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嬉しい提案 side千秋
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片付けるの終わったけど…どうしよう。仲直りしたいんだけどな…。
「ところで千秋くん。」
彼女が話しかけてくれた。
「……何?」
嬉しいのに、つい拗ねた口調になっちゃった。
「本当に帰る所がないの?」
「ないよ。」
どうしよう。やっぱり出ていけって言われるのかな?不安になる。
「じゃあ、うちにいてもいいよ。」
俺は顔中笑顔にして、振り向く。
「本当?!」
あ、奏さん猫抱いてる。猫が羨ましい。
「このマンション、ファミリータイプで今は私1人だし、部屋余ってるし。
女の独り暮らしもなにかと不安だから、番犬代わりね。
だってワンコなんでしょ?」
笑いながら奏さんが言う。
「番犬でも、愛玩犬でもなんでもなるよ!なんでもするし、なんでも言う事聞く!
ありがとう、奏さん!」
嬉しすぎて、奏さんに抱きついて、殴られた。
殴られた事も、嬉しい。
もはや俺って変態?
「ところでさぁ。なんで私の名前知ってんの?」
奏さんの前に正座した俺に、彼女は聞く。
「奏さんが寝てる間にテーブルに置いてあったDMの宛名みた。」
これも半分本当、半分嘘。
下の名前はガチャに居た時から知ってた。
連れの男が「奏」って呼んでたから。
めっちゃムカついたけど、名前を知れて嬉しかった。
名字はさっき知ったけど。
「ふーん。でさぁ、千秋くんは学生?社会人?」
「どっちなんだろ?奏さんはどっちが良い?」
そこまでは設定されていない。
『必要な物』が出来たらガチャをしに行けばなんとかなる。
「え、それってどういう意味?」
奏さんが目を丸くする。そんな顔も可愛い。
「うんとね。相手にある程度合わせる事が出来るって思ってもらったら良いんだけど。
でも、ここに住むのに家賃とか必要だよね。俺、働こっかな。」
ただでさえ年下の俺を頼ってはくれないかもしれないから、只の居候にはなりたくない。
少しでも奏さんの役に立ちたい。
「ここは分譲でローンも終わってるから家賃は心配しなくて良いけど、私の給料だけじゃ、2人で暮らすのは厳しいから仕事してもらえると嬉しいかな。」
奏さんって、お人好し過ぎない?
俺が言える立場じゃないけど、ガチャから出てきたって言ってるヤバイ奴と一緒に暮らすとか、無防備にも程があるよね。
1番の危険人物、多分俺だけど。
奏さんに嫌われたくないから、無理矢理襲ったりはしないけど、なんなら、合意があれば今すぐでも押し倒したいって思ってるよ?貞操の危機よ?大丈夫?
なんて心では思っていても、尾首にもださないけど。
「じゃあ、すぐにでも仕事探すね。あと、家事も俺やるよ。せっかく一緒に暮らしてもらえるんだし。」
「まぁ、仕事が見つかるまでは甘えちゃおうかな。でも、千秋くんが仕事始めたら、当番制にしよう」
あーなんて可愛いんだろ。俺の奏さん。
こんな俺を受け入れてくれて。まじ女神。
俺1人で働くから、ずっと家に居てくれないかな。もう外に出したくない。
「でもさ。ガチャ出身だと、身分証明とか何もないんじゃない?仕事探せるの?戸籍とか、住民票とか…どうするの」
奏さんの心配ももっともだ。心配そうな顔も可愛い。
「じゃあ、今からあのガチャに行こ!」
俺は、奏さんの手を引いて、出掛けようとした。
「ちょっ、ちょっと待って!私、まだ部屋着!」
めちゃくちゃ焦る奏さんがいた。その姿も可愛い。
「ところで千秋くん。」
彼女が話しかけてくれた。
「……何?」
嬉しいのに、つい拗ねた口調になっちゃった。
「本当に帰る所がないの?」
「ないよ。」
どうしよう。やっぱり出ていけって言われるのかな?不安になる。
「じゃあ、うちにいてもいいよ。」
俺は顔中笑顔にして、振り向く。
「本当?!」
あ、奏さん猫抱いてる。猫が羨ましい。
「このマンション、ファミリータイプで今は私1人だし、部屋余ってるし。
女の独り暮らしもなにかと不安だから、番犬代わりね。
だってワンコなんでしょ?」
笑いながら奏さんが言う。
「番犬でも、愛玩犬でもなんでもなるよ!なんでもするし、なんでも言う事聞く!
ありがとう、奏さん!」
嬉しすぎて、奏さんに抱きついて、殴られた。
殴られた事も、嬉しい。
もはや俺って変態?
「ところでさぁ。なんで私の名前知ってんの?」
奏さんの前に正座した俺に、彼女は聞く。
「奏さんが寝てる間にテーブルに置いてあったDMの宛名みた。」
これも半分本当、半分嘘。
下の名前はガチャに居た時から知ってた。
連れの男が「奏」って呼んでたから。
めっちゃムカついたけど、名前を知れて嬉しかった。
名字はさっき知ったけど。
「ふーん。でさぁ、千秋くんは学生?社会人?」
「どっちなんだろ?奏さんはどっちが良い?」
そこまでは設定されていない。
『必要な物』が出来たらガチャをしに行けばなんとかなる。
「え、それってどういう意味?」
奏さんが目を丸くする。そんな顔も可愛い。
「うんとね。相手にある程度合わせる事が出来るって思ってもらったら良いんだけど。
でも、ここに住むのに家賃とか必要だよね。俺、働こっかな。」
ただでさえ年下の俺を頼ってはくれないかもしれないから、只の居候にはなりたくない。
少しでも奏さんの役に立ちたい。
「ここは分譲でローンも終わってるから家賃は心配しなくて良いけど、私の給料だけじゃ、2人で暮らすのは厳しいから仕事してもらえると嬉しいかな。」
奏さんって、お人好し過ぎない?
俺が言える立場じゃないけど、ガチャから出てきたって言ってるヤバイ奴と一緒に暮らすとか、無防備にも程があるよね。
1番の危険人物、多分俺だけど。
奏さんに嫌われたくないから、無理矢理襲ったりはしないけど、なんなら、合意があれば今すぐでも押し倒したいって思ってるよ?貞操の危機よ?大丈夫?
なんて心では思っていても、尾首にもださないけど。
「じゃあ、すぐにでも仕事探すね。あと、家事も俺やるよ。せっかく一緒に暮らしてもらえるんだし。」
「まぁ、仕事が見つかるまでは甘えちゃおうかな。でも、千秋くんが仕事始めたら、当番制にしよう」
あーなんて可愛いんだろ。俺の奏さん。
こんな俺を受け入れてくれて。まじ女神。
俺1人で働くから、ずっと家に居てくれないかな。もう外に出したくない。
「でもさ。ガチャ出身だと、身分証明とか何もないんじゃない?仕事探せるの?戸籍とか、住民票とか…どうするの」
奏さんの心配ももっともだ。心配そうな顔も可愛い。
「じゃあ、今からあのガチャに行こ!」
俺は、奏さんの手を引いて、出掛けようとした。
「ちょっ、ちょっと待って!私、まだ部屋着!」
めちゃくちゃ焦る奏さんがいた。その姿も可愛い。
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