THE朝食。
私は、料理が苦手ではないが、好きでもない。特に自分1人分の食事を作るのはとても、とてもめんどくさい。
自分しか見ない食事に見映えを気にした事もない。
ちなみに私はひっそりと生きていきたい主義だから、SNSも全く活用しない。
今どき女子とは真逆の人間だ。
オシャレメシにも興味はない。色味が悪くてもいい。美味しい物が好きだ。
ダイニングテーブルに着いた私の前に違和感男子も腰掛ける。
「どうぞ、召し上がれ」
「……いただきます。」
手を合わせてから、フォークを取る。
オムレツを口に運ぶと、フワフワでバターの風味が効いてる。凄く美味しい。
私の感想が気になるのか、違和感男子が様子を伺っている。
「美味しいよ。」
そう言うと
「本当?!良かった~。じゃあ俺も食べよ~っと。」
そう言って彼は自分で作ったオムレツを頬張る。
その姿を見てると、あ~そういえば、私も、彼氏にお世話焼かれる事に憧れてたなぁ。って昔の事を思い出した。
私は結構尽くす女でお節介なタイプの彼女になりがちだが、本当はお世話も焼かれたかった。
ギブ&テイク。
持ちつ持たれつって関係に憧れていた。
「奏さん、どうしたの?口に合わなかった?」
ボーッとしてた私を心配そうに覗き込む。
そんな顔も可愛らしい。ずるい。
「あ、ごめん。ちょっと考え事。ご飯は美味しいよ。」
「そっか。なら良かった」
と少しホッとした彼は自分の食事を終えてコーヒーを飲んでいた。
私も残りの食事を綺麗に平らげた。
淹れてもらったカフェオレを飲みながら
「…ねぇ、千秋くんだっけ?ところで君は誰なの?」
「さっきも言ったけど、橘 千秋 20歳。」
「名前は、さっき聞いた。で、何者なの?ここにいる目的はなに?」
「そんな怖い顔しないでよー。俺はねぇ、奏さんの『理想のオトコ』」
「私の理想?どういう事?」
全然意味がわからない。
「説明、難しいなぁ。」
「じゃあ、私は千秋くんみたいな男性を好きって事?」
「多分、そうなんじゃないかな?自分でも気がついてない部分もあるかもだけど。」
「それって、例えば?」
「うーん。例えば…奏さんはどんなタイプの男性が好きって聞かれて、なんて答える?」
「そうだなぁ。優しい人…とか?でも、それって殆どの女の人がそう思ってるんじゃない?誰だって冷たい人は嫌でしょ?」
「だよね。でも、奏さんの絶対譲れない条件じゃないんじゃない?それって。」
「うーん。確かに。優しくされたら誰でもOKって事じゃないな。
じゃあ、私が絶対譲れない彼氏の条件ってなんだろ。」
自分の事なのに、自分の心がわからない。
「『優しさ』も必要なんだろうけど、それは『そうだったらいいなぁ~』ぐらいかもね。他に思い当たる条件はない?」
「笑いのツボが一緒とか、私に干渉し過ぎないとか…私の意見を尊重してくれるとか、色々『そうだったらいいなぁ~』は思い付くけど、どれもしっくりこない感じ。」
「そっかぁ。自分で気がついてなくても、本当は絶対譲れない事があるんじゃないかと思うんだけど…」
「うーん。」
私はすっかり考えこむ。
「じゃあ、千秋くんは私の絶対条件を満たすオトコって事なの?」
「うん。そうなるね。だから俺が選ばれたんだもん。」
「自分でも理解してない深層心理?的なものなのかなぁ……
あ!そういえば、昔、友達にさ今みたいに
『どんなタイプが好き?』って聞かれてさ、そん時の答えが意味わかんないって言われた事があるんだよね。」
そう言いながら、私は大学時代の友達との会話を思い出していた。
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