ハイドランジアの花束

ashiro

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生まれた意味

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今日は2月22日。ユキの17歳の誕生日。

プレゼントは用意した。今日は、一緒に帰って美味しいものをいっぱい食べようと約束していた。仕事終わり、二人して真夜中のコンビニでピザ、お寿司、ケーキ……、食べたいものを好きなだけ買う。


「こんな贅沢するの初めてだな」

「俺もお小遣いとか無かったし……、もう楽しい笑」


寒いね、と身を寄せ合いながら歩く。夜中の三時だから人通りは無い。ユキが自分の手を握り、ダウンのポケットに入れる。


「ユキ……、誕生日おめでとう」

「ありがと、今のタイミングで言うんだ笑」

「なんか、早く言いたくて笑
生まれてきてくれて、生きててくれて、ありがと」

「うん。誕生日お祝いされたの、初めてだよ」

「そっか。初めてお祝いできて嬉しい」

「僕も、おめでとうって言われるだけで、こんなに嬉しいものなんだなって思った」

「もっともっと嬉しいこと、世の中にたくさんあるよきっと」

「そうだね」


ポケットの中でギュッと手を握りしめる。


「あったかい」

「うん」


なんだか緊張して、上手く喋れない。
まるでこれから初夜を迎えるカップルのようだ。

家に着き、買った食べ物を広げる。
ユキの目がキラキラとしていて、可愛い。子どもみたいだな。いや、まだ実際子どもだ。大人の世界に入らざるを得なかった、子ども扱いされなかった自分らにとって、そこは唯一の子ども部屋のようだった。


「じゃあ改めて、ユキ17歳おめでとう」

「ありがとう」

「ちょっと食べる前に、渡したいものがあるんだけど……」

「え、そんなのいいのに……」

「いいからー、ちょっとそっち向いてて」


ユキの背中から腕を回して、首にネックレスをかける。小さなリングがついたネックレス。
本当は指輪をあげたかったが、着けられないだろうし、これくらいなら許してほしい。


「……ネックレスだ」

「どうかな……?」


ちょっと重たかったかな。人にプレゼントをあげたことも貰ったこともないから、自信がない。
静かな沈黙のあと、ユキが振り返って抱きついてきた。泣いてる。


「リオ、ありがとう。大事にする」

「よかった……喜んでくれて。すごく似合ってる。ちなみにお揃いのもの俺も持ってるから……。指輪は大人になったら買う」

「や、僕が買う」

「じゃあお互い渡し合お笑」

「そうだね。本当にありがと、嬉しい。ずっと大事にする」


付き合うことを許されないから、こんな密かな約束しかできない。それでも、ユキとずっと一緒にいたいから、一つずつ繋ぎとめるものを、言葉を、増やしてしまう。

どうか、ユキだけは離れていかないでほしくて。
自分の我儘かもしれない。これからもっと素敵な人と出会ってしまうかもしれない。でも、今はこんな少しの繋がりでもいいから、ユキを繋ぎ止めてしまいたくなる。


「リオ、リオのも着けさせて」

「いいよ」

「はい、そっち向いてて~」


ユキのなめらかで華奢な手が首筋に当たって、ピクっとしてしまう。


「はいっ、リオも似合う。可愛い」

「ありがと」


ユキがふいに顔を近づけて、キスをしてきた。


「今日だけは特別。これもプレゼントだと思っていい……?」

「うん、特別」


再び唇を重ね合わせて、舌を入れ合う。
今まで我慢していたものが弾けるように、深く荒いキスになる。


「……ユキ、今日だけは許して」


キスをしながら、ユキを押し倒し、服を脱がしていく。


「んっ、」

「……久しぶりだからやばいかも」


目の前のユキを見ただけで、身体が熱を持つ。


「入れてもいい?」

「いいよ、きて」


まず指を入れてほぐしていく。ユキのものも触るが、もう既に硬く熱を持っていた。


「……っ、早く、リオのちょうだい」

「そういえばゴム……」

「いいから、中に出して。リオが欲しい」

「……っ」


ユキの中に入る。粘膜と粘膜が触れて、温かくて、ユキと繋がっていることを直に感じる。中がうねって、気持ちよさで苦しそうなユキの顔を見て、また高まってしまう。


「ふふ、また大きくなった」

「ユキ……っ、痛くない?」

「全然。っ、気持ちいい。上手になったね」

「これは仕事じゃないからっ。やばい……、もういっちゃいそ……」

「生やばいね……僕もいきそ……」

「あっ……っん、ユキっ」

「リオ……っ、んっ、あっ」


二人同時に達した。
キスをする。蕩けて、溶けてしまいそうだ。


「リオの……出てるの分かる」

「ユキが、可愛いからっ……」


恥ずかしくなってまたキスをする。


「今日だけは全部許して」


お互い裸のまま、くっついて寝た。結局、準備した食事も食べずに、そのまま眠ってしまった。
お昼頃に目が覚めて、豪華な食事をとった。


「誕生日後夜祭だね笑」

「もう昼だけどね笑」


目覚めると、ユキも起きたのかベッドから立ち上がったとき、太ももの内側から白い液体が垂れているのが見えた。


「あっ、あんま見ないで……」

「ごめん……昨日そのまま寝ちゃって……出さないと」

「いいよ、恥ずかしいから自分でやる」

「やだ、やらせて。これも誕生日特別ルール!俺の責任だし……」

「もう……」


浴室でユキの中から自分が出したものをかき出す。こんなに出したのかと思うほど、ダラダラと白いものが垂れてくる。時折反応してしまうユキが可愛すぎて、思わずキスしてしまう。ユキは恥ずかしいのか、自分の肩に顔を埋めて、声を抑えている。


「はいっ、終わったよ」

「ありがと」


そのままお風呂に入った。
ユキにとって誕生日が特別な日であってほしい。
これからも、ずっと。

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