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ワールドエンド邂逅編
不良と天然とワールドエンド①
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レイゼルの言う通り、朝飯を食べてコーヒーを飲む頃には、身体はずいぶん楽になっていた。
昨夜塩をかけておいたメザシは脂がのってやわらかくうまかったし、甘めの卵焼きはふわふわの完璧な出来で、レイゼルはやはり納豆に砂糖をかけていた。信じられない。ちなみに志恩は圧倒的葱派だ。
「お前ほんと、納豆に砂糖なんてどこで知ったんだ。そんな食べ方」
「シオンもやればいいのに。おいしいよ」
「絶対やだ」
納豆を食べ、魚の骨を箸で器用に取り、流暢すぎる日本語を使うから忘れがちだが、レイゼルの外見は完全な外国人だ。
名字が片桐を名乗っている以上、ハーフなのかもしれないが。いやしかし、ワールドエンドのハーフとかもうわけがわからないな。そもそも日本人とかそういうカテゴリなんだろうか、こいつは。
うーんと唸る志恩を不思議そうに見て、両手でマグカップのオレンジジュースをこくこくと飲みながら、レイゼルはかわいらしく小首を傾げた。
「ねえ、シオン」
「うん?」
「ゆっくりしてるけど、学校遅れちゃうよ?」
「あっ!?」
急いで食器を食洗器に押し込み、ソファに投げてあった学ランを拾う。
袖を通しながらカバンをつかむという芸当を成し遂げ、至恩が玄関に向かうと、後ろをちょこちょことレイゼルがついてきていた。
「……今日は占いとかいらないから」
「えええー」
「えーじゃない。ろくなこと言わないし、当たるし、黙ってて。ほんと」
「ええー。仕方ないなあ、シオンは」
「……なにがだよ」
ため息をついて、はきつぶしたスニーカーのかかとを引き上げる。
そろそろ靴も買わねばと思うが、それよりも先にするべきことがある。
ちらりと後ろをみると、レイゼルもかわいい赤い靴に手を伸ばしていた。
「下までお見送りしてあげよう」
「いや、いらないんだけど……」
水玉のワンピースを揺らして、レイゼルが面白そうに至恩を見上げる。
「あっ、約束忘れないでね?」
「はいはい、忘れてないよ。お前こそ、大人しく留守番してろよ」
ダメといって聞く性格でもなし、やれやれと首を振ると至恩は戸締りはしっかりしろよと言って、玄関のドアを開けた。
生まれたときから見慣れているアイボリーの廊下の壁が目の前に広がる。一歩踏み出す。次の瞬間、
「しおちゃんだ!」
「うおっ!?」
不意打ちでちいさな衝撃が足に転がってきて、一瞬よろけたあと、至恩はそのかたまりを反射的に抱き上げた。
「びっくりしたじゃん千影!」
「へへー」
にこーと笑う、レイゼルよりもう一回りか二回りちいさい男の子。
濃いブルーの瞳がふにゃふにゃに緩んでいて、至恩はこらと怒りかけた口を、結局は閉じて、その色素の薄い髪の毛をやさしくなでてやった。
まだまだぶかぶかな紺色のシャツは、近くの保育園の制服だ。
チェックの半ズボンから細い足をぶらぶらとさせて千影が至恩に手を伸ばす。
イキのいい魚のようにじたばたする子供を逃がさないよう抱きなおしながら、これから登園なのかな、と考えていると、
「こら、千影! 先に行くなって何回も言っただろ。まだ帽子かぶってないんだか――ら?」
「千歳」
「おとーさん!」
黄色い帽子を握りしめて、隣の部屋のドアから顔を出したスーツの男を見て、ふたりともが別々の名前を呼ぶ。
子供用の帽子とカバンを両手にひっつかんでドアから飛び出した男は、千影と同じ髪の色をしていた。目を丸くして口を開く。
「志恩か?」
「うん。千歳は今から保育園?」
「ああ。でも珍しいな、朝、お前と会うのは。ほら、千影、おはようしなさい」
「しおちゃんおはよー!」
「はい、おはよう。えらいなぁ、千影は」
「おとーさんもおはようしなきゃダメだよ?」
「わかったわかった。おはよう、志恩。今日は顔色良さそうだな」
「おかげさまでね」
保健室の一件を思い出し、志恩が頷くと、千歳は目尻だけで微笑んだ。
志恩にしがみつく千影の頭に帽子をかぶせてやりながら、言った。
「千影、もう保育園の時間だぞ。おいで」
「いかないー。おれ、しおちゃんとあそぶ。しおちゃんあそぼ?」
「うーん、でも俺、学校があるんだよー。千影」
「しおちゃん、おれとがっこどっちがだいじ?」
「……どこで覚えてくるんだ、そういう事を……」
我が子の成長におののく父親の呟きを聞き流しながら、志恩は千影の頬に触れた。
ぷくぷくとふくれた餅のようなほっぺたを、むにと軽くつまんで、困ったように笑った。
「そりゃ千影の方が大事だよ。でも、千歳だって学校に行くんだよ。俺も勉強しにいかなきゃ」
「じゃあ、チカもべんきょーする! がっこいく!」
「いい加減にしなさい、千影。あんまり志恩を困らせるんじゃない」
「……うー」
「千影はあと三つお兄ちゃんになったら俺と一緒に学校に行こう?」
「しおちゃんのばか!」
ううう、と鼻をぐすぐすさせる子供の髪をすいたあと、脇を抱いて千歳に渡す。
子供は宙ぶらりんのまま不服そうに下を向いて、それからきょとんと首をかしげた。
「……おかーさん?」
その言葉に、志恩の背後へ視線が集まった。振り返る。水玉のワンピースの裾が揺れた。
「おかー……? シオン、そちらは誰?」
「えっ、そうか、言ってなかったっけ。うちのお隣さんだよ。千歳と千影。この子が千影で、千歳は俺の担任なんだけど」
「志恩、その子は?」
「あ、こいつは、今うちに遊びに来てる母さんの遠縁で……」
「片桐レイゼルです。うちのシオンがいつもお世話になってます」
「いつ俺がお前のになったんだよ」
「……片桐?」
つっこむ志恩を無視して、百点満点の笑顔でスカートの裾をあげ、おじぎをするレイゼル。
そのレイゼルをじっと見たあと、千歳が怪訝そうに聞き返す。眉をひそめて、千影を床に下ろした。千歳の足に隠れる千影。
「千歳?」
「いや、古い知り合いに似てただけだ。えーと、レイゼルちゃんか。日本語が上手だね。ぜひ、ゆっくりしていってくれ。志恩に親戚がいるとは知らなかったが、……親御さんは?」
「オヤゴサン?」
「ええと、そうだな。あとでご挨拶したいんだが、レイゼルちゃんのマザーか、ファザーは一緒かい?」
「ママは死んで、パパは行方不明です」
「えっ」
思わず志恩を見る千歳。ついでに足から顔を出した千影も、よくわからずに志恩を見た。
二つの視線をうけて、うんざりした顔で志恩が下を向くと、悪戯っぽくレイゼルが笑った。
「ジョークですよ。今は、サマーバケーションでシオンのおうちにホームステイしているんです」
「あ、いやそうか、びっくりした。そうか……一人で日本にくるなんてレイゼルちゃんはしっかりしてるな」
「ありがとうございます。ええと……」
外面百パーセントのレイゼルに、舌を出す志恩。
きちんと日本語ができるくせに、単語をまぜこんでわずかにカタコトのイントネーションで話しているのに腹が立つ。外人タレントかお前は。
「その子がチカゲで」
志恩の舌打ちに、ふふんと鼻を鳴らし、レイゼルは視線をあげた。
父の足の間でもじもじする子供に優しく目を細め、そして、赤い瞳をゆっくりと持ち上げた
「はじめまして。あなたが……貴方が、チトセ。チトセツキモリなんだね」
「……ん?」
なにかがひっかかったように、不思議そうな顔をして千歳が口を開く。言いかけた言葉を塞ぐように、レイゼルは完璧に微笑んだ。
「チトセ、シオン。二人とも学校に行かないと、遅刻しても知らないよ?」
/*/
見事な夏晴れの陽気だった。
青々とした空の高さが、なまぬるい空気が、肌に刺すような太陽の熱が、梅雨の終わりを知らせていた。
とはいえ、屋上のタンクの影にいる志恩にそんなことは関係ない。
もしゃもしゃと昼飯のパンを食べ──あんぱんの袋をかじりながら、ため息をついた。一向に噛みきれず、ビニールの端が歯ぐきにチクチク刺さるが、それすらも気にならないでいた。
「……志恩、コラ聞いてんのか。耳の穴開いてんのか、オイ、志恩」
心ここに在らずもいいところの志恩に業を煮やし、コウがあんぱんを袋ごと口から引っこ抜く。パンを志恩に投げて、どっかりとあぐらをかいた。
「うわっ、コウちゃんいつからいたの!」
「ずっと居ただろうがよ……」
やっと現実に帰ってきた志恩が、べたべたの袋をつまんで眉をしかめる。
袋を噛んでいたことも知らなかった。
指先で嫌そうにパンの袋を開ける志恩を、頬杖をついて眺めて、コウは言った。
「どうした、志恩。お前、またなんか巻き込まれてんのか?」
「いやそんな、いつも悩んでるわけじゃないんだけど……だけど…………うん、巻き込まれてるかも」
「喧嘩か? それとも嫌がらせか? 果たし状か?」
「全然違うから安心して。でも、そうだな……喧嘩か……」
志恩の悩みは、喧嘩に近いかもしれない。喧嘩よりずっと物騒で、0か1の生死がかかっているけれど。
ようやく見上げることができた空は、ひたすらに青く、赤黒くはない。そのことに安堵しつつ、志恩は言った。
「コウちゃんは、なんで喧嘩するわけ?」
「はあ?」
牛乳パックにストローを刺しながら、変な顔をするコウ。とはいえ、あんぱんをかじる志恩の横顔に焦燥の色をみつけて、神妙に口を開いた。
「そりゃあ、売られたら買うが、むやみに喧嘩ふっかけたりはしねェぜ。俺は」
「でも、喧嘩はするんでしょ?」
「まあな。売られた喧嘩を買わねーのは、俺の礼儀に反する」
「礼儀?」
「俺は負けたことがねェ。つまり、俺に喧嘩を売るのは、俺より弱いやつらだ。そんな奴らが根性出して俺にかかってくるんだ。胸を貸さねーのは、強ェやつのすることじゃねェだろ」
胸を張るコウの言葉を聞きながら、口元に指を当てて、志恩は目を細めた。
自分は決して強者とは言えないから、弱者の側だろう。けれど、誰かと積極的に戦いたいとは思わない。
相手が強ければ強いほど、戦いたくはないと思う。
目を閉じる。
ふと、子供の頃、乱暴な子が怖くて、保育園の木の影に隠れて本を読んでいたことを思い出した。あの頃から、何も変わっていないんじゃないか。
気づけば、パンが手の中でぐしゃぐしゃに潰れ、餡が袋の中にこぼれていた。
「勝つのが、強いってこと?」
「あん?」
「俺は、痛いのも怪我するのも、怪我させるのも嫌だ。できるだけ戦いたくないと思うのは、間違ってるのかな」
左手を、天に伸ばす。
学ランの袖からでた手首は、血管が浮き上がって、血が流れ、その先に見慣れた指がある。けして、銃などではない。
けれど、指先には、いまも引き金の感触がありありと思い出せる。
相手は化け物で――化け物で、至恩の命を狙ってきて、必死で、正当防衛だった。
それなのにどうして、こんなにも割り切れないのだろう。
死にたくはないけれど、誰かを傷つけるのは、何かを傷つけるのは、苦手だ。戦うのも、嫌いだ。
自分に正義があれば、こんなに迷わなかったんだろうかと思う。
もしくは、コウのように強かったら――。
「別にいいじゃねーか」
「え?」
「戦いたくないなら、それでいいだろ。誰も彼も殴り倒すのが強さじゃねえ。戦わねーのも、強さだろ」
「……そうなの?」
「どいつもこいつも戦ってばっかだったら、どうなるよ。色んな奴がいるから、世の中ってのは回ってくんだ」
まあでも、お前は優しすぎるのが玉にキズだから、そこはなおしとけよ。
と、牛乳のストローをくわえながら、コウがにやっと笑う。
そうかなあと首をかしげて、至恩はこぼれた餡を口に含んだ。歯にしみるほどの甘さが、濁った思考をすこしだけ溶かしていく。
「……もし」
「うん?」
「もしも俺が、……いや、コウちゃん。仮面ジョーカーって覚えてる? 小学校のとき、日曜の朝にやってた変身するやつ」
「あったりまえだろォ。俺の心のヒーローだぞ、ジョーカーは。表では不良、実はアンダーグラウンドのボスでヒーローってのがまず新しかったよな。闇金で改造したバイクとかマジかっけーし、学ランで崖を反復横跳びする姿なんか最高だっただろ。捨て台詞もしねーで颯爽と去るエンディングなんてしびれるっつーか、やっぱ男は背中だわ! そんでよー特に歌が熱いってか、」
「あっ、ごめん。その話長い?」
コウの腰丈が短くてズボンの裾の長い学ランは、その主人公の服装そのものだ。
志恩としては、その相棒になるライバルの正義の味方が好きだったが。ダークヒーローではなく、真っ当に、自分の身も顧みず他人を助ける姿が眩しかった。
話の腰を真っ二つに折られたコウが、振り上げた拳の行方を捜して、志恩を見る。
眉をしかめてにらんでくるコウにちょっとだけ笑って、志恩は口を開いた。
「ごめん。ほんとごめんってば、ガムあげるから許して。……実は、俺でも、たまには戦うことがあるんだよ。でも、それが誰かのためでも、正義のためでもなく、自分のためだけだとしたら」
人間が生きるために、何かを殺すのは自然の摂理だ。
何かを殺さなければ生きてはいけない。草木も、動物も、分け隔てなく。
それが当然であり、摂理でもある。
けれど、けれど、けれど────。
「ただ、自分が生きのびるため、それだけの理由で倒すのが、許せなくて」
気づけば、握りしめすぎた手のひらから、食い込んだ爪から、じわりと血が滲んでいた。
くしゃり、と紙を潰す音がする。
渡したミントのガムをつまらなそうに奥歯で噛みながら、コウがため息をつく。
「志恩」
茶色の瞳が鋭く窄む。静かに、コウが口を開いた。
「俺は、正義の味方ってやつが大嫌いだ」
反吐が出るほどにな、と。
吐き捨てるようにつぶやくコウ。その研ぎ澄まされた刃先のような、肉に噛み付く獣のようなコウの横顔に、志恩は身じろいだ。
コウと知り合って十年だが、こんな一面は知らなかった。
「テメェを犠牲にして他人を助けてなんになる。一番は自分だろ。美徳だか正義だかなんだか知らねーが、俺は、嫌いだ。自分を捨てて赤の他人を助けるなんざ」
チッと舌打ちをして、拳を叩く。視線をあげて、コウは唸った。
「──自己犠牲の皮を被った自殺だ」
茶色の瞳が、ゆっくりと動いて志恩を見る。
どれだけドス声ですごまれても、コウを怖いなんて一度も思ったことがなかったのに、反射的に背筋が震えた。
暑くもないのに流れた汗が、首筋から肩甲骨の境に落ちていく。
「だから、志恩」
蛇に睨まれた蛙のように固まる志恩に、ふっと口元を緩ませて、コウはその肩を掴んだ。
「お前は正しい。生き汚く生きることを、自分に許せ。それでいいんだ。生きたいと思うことが、生物の正義だ」
コウらしからぬ粛然とした語気に気圧されて、真剣に志恩が頷くと、コウは満足そうに志恩の背中を荒く叩いた。
バンバンと叩かれて、一応、難しい顔をつくる。励ましてくれていることはわかっている。痛いよ、と言いながらも、ひねくれた自分にはないストレートな表現に、志恩は照れたように下を向いた。
「あの、なんていうか、ありがとう。ありがとう……コウちゃんって何気にデキヤンだよね」
「なんだ、デキヤンって」
「デキるヤンキー?」
「バカにしてんのかお前」
こっちはマジの話してんのに、と不機嫌そうにガムを膨らませるコウ。
そして、不意に志恩の手を掴み、拳を作れとジェスチャーする。
何だろうと首をひねる志恩に、一つ咳をして、コウは声のトーンを低く落とした。
「あのな、志恩」
「うん」
よくわからないが拳を握ると、それでいいと頷いて、コウは言った。
「お前が何に巻き込まれてるかは知らねーが、これだけは覚えとけ。お前は俺のマブダチだ。志恩。……友達だ。だから、困ったことがあったら、俺を呼べ。お前の敵は俺の敵なんだからな」
ごつん、と拳同士がぶつかる。
約束だ、と拳をぶつけて輝くように笑ったコウに、志恩は目を細める。
コウは、夏空に似ている。晴れ渡った初夏のような、胸がすくような清々しさが、眩しいと思う。そして、
「……コウちゃん」
「なんだよ」
それから、はっと思い出したようにきつく表情を変えた。
「……今日の放課後、暇?」
コウの拳を力強くしっかりと握りしめて、志恩は言った。
昨夜塩をかけておいたメザシは脂がのってやわらかくうまかったし、甘めの卵焼きはふわふわの完璧な出来で、レイゼルはやはり納豆に砂糖をかけていた。信じられない。ちなみに志恩は圧倒的葱派だ。
「お前ほんと、納豆に砂糖なんてどこで知ったんだ。そんな食べ方」
「シオンもやればいいのに。おいしいよ」
「絶対やだ」
納豆を食べ、魚の骨を箸で器用に取り、流暢すぎる日本語を使うから忘れがちだが、レイゼルの外見は完全な外国人だ。
名字が片桐を名乗っている以上、ハーフなのかもしれないが。いやしかし、ワールドエンドのハーフとかもうわけがわからないな。そもそも日本人とかそういうカテゴリなんだろうか、こいつは。
うーんと唸る志恩を不思議そうに見て、両手でマグカップのオレンジジュースをこくこくと飲みながら、レイゼルはかわいらしく小首を傾げた。
「ねえ、シオン」
「うん?」
「ゆっくりしてるけど、学校遅れちゃうよ?」
「あっ!?」
急いで食器を食洗器に押し込み、ソファに投げてあった学ランを拾う。
袖を通しながらカバンをつかむという芸当を成し遂げ、至恩が玄関に向かうと、後ろをちょこちょことレイゼルがついてきていた。
「……今日は占いとかいらないから」
「えええー」
「えーじゃない。ろくなこと言わないし、当たるし、黙ってて。ほんと」
「ええー。仕方ないなあ、シオンは」
「……なにがだよ」
ため息をついて、はきつぶしたスニーカーのかかとを引き上げる。
そろそろ靴も買わねばと思うが、それよりも先にするべきことがある。
ちらりと後ろをみると、レイゼルもかわいい赤い靴に手を伸ばしていた。
「下までお見送りしてあげよう」
「いや、いらないんだけど……」
水玉のワンピースを揺らして、レイゼルが面白そうに至恩を見上げる。
「あっ、約束忘れないでね?」
「はいはい、忘れてないよ。お前こそ、大人しく留守番してろよ」
ダメといって聞く性格でもなし、やれやれと首を振ると至恩は戸締りはしっかりしろよと言って、玄関のドアを開けた。
生まれたときから見慣れているアイボリーの廊下の壁が目の前に広がる。一歩踏み出す。次の瞬間、
「しおちゃんだ!」
「うおっ!?」
不意打ちでちいさな衝撃が足に転がってきて、一瞬よろけたあと、至恩はそのかたまりを反射的に抱き上げた。
「びっくりしたじゃん千影!」
「へへー」
にこーと笑う、レイゼルよりもう一回りか二回りちいさい男の子。
濃いブルーの瞳がふにゃふにゃに緩んでいて、至恩はこらと怒りかけた口を、結局は閉じて、その色素の薄い髪の毛をやさしくなでてやった。
まだまだぶかぶかな紺色のシャツは、近くの保育園の制服だ。
チェックの半ズボンから細い足をぶらぶらとさせて千影が至恩に手を伸ばす。
イキのいい魚のようにじたばたする子供を逃がさないよう抱きなおしながら、これから登園なのかな、と考えていると、
「こら、千影! 先に行くなって何回も言っただろ。まだ帽子かぶってないんだか――ら?」
「千歳」
「おとーさん!」
黄色い帽子を握りしめて、隣の部屋のドアから顔を出したスーツの男を見て、ふたりともが別々の名前を呼ぶ。
子供用の帽子とカバンを両手にひっつかんでドアから飛び出した男は、千影と同じ髪の色をしていた。目を丸くして口を開く。
「志恩か?」
「うん。千歳は今から保育園?」
「ああ。でも珍しいな、朝、お前と会うのは。ほら、千影、おはようしなさい」
「しおちゃんおはよー!」
「はい、おはよう。えらいなぁ、千影は」
「おとーさんもおはようしなきゃダメだよ?」
「わかったわかった。おはよう、志恩。今日は顔色良さそうだな」
「おかげさまでね」
保健室の一件を思い出し、志恩が頷くと、千歳は目尻だけで微笑んだ。
志恩にしがみつく千影の頭に帽子をかぶせてやりながら、言った。
「千影、もう保育園の時間だぞ。おいで」
「いかないー。おれ、しおちゃんとあそぶ。しおちゃんあそぼ?」
「うーん、でも俺、学校があるんだよー。千影」
「しおちゃん、おれとがっこどっちがだいじ?」
「……どこで覚えてくるんだ、そういう事を……」
我が子の成長におののく父親の呟きを聞き流しながら、志恩は千影の頬に触れた。
ぷくぷくとふくれた餅のようなほっぺたを、むにと軽くつまんで、困ったように笑った。
「そりゃ千影の方が大事だよ。でも、千歳だって学校に行くんだよ。俺も勉強しにいかなきゃ」
「じゃあ、チカもべんきょーする! がっこいく!」
「いい加減にしなさい、千影。あんまり志恩を困らせるんじゃない」
「……うー」
「千影はあと三つお兄ちゃんになったら俺と一緒に学校に行こう?」
「しおちゃんのばか!」
ううう、と鼻をぐすぐすさせる子供の髪をすいたあと、脇を抱いて千歳に渡す。
子供は宙ぶらりんのまま不服そうに下を向いて、それからきょとんと首をかしげた。
「……おかーさん?」
その言葉に、志恩の背後へ視線が集まった。振り返る。水玉のワンピースの裾が揺れた。
「おかー……? シオン、そちらは誰?」
「えっ、そうか、言ってなかったっけ。うちのお隣さんだよ。千歳と千影。この子が千影で、千歳は俺の担任なんだけど」
「志恩、その子は?」
「あ、こいつは、今うちに遊びに来てる母さんの遠縁で……」
「片桐レイゼルです。うちのシオンがいつもお世話になってます」
「いつ俺がお前のになったんだよ」
「……片桐?」
つっこむ志恩を無視して、百点満点の笑顔でスカートの裾をあげ、おじぎをするレイゼル。
そのレイゼルをじっと見たあと、千歳が怪訝そうに聞き返す。眉をひそめて、千影を床に下ろした。千歳の足に隠れる千影。
「千歳?」
「いや、古い知り合いに似てただけだ。えーと、レイゼルちゃんか。日本語が上手だね。ぜひ、ゆっくりしていってくれ。志恩に親戚がいるとは知らなかったが、……親御さんは?」
「オヤゴサン?」
「ええと、そうだな。あとでご挨拶したいんだが、レイゼルちゃんのマザーか、ファザーは一緒かい?」
「ママは死んで、パパは行方不明です」
「えっ」
思わず志恩を見る千歳。ついでに足から顔を出した千影も、よくわからずに志恩を見た。
二つの視線をうけて、うんざりした顔で志恩が下を向くと、悪戯っぽくレイゼルが笑った。
「ジョークですよ。今は、サマーバケーションでシオンのおうちにホームステイしているんです」
「あ、いやそうか、びっくりした。そうか……一人で日本にくるなんてレイゼルちゃんはしっかりしてるな」
「ありがとうございます。ええと……」
外面百パーセントのレイゼルに、舌を出す志恩。
きちんと日本語ができるくせに、単語をまぜこんでわずかにカタコトのイントネーションで話しているのに腹が立つ。外人タレントかお前は。
「その子がチカゲで」
志恩の舌打ちに、ふふんと鼻を鳴らし、レイゼルは視線をあげた。
父の足の間でもじもじする子供に優しく目を細め、そして、赤い瞳をゆっくりと持ち上げた
「はじめまして。あなたが……貴方が、チトセ。チトセツキモリなんだね」
「……ん?」
なにかがひっかかったように、不思議そうな顔をして千歳が口を開く。言いかけた言葉を塞ぐように、レイゼルは完璧に微笑んだ。
「チトセ、シオン。二人とも学校に行かないと、遅刻しても知らないよ?」
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見事な夏晴れの陽気だった。
青々とした空の高さが、なまぬるい空気が、肌に刺すような太陽の熱が、梅雨の終わりを知らせていた。
とはいえ、屋上のタンクの影にいる志恩にそんなことは関係ない。
もしゃもしゃと昼飯のパンを食べ──あんぱんの袋をかじりながら、ため息をついた。一向に噛みきれず、ビニールの端が歯ぐきにチクチク刺さるが、それすらも気にならないでいた。
「……志恩、コラ聞いてんのか。耳の穴開いてんのか、オイ、志恩」
心ここに在らずもいいところの志恩に業を煮やし、コウがあんぱんを袋ごと口から引っこ抜く。パンを志恩に投げて、どっかりとあぐらをかいた。
「うわっ、コウちゃんいつからいたの!」
「ずっと居ただろうがよ……」
やっと現実に帰ってきた志恩が、べたべたの袋をつまんで眉をしかめる。
袋を噛んでいたことも知らなかった。
指先で嫌そうにパンの袋を開ける志恩を、頬杖をついて眺めて、コウは言った。
「どうした、志恩。お前、またなんか巻き込まれてんのか?」
「いやそんな、いつも悩んでるわけじゃないんだけど……だけど…………うん、巻き込まれてるかも」
「喧嘩か? それとも嫌がらせか? 果たし状か?」
「全然違うから安心して。でも、そうだな……喧嘩か……」
志恩の悩みは、喧嘩に近いかもしれない。喧嘩よりずっと物騒で、0か1の生死がかかっているけれど。
ようやく見上げることができた空は、ひたすらに青く、赤黒くはない。そのことに安堵しつつ、志恩は言った。
「コウちゃんは、なんで喧嘩するわけ?」
「はあ?」
牛乳パックにストローを刺しながら、変な顔をするコウ。とはいえ、あんぱんをかじる志恩の横顔に焦燥の色をみつけて、神妙に口を開いた。
「そりゃあ、売られたら買うが、むやみに喧嘩ふっかけたりはしねェぜ。俺は」
「でも、喧嘩はするんでしょ?」
「まあな。売られた喧嘩を買わねーのは、俺の礼儀に反する」
「礼儀?」
「俺は負けたことがねェ。つまり、俺に喧嘩を売るのは、俺より弱いやつらだ。そんな奴らが根性出して俺にかかってくるんだ。胸を貸さねーのは、強ェやつのすることじゃねェだろ」
胸を張るコウの言葉を聞きながら、口元に指を当てて、志恩は目を細めた。
自分は決して強者とは言えないから、弱者の側だろう。けれど、誰かと積極的に戦いたいとは思わない。
相手が強ければ強いほど、戦いたくはないと思う。
目を閉じる。
ふと、子供の頃、乱暴な子が怖くて、保育園の木の影に隠れて本を読んでいたことを思い出した。あの頃から、何も変わっていないんじゃないか。
気づけば、パンが手の中でぐしゃぐしゃに潰れ、餡が袋の中にこぼれていた。
「勝つのが、強いってこと?」
「あん?」
「俺は、痛いのも怪我するのも、怪我させるのも嫌だ。できるだけ戦いたくないと思うのは、間違ってるのかな」
左手を、天に伸ばす。
学ランの袖からでた手首は、血管が浮き上がって、血が流れ、その先に見慣れた指がある。けして、銃などではない。
けれど、指先には、いまも引き金の感触がありありと思い出せる。
相手は化け物で――化け物で、至恩の命を狙ってきて、必死で、正当防衛だった。
それなのにどうして、こんなにも割り切れないのだろう。
死にたくはないけれど、誰かを傷つけるのは、何かを傷つけるのは、苦手だ。戦うのも、嫌いだ。
自分に正義があれば、こんなに迷わなかったんだろうかと思う。
もしくは、コウのように強かったら――。
「別にいいじゃねーか」
「え?」
「戦いたくないなら、それでいいだろ。誰も彼も殴り倒すのが強さじゃねえ。戦わねーのも、強さだろ」
「……そうなの?」
「どいつもこいつも戦ってばっかだったら、どうなるよ。色んな奴がいるから、世の中ってのは回ってくんだ」
まあでも、お前は優しすぎるのが玉にキズだから、そこはなおしとけよ。
と、牛乳のストローをくわえながら、コウがにやっと笑う。
そうかなあと首をかしげて、至恩はこぼれた餡を口に含んだ。歯にしみるほどの甘さが、濁った思考をすこしだけ溶かしていく。
「……もし」
「うん?」
「もしも俺が、……いや、コウちゃん。仮面ジョーカーって覚えてる? 小学校のとき、日曜の朝にやってた変身するやつ」
「あったりまえだろォ。俺の心のヒーローだぞ、ジョーカーは。表では不良、実はアンダーグラウンドのボスでヒーローってのがまず新しかったよな。闇金で改造したバイクとかマジかっけーし、学ランで崖を反復横跳びする姿なんか最高だっただろ。捨て台詞もしねーで颯爽と去るエンディングなんてしびれるっつーか、やっぱ男は背中だわ! そんでよー特に歌が熱いってか、」
「あっ、ごめん。その話長い?」
コウの腰丈が短くてズボンの裾の長い学ランは、その主人公の服装そのものだ。
志恩としては、その相棒になるライバルの正義の味方が好きだったが。ダークヒーローではなく、真っ当に、自分の身も顧みず他人を助ける姿が眩しかった。
話の腰を真っ二つに折られたコウが、振り上げた拳の行方を捜して、志恩を見る。
眉をしかめてにらんでくるコウにちょっとだけ笑って、志恩は口を開いた。
「ごめん。ほんとごめんってば、ガムあげるから許して。……実は、俺でも、たまには戦うことがあるんだよ。でも、それが誰かのためでも、正義のためでもなく、自分のためだけだとしたら」
人間が生きるために、何かを殺すのは自然の摂理だ。
何かを殺さなければ生きてはいけない。草木も、動物も、分け隔てなく。
それが当然であり、摂理でもある。
けれど、けれど、けれど────。
「ただ、自分が生きのびるため、それだけの理由で倒すのが、許せなくて」
気づけば、握りしめすぎた手のひらから、食い込んだ爪から、じわりと血が滲んでいた。
くしゃり、と紙を潰す音がする。
渡したミントのガムをつまらなそうに奥歯で噛みながら、コウがため息をつく。
「志恩」
茶色の瞳が鋭く窄む。静かに、コウが口を開いた。
「俺は、正義の味方ってやつが大嫌いだ」
反吐が出るほどにな、と。
吐き捨てるようにつぶやくコウ。その研ぎ澄まされた刃先のような、肉に噛み付く獣のようなコウの横顔に、志恩は身じろいだ。
コウと知り合って十年だが、こんな一面は知らなかった。
「テメェを犠牲にして他人を助けてなんになる。一番は自分だろ。美徳だか正義だかなんだか知らねーが、俺は、嫌いだ。自分を捨てて赤の他人を助けるなんざ」
チッと舌打ちをして、拳を叩く。視線をあげて、コウは唸った。
「──自己犠牲の皮を被った自殺だ」
茶色の瞳が、ゆっくりと動いて志恩を見る。
どれだけドス声ですごまれても、コウを怖いなんて一度も思ったことがなかったのに、反射的に背筋が震えた。
暑くもないのに流れた汗が、首筋から肩甲骨の境に落ちていく。
「だから、志恩」
蛇に睨まれた蛙のように固まる志恩に、ふっと口元を緩ませて、コウはその肩を掴んだ。
「お前は正しい。生き汚く生きることを、自分に許せ。それでいいんだ。生きたいと思うことが、生物の正義だ」
コウらしからぬ粛然とした語気に気圧されて、真剣に志恩が頷くと、コウは満足そうに志恩の背中を荒く叩いた。
バンバンと叩かれて、一応、難しい顔をつくる。励ましてくれていることはわかっている。痛いよ、と言いながらも、ひねくれた自分にはないストレートな表現に、志恩は照れたように下を向いた。
「あの、なんていうか、ありがとう。ありがとう……コウちゃんって何気にデキヤンだよね」
「なんだ、デキヤンって」
「デキるヤンキー?」
「バカにしてんのかお前」
こっちはマジの話してんのに、と不機嫌そうにガムを膨らませるコウ。
そして、不意に志恩の手を掴み、拳を作れとジェスチャーする。
何だろうと首をひねる志恩に、一つ咳をして、コウは声のトーンを低く落とした。
「あのな、志恩」
「うん」
よくわからないが拳を握ると、それでいいと頷いて、コウは言った。
「お前が何に巻き込まれてるかは知らねーが、これだけは覚えとけ。お前は俺のマブダチだ。志恩。……友達だ。だから、困ったことがあったら、俺を呼べ。お前の敵は俺の敵なんだからな」
ごつん、と拳同士がぶつかる。
約束だ、と拳をぶつけて輝くように笑ったコウに、志恩は目を細める。
コウは、夏空に似ている。晴れ渡った初夏のような、胸がすくような清々しさが、眩しいと思う。そして、
「……コウちゃん」
「なんだよ」
それから、はっと思い出したようにきつく表情を変えた。
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コウの拳を力強くしっかりと握りしめて、志恩は言った。
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