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再び
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千秋くんに、部屋着のまま連れて行かれそうになる。
「ちょっ、ちょっと待って!私、まだ部屋着!」
このまま外出するのは無理だ。ノーブラだし、化粧もしてない。
「とりあえず、準備してくるからちょっと待ってて。千秋くんは、もなかの相手でもしてて。」
私は部屋に戻って、急いで支度する。
そうだ、せっかくなら千秋くんに必要な物も買い揃えよう。
急な出費だけど仕方ない。
千秋くんはお金持ってないだろうし。(見た目手ぶらだったしね。)
まぁ、高給ってわけじゃないけど、きちんとお給料はもらってるし。
趣味のガチャと映画鑑賞ぐらいしかお金使わないから、貯金はある。
私は助手席に千秋くんを座らせて、昨日の大型スーパーへ向かう。
例のガチャは、そのまま、その場所にあった。
「で、どうするの?」
千秋くんに聞く。
「ちょっと待ってて。俺がガチャするから。」
と言って千秋くんはパンツの後ろポケットから財布を取り出す。
「お金、持ってたんだ。」
「うん。一応ね~。どれどれ、600円しか入ってないや。
ということは2回ガチャを引けって事だね」
私が口を出した所で、昨日から続くこの不思議な状況を理解できるわけがない。
私は千秋くんのやる事を黙って見守る。
千秋くんはガチャを2回引き、2つのカプセルを開ける。
中には、ミニチュアの免許証とか、保険証とか、その他に書類みたいなのも入ってた。
2つのカプセル合わせて10個くらいのアイテムだ。
「これ、何?」
黙っていられなくなり、問いかけた。
「うん?今ね、俺は『これからこの街で奏さんと暮らす為に必要な物が欲しい』って願いながらガチャを引いたから、多分これが、その為に必要なアイテムなんだと思うよ。」
「…全部ミニチュアだけど?」
「ふふっ。大丈夫!俺が人形から人間になったんだもん。これ、良かったら奏さんのカバンに入れてもらってていい?」
「いいけど。これからどうするの?」
「今日は日曜日だから、役所関係の手続きは出来ないし、明日、俺が手続きに行くよ。だから、今日はこれで終了。
奏さんは?他にどっか行きたいとこない?」
「じゃあ、千秋くんの生活用品買いに行こう。洋服とか下着もいるよね。」
どうせなら、そういうのもガチャで出せば良いのに…と思わなくはない。
でもそう考えてる時点で、この嘘みたいな夢みたいな出来事を受け入れ始めている自分が怖い。
「え、買い物?奏さんと一緒に?嬉しー!なんか、恋人っぽーい。」
「あ、周りには私たちの関係は遠い親戚って事で。」
「えー。そんなのつまんなーい。」
「つまんなくない。私たち6歳も違うんだよ?彼氏、彼女の方が無理あるでしょ?」
「えー全然無理じゃないよー。俺たちお似合いだと思うし」
そんな笑顔で言われても、そこを受け入れる気はない。
「うるさい!嫌なら出ていってもらうから。」
と睨んでいうと。
「……わかりました。それでいいです。…今は。」
最後は聞き取りづらかったが、まぁ納得してくれたようなので、私達は早速買い物へ行った。
「ちょっ、ちょっと待って!私、まだ部屋着!」
このまま外出するのは無理だ。ノーブラだし、化粧もしてない。
「とりあえず、準備してくるからちょっと待ってて。千秋くんは、もなかの相手でもしてて。」
私は部屋に戻って、急いで支度する。
そうだ、せっかくなら千秋くんに必要な物も買い揃えよう。
急な出費だけど仕方ない。
千秋くんはお金持ってないだろうし。(見た目手ぶらだったしね。)
まぁ、高給ってわけじゃないけど、きちんとお給料はもらってるし。
趣味のガチャと映画鑑賞ぐらいしかお金使わないから、貯金はある。
私は助手席に千秋くんを座らせて、昨日の大型スーパーへ向かう。
例のガチャは、そのまま、その場所にあった。
「で、どうするの?」
千秋くんに聞く。
「ちょっと待ってて。俺がガチャするから。」
と言って千秋くんはパンツの後ろポケットから財布を取り出す。
「お金、持ってたんだ。」
「うん。一応ね~。どれどれ、600円しか入ってないや。
ということは2回ガチャを引けって事だね」
私が口を出した所で、昨日から続くこの不思議な状況を理解できるわけがない。
私は千秋くんのやる事を黙って見守る。
千秋くんはガチャを2回引き、2つのカプセルを開ける。
中には、ミニチュアの免許証とか、保険証とか、その他に書類みたいなのも入ってた。
2つのカプセル合わせて10個くらいのアイテムだ。
「これ、何?」
黙っていられなくなり、問いかけた。
「うん?今ね、俺は『これからこの街で奏さんと暮らす為に必要な物が欲しい』って願いながらガチャを引いたから、多分これが、その為に必要なアイテムなんだと思うよ。」
「…全部ミニチュアだけど?」
「ふふっ。大丈夫!俺が人形から人間になったんだもん。これ、良かったら奏さんのカバンに入れてもらってていい?」
「いいけど。これからどうするの?」
「今日は日曜日だから、役所関係の手続きは出来ないし、明日、俺が手続きに行くよ。だから、今日はこれで終了。
奏さんは?他にどっか行きたいとこない?」
「じゃあ、千秋くんの生活用品買いに行こう。洋服とか下着もいるよね。」
どうせなら、そういうのもガチャで出せば良いのに…と思わなくはない。
でもそう考えてる時点で、この嘘みたいな夢みたいな出来事を受け入れ始めている自分が怖い。
「え、買い物?奏さんと一緒に?嬉しー!なんか、恋人っぽーい。」
「あ、周りには私たちの関係は遠い親戚って事で。」
「えー。そんなのつまんなーい。」
「つまんなくない。私たち6歳も違うんだよ?彼氏、彼女の方が無理あるでしょ?」
「えー全然無理じゃないよー。俺たちお似合いだと思うし」
そんな笑顔で言われても、そこを受け入れる気はない。
「うるさい!嫌なら出ていってもらうから。」
と睨んでいうと。
「……わかりました。それでいいです。…今は。」
最後は聞き取りづらかったが、まぁ納得してくれたようなので、私達は早速買い物へ行った。
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