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目が覚めて
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「ん……身体が軽い」
ここに連れて来られてから初めて目覚めのいい朝を迎えられた気がハヤテはした。
「くんっ……」
けれど腰に少し力を入れた瞬間にビクッと身体の中に入っていた物を刺激してしまったらしくムクっと立ち上がるその気配に慌てて腰をあげる。
「か、快楽に流されては今はダメだ。始めると警備兵が来る時間になってしまう」
銀の皿に置かれた水しかない為、身体を拭えない状況は少し困るが仕方がない。
(獣化すれば多少は……に、匂いはより強く感じちゃうけど、我慢するのだ私!)
姿を変えようとした時、ハヤテにこえがかけられる。
「ハヤテ?」
ユウキが目覚めたらしい。
声に身体が反応し、振り向くと自然とユウキの前に座って顔を近づけていた。
「お、おはよう!」
「お、おはよう!ハヤテ」
挨拶の声に驚いたのではなく、ユウキは目の前に開かれた滴り落ちる部分がハヤテの顔の奥にバッチリとパックリと開かれているのに反応してしまう。
「い、今はダメだ。後、数刻で警備兵が来る。その前に……」
「あ、そうか。着替えないとな」
「そ、それもだが、逃げ出す!呪いが発動するまで……せめてその時まで私と一緒にいて欲しい」
ユウキはなんと答えようか迷う。
その迷いをハヤテは勘違いする。いや、あながち間違いではないのだが。
「別に外に気になる女がいても私は構わない。せめて私が生きているうちは『私も』愛して欲しい」
ユウキは迷う。
既に答えは一つなのだが、それを口にする事できっと、この街ではトラブルはないかもしれないが、今一番の問題であるレイランとの関係についてまた波乱がありそうな気がする。
けれど、ここで力を借りないと衛兵に殺されるとも限らない。
ティナ達が助けに来てくれる可能性もゼロではないが、それは難しいだろう。
ならば自力でと言いたいが、この後一番に問題になる能力に特化しているユウキは牢を壊すほどの攻撃力はない。
力を借りないといけないけど、出た後は『生きているうちは』愛さないといけないらしい。
ハヤテを見ると顔を赤くしながら尻尾を左右に振りながら期待を込めた瞳でこちらを見ている。
今日死ぬかもしれない危機的状況、二人きりの牢屋、既にしてしまった行為により、ハヤテはこれは運命の出会いくらいに思い込んでいるに違いない。
「ああ、最後に愛しい人のために全力を尽くす。今日はやけに身体が軽い。はっ!愛のために、誰かを守る為に振るう力にこそ限界を……」
ユウキが躊躇していると、どうやらというか、やっぱりと言うべきか、悲劇のヒロイン的なというより、むしろ主人公的な感じに盛り上がっていた。
「私がユウキを助け出して見せるからな!」
(なんかどんどん、言い出しにくい状況になっている)
とにかく、生きて逃げ出せるかの保障がない為、成功してから呪いの解除の件は話をしよう。
ユウキは脱ぎ散らかしていた服を着る。
ふと、視線に気づきユウキはハヤテを見る。
「ああ、そうか!オオカミの状態で繋がれてたから服が無いのか」
「この檻を壊す時は獣化しなければならないけど、その後は人の姿の方が人目につかないだろうからな」
ユウキはシャツと下着を渡す。
試しに着てみたハヤテはなかなかおりないシャツに苦戦していた。
「む、胸が苦しい……」
逆に目立つ。
白いシャツに浮き上がる二つの丘の上のチェリーに入りきらない下乳。
それにトランクスの組み合わせ。
だからと言ってワイシャツにトランクスの組み合わせはどうなのだろう。
(途中で服を手に入れる必要がある)
「今ならこの鎖も壊せる気がする」
そう言うとハヤテは服を脱ぐと獣化する。
「あぐっ!」
ジャリンッ!
思い切り引っ張った為、首が締まったようだが、無理矢理にハヤテはチェーンを壊し、その勢いのまま檻にぶつかり鉄格子をひん曲げる。
人の姿にまたハヤテは戻るとVと指をチョキチョキと左右に動かすが、思っていた以上に振動と音がした為、早く逃げた方がいいだろう。
「さ、行こう!ユウキ」
「首輪と鎖の一部は着いたままなんだ」
「この首輪は特殊な金属で出来てるみたいなんだ。オオカミになっても広がるだけで壊れない。さすが、教会だよ。対獣人用の捕獲のためにオリハルコンの鎖を用意しているなんて。鎖は普通の鉄だからよかったけど……この首輪は余程の鍛冶の能力があるか、切断できる腕の剣士じゃないと難しいと思う」
「なら、このままか」
「このままだな」
ユウキはハヤテの首輪を見ながら考える。
どんな格好をしようが首輪に耳と尻尾という組み合わせでバレないわけが無い。
(教会の女性の服装って、頭から被るフード付きのだったりしないだろうか)
とにかく、まずは服を二着手に入れようとユウキはハヤテを見て結論を出す。
「ん?何?さ、逃げよう!ユウキ」
「あ、ああ。そうだね」
トランクスの前を締めるのを教えていないため、前に屈まれると茂みがチラチラと見え、胸のチェリーが薄く主張しているのはやはり目の毒である。
その胸の谷間を隠すように差し出された手よりもその奥に手を差し出したくなる。
(早く、とにかく早急に服を調達しよう。能力関係なく我慢出来なくなりそうだ)
ユウキはついつい鎖に伸びかけた手をハヤテの手に向かわせ掴むと檻を抜け出した。
脱走劇は比較的簡単に進む。
何やら騒ぎがあったようで牢屋の衛兵が二人ともどこかに走って行ったのだ。
二人は周りを警戒しながら地下を抜け出す。
地下の上はすぐに地上と言うわけではなく、ここはどうやら建物の中にある施設の一部であったらしい。
近くに見えた階段の下にあるスペースに二人で移動し隠れる。
ぴくぴくっ
「大丈夫、足音はない」
ユウキも確認の為に階段の下から出ると慎重に通路や上の階へ続く先を覗き見る。
「大丈夫」
ぴくぴくっ、ハヤテの耳が音を聞き漏らさないよう動いている。
「うん、上の階も今は人が歩いていないみたいだな。どうする?」
「人がいないうちに一階を見ておきたい。食べ物とかも一階にあるはず」
「そうだな。なら、人の居なさそうな所に入ってみよう。万が一にも居た時の為にけい警戒しながらな」
「な、なんだ。そんなに見つめて……」
座り方は犬座りはしないで欲しい。
ヤンキー座りと言えばそのように見えなくもないが……いや、やっぱり犬座りか。股を大胆に左右に開いている姿にユウキはうっとなる。
『そこ』に入れる為にハヤテはわざと開いているのではなかろうかとすら思えてくるのだ。
(見るな……落ち着け……今はそんな時じゃない。ティナだってフレ……心配しているはずだ)
フレミアもといいかけて、あいつが心配するか?と思い直す。
(……何も問題起こして無ければ良いけど)
フレミアの顔を思い出して感情が抑制されたのだけは有難かった。
ハヤテの耳を頼りに誰もいない一階の部屋にある一室に入り込む。
「ここは……衛兵の部屋か?」
「わからないけど囚人の服もある」
女性用とか男性用とかの区別は無さそうな麻の袋に穴を開けただけの服である。
「……これ着」
「イヤだっ」
ツンっとした顔でその服から顔を背ける。
「この服でいい。なんか苦しいけど触り心地とかがいい」
「そりゃそうだけど」
触った感触はザラザラというかチクチクというか着る人の事を考えてない着せてあるだけという服なのである。
「なら、こっちの衛兵の服は?」
何故、衛兵の服と囚人の服が同じ部屋にあるのかわからないが、それを勧めてみる。
「……そんなに閉じ込めてた連中の服を着せたい?」
「いや、その服だと逆に目立つからさ……」
物凄い嫌そうな顔をしている。
ここは男性物だけで、残念ながら女性用の服は無いらしい。
「わかったよ。なら、オレが衛兵の服を着るよ」
「……いいのか?」
わかりやすい。
尻尾が左右にパタパタと動く。
「その代わり、街に出たら服を買ってあげるからそれは返してよ?」
「……えっ!?」
「いや、そんな顔をされても……」
元の世界に戻れる事になってもユウキはこの世界にいることを選択するだろう。仮に戻されたとしても高校生であるかは、何年後に帰れるのかも分からないのだから、どうせ退学になっているだろうからいいと言えばいいのだが……ユウキも服の着心地は前の世界の物がいいのだ。
後は部屋にあるジャージと部活着だが、寝巻きに使ってはいるが私服としては目立つので今の所外で着るつもりは無いのである。
ユウキは制服なら紺色だし、上下青色のジャージに比べれば目立たないしと思っているのだが、街の人に聞き込みをすれば、即ユウキにたどり着くぐらい目立っていたのだが本人は気づいていなかった。
珍しい服などからある程度の身分の貴族かと初見の人々には思われていたのだが……。
「おおっ!!」
ハヤテの声にユウキは着替えた彼女を見る。
男装した不良娘がそこには居た。
ズボンから出されたワイシャツ。ブレザーは前で閉まらないが乳首が見えない程度に役に立っている。
そして首元には首輪に途中で切れたチェーンがアクセサリーのようになっている。
「……気に入った」
小声でボソリと聞こえるが必ず後で返せよとは言わないでおく。
ユウキも自分にあったサイズを見つけると着替える。
一般的な教会の服なのだろう。
白を基調とした服を中に着た後にフード付きの羽織をまとう。
「ユウキ……微妙」
「いいんだよ。逃げ出すまでの間の服なんだから」
さて、逃げるとしよう。
二人は目を見合わせ頷き合う。
ここに連れて来られてから初めて目覚めのいい朝を迎えられた気がハヤテはした。
「くんっ……」
けれど腰に少し力を入れた瞬間にビクッと身体の中に入っていた物を刺激してしまったらしくムクっと立ち上がるその気配に慌てて腰をあげる。
「か、快楽に流されては今はダメだ。始めると警備兵が来る時間になってしまう」
銀の皿に置かれた水しかない為、身体を拭えない状況は少し困るが仕方がない。
(獣化すれば多少は……に、匂いはより強く感じちゃうけど、我慢するのだ私!)
姿を変えようとした時、ハヤテにこえがかけられる。
「ハヤテ?」
ユウキが目覚めたらしい。
声に身体が反応し、振り向くと自然とユウキの前に座って顔を近づけていた。
「お、おはよう!」
「お、おはよう!ハヤテ」
挨拶の声に驚いたのではなく、ユウキは目の前に開かれた滴り落ちる部分がハヤテの顔の奥にバッチリとパックリと開かれているのに反応してしまう。
「い、今はダメだ。後、数刻で警備兵が来る。その前に……」
「あ、そうか。着替えないとな」
「そ、それもだが、逃げ出す!呪いが発動するまで……せめてその時まで私と一緒にいて欲しい」
ユウキはなんと答えようか迷う。
その迷いをハヤテは勘違いする。いや、あながち間違いではないのだが。
「別に外に気になる女がいても私は構わない。せめて私が生きているうちは『私も』愛して欲しい」
ユウキは迷う。
既に答えは一つなのだが、それを口にする事できっと、この街ではトラブルはないかもしれないが、今一番の問題であるレイランとの関係についてまた波乱がありそうな気がする。
けれど、ここで力を借りないと衛兵に殺されるとも限らない。
ティナ達が助けに来てくれる可能性もゼロではないが、それは難しいだろう。
ならば自力でと言いたいが、この後一番に問題になる能力に特化しているユウキは牢を壊すほどの攻撃力はない。
力を借りないといけないけど、出た後は『生きているうちは』愛さないといけないらしい。
ハヤテを見ると顔を赤くしながら尻尾を左右に振りながら期待を込めた瞳でこちらを見ている。
今日死ぬかもしれない危機的状況、二人きりの牢屋、既にしてしまった行為により、ハヤテはこれは運命の出会いくらいに思い込んでいるに違いない。
「ああ、最後に愛しい人のために全力を尽くす。今日はやけに身体が軽い。はっ!愛のために、誰かを守る為に振るう力にこそ限界を……」
ユウキが躊躇していると、どうやらというか、やっぱりと言うべきか、悲劇のヒロイン的なというより、むしろ主人公的な感じに盛り上がっていた。
「私がユウキを助け出して見せるからな!」
(なんかどんどん、言い出しにくい状況になっている)
とにかく、生きて逃げ出せるかの保障がない為、成功してから呪いの解除の件は話をしよう。
ユウキは脱ぎ散らかしていた服を着る。
ふと、視線に気づきユウキはハヤテを見る。
「ああ、そうか!オオカミの状態で繋がれてたから服が無いのか」
「この檻を壊す時は獣化しなければならないけど、その後は人の姿の方が人目につかないだろうからな」
ユウキはシャツと下着を渡す。
試しに着てみたハヤテはなかなかおりないシャツに苦戦していた。
「む、胸が苦しい……」
逆に目立つ。
白いシャツに浮き上がる二つの丘の上のチェリーに入りきらない下乳。
それにトランクスの組み合わせ。
だからと言ってワイシャツにトランクスの組み合わせはどうなのだろう。
(途中で服を手に入れる必要がある)
「今ならこの鎖も壊せる気がする」
そう言うとハヤテは服を脱ぐと獣化する。
「あぐっ!」
ジャリンッ!
思い切り引っ張った為、首が締まったようだが、無理矢理にハヤテはチェーンを壊し、その勢いのまま檻にぶつかり鉄格子をひん曲げる。
人の姿にまたハヤテは戻るとVと指をチョキチョキと左右に動かすが、思っていた以上に振動と音がした為、早く逃げた方がいいだろう。
「さ、行こう!ユウキ」
「首輪と鎖の一部は着いたままなんだ」
「この首輪は特殊な金属で出来てるみたいなんだ。オオカミになっても広がるだけで壊れない。さすが、教会だよ。対獣人用の捕獲のためにオリハルコンの鎖を用意しているなんて。鎖は普通の鉄だからよかったけど……この首輪は余程の鍛冶の能力があるか、切断できる腕の剣士じゃないと難しいと思う」
「なら、このままか」
「このままだな」
ユウキはハヤテの首輪を見ながら考える。
どんな格好をしようが首輪に耳と尻尾という組み合わせでバレないわけが無い。
(教会の女性の服装って、頭から被るフード付きのだったりしないだろうか)
とにかく、まずは服を二着手に入れようとユウキはハヤテを見て結論を出す。
「ん?何?さ、逃げよう!ユウキ」
「あ、ああ。そうだね」
トランクスの前を締めるのを教えていないため、前に屈まれると茂みがチラチラと見え、胸のチェリーが薄く主張しているのはやはり目の毒である。
その胸の谷間を隠すように差し出された手よりもその奥に手を差し出したくなる。
(早く、とにかく早急に服を調達しよう。能力関係なく我慢出来なくなりそうだ)
ユウキはついつい鎖に伸びかけた手をハヤテの手に向かわせ掴むと檻を抜け出した。
脱走劇は比較的簡単に進む。
何やら騒ぎがあったようで牢屋の衛兵が二人ともどこかに走って行ったのだ。
二人は周りを警戒しながら地下を抜け出す。
地下の上はすぐに地上と言うわけではなく、ここはどうやら建物の中にある施設の一部であったらしい。
近くに見えた階段の下にあるスペースに二人で移動し隠れる。
ぴくぴくっ
「大丈夫、足音はない」
ユウキも確認の為に階段の下から出ると慎重に通路や上の階へ続く先を覗き見る。
「大丈夫」
ぴくぴくっ、ハヤテの耳が音を聞き漏らさないよう動いている。
「うん、上の階も今は人が歩いていないみたいだな。どうする?」
「人がいないうちに一階を見ておきたい。食べ物とかも一階にあるはず」
「そうだな。なら、人の居なさそうな所に入ってみよう。万が一にも居た時の為にけい警戒しながらな」
「な、なんだ。そんなに見つめて……」
座り方は犬座りはしないで欲しい。
ヤンキー座りと言えばそのように見えなくもないが……いや、やっぱり犬座りか。股を大胆に左右に開いている姿にユウキはうっとなる。
『そこ』に入れる為にハヤテはわざと開いているのではなかろうかとすら思えてくるのだ。
(見るな……落ち着け……今はそんな時じゃない。ティナだってフレ……心配しているはずだ)
フレミアもといいかけて、あいつが心配するか?と思い直す。
(……何も問題起こして無ければ良いけど)
フレミアの顔を思い出して感情が抑制されたのだけは有難かった。
ハヤテの耳を頼りに誰もいない一階の部屋にある一室に入り込む。
「ここは……衛兵の部屋か?」
「わからないけど囚人の服もある」
女性用とか男性用とかの区別は無さそうな麻の袋に穴を開けただけの服である。
「……これ着」
「イヤだっ」
ツンっとした顔でその服から顔を背ける。
「この服でいい。なんか苦しいけど触り心地とかがいい」
「そりゃそうだけど」
触った感触はザラザラというかチクチクというか着る人の事を考えてない着せてあるだけという服なのである。
「なら、こっちの衛兵の服は?」
何故、衛兵の服と囚人の服が同じ部屋にあるのかわからないが、それを勧めてみる。
「……そんなに閉じ込めてた連中の服を着せたい?」
「いや、その服だと逆に目立つからさ……」
物凄い嫌そうな顔をしている。
ここは男性物だけで、残念ながら女性用の服は無いらしい。
「わかったよ。なら、オレが衛兵の服を着るよ」
「……いいのか?」
わかりやすい。
尻尾が左右にパタパタと動く。
「その代わり、街に出たら服を買ってあげるからそれは返してよ?」
「……えっ!?」
「いや、そんな顔をされても……」
元の世界に戻れる事になってもユウキはこの世界にいることを選択するだろう。仮に戻されたとしても高校生であるかは、何年後に帰れるのかも分からないのだから、どうせ退学になっているだろうからいいと言えばいいのだが……ユウキも服の着心地は前の世界の物がいいのだ。
後は部屋にあるジャージと部活着だが、寝巻きに使ってはいるが私服としては目立つので今の所外で着るつもりは無いのである。
ユウキは制服なら紺色だし、上下青色のジャージに比べれば目立たないしと思っているのだが、街の人に聞き込みをすれば、即ユウキにたどり着くぐらい目立っていたのだが本人は気づいていなかった。
珍しい服などからある程度の身分の貴族かと初見の人々には思われていたのだが……。
「おおっ!!」
ハヤテの声にユウキは着替えた彼女を見る。
男装した不良娘がそこには居た。
ズボンから出されたワイシャツ。ブレザーは前で閉まらないが乳首が見えない程度に役に立っている。
そして首元には首輪に途中で切れたチェーンがアクセサリーのようになっている。
「……気に入った」
小声でボソリと聞こえるが必ず後で返せよとは言わないでおく。
ユウキも自分にあったサイズを見つけると着替える。
一般的な教会の服なのだろう。
白を基調とした服を中に着た後にフード付きの羽織をまとう。
「ユウキ……微妙」
「いいんだよ。逃げ出すまでの間の服なんだから」
さて、逃げるとしよう。
二人は目を見合わせ頷き合う。
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