異世界転生~魔法がない星に私は“中身だけ”転生する~

アネモネ

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第1章 森から王都へ

8.都市のルールと魔法

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「説明しながら歩くがいいか?」

「うん。色々教えて欲しい。」


小さな小道を歩きながらエルドは話始めた。

「話すのは多いが今のところ3つだけ覚えていて欲しい。1つ、深豊の森についてだ。
あの森は元々安らぎの場で低レベルの魔物の住み処だったんだ。だけどある年に何かの影響で魔物が暴走化し、何人もの旅人が食われ死んでいった。それで、狩人達が討伐の為に剣士数十人連れて入っていったんだ。」


彼らは1ヶ月、2ヶ月そして1年になっても帰ってこなかったと。


「え、それって食われたってこと?」

「確実な証拠はない。だが、年々あの森は少しずつ木が腐れ始めている。だから、皆は近づかなくなったんだ。死ぬかもしれないと言う恐怖でな。」


私も身震いをした。
っと言うことは私が今やろうとしていることは危険な行為なのでは?と頭に浮かび上がる。

「お前はあの森で雄一の生き残りだから大丈夫な筈だ。」


「い、いや、俺はイルドに言われて来ただけだし。」

「イルド?」


「いや、ナンデモナイデス。」

しまった。異空間の神だなんて言えない。ましてや、知り合っても間も無いし。


「…お前は時おり変なこと言うな。」


バカだのアホだの思ったのだろう。
独り言多いから。


「そ、それで2つ目は?」

「さっきのランクについてだ。」


ランクと言うのはアイテムボックスを出してアイテム素材に触れたときに説明文と出てくるランクのことだろうか。 


「素材によって異なりはあるが綺麗さや珍しいものによってランクが違うし値段も違う。ランクは1から5まである。」

「ランクによって食べれる物が違うんだろ?」

「あぁ、ランク2が付いている素材や食料や果物等は平民以下が食べられる食料、ランク3までは商店街に売られているものだ。」


「なら、ランク4からは貴族や王族が食べているってことか?」

「まぁ、そうなる。だからお前がしたことは貴族や王族から見ればたてついているように見えるんだ。」

なるほど。
そう言うのがここでのルールなのか。なら、私がさっき子供にしてきたことに胸が痛んだ。

「ちょっと待てよ。なら、俺がさっきしたこと貴族達に知られたりしたらどうなるんだよ!」


「…奴隷にされるかもしくは言いたくはないが体を売る売人になるかだな。月々1万ピルを名目にして」

「なっ、奴隷も体を売るもどっちも同じじゃない!」

「じゃない?」

「あ、あはは…。」


やってしまった。
動揺して素が漏れてしまった。
じーっと顔を見られる。


「さ、されたくない場合は拒否ったりしても駄目なのか?」

おどおどしながら質問を投げ掛けた。
不思議な顔をしながらエルドはうーんっと、唸る。


「拒否すると倍の請求があるらしいしな。俺も学生の身であるからまだどうとか言えないが。」


「じゃ、じゃあさ、俺がした獣人もそうなるの?」

「元気になったらそうなるな。」

私がしたことであの子が困るなら私はしないで良かったかもしれない。図々しいにもほどがあった。
ちらっとこちらを向くエルド。

「お前が何も相談なしに勝手に行動しないと誓ってくれるならなにも言わないし、誰も言わない。」

「本当か!あ、でも…俺…」


頭にちらつくあの子供の顔。
笑顔でまだ光があるそんな表情に俺は…。


「はぁ。今度からちゃんと分からなくてこう言うことがやりたいと思ったときはちゃんと相談すればいい。一応、まだ言うがお前の監視役で見ていた自分にも影響されるんだ。」

「うん、相談する。だからお願いします」


歩くのをやめて頭を下げた。

「あぁ、それと3つ目だがさっきも話した通り奴隷制度ってのがあるから奴隷や体を売りたくないならちゃんと相談して側にいろ。」


「え、う、うん。」


なんでか男同士なのに告白に聞こえたのは気のせいだろうか。

「それじゃ、道具屋にいくぞ。この時間帯なら客は少ないだろうし。」


「それより、俺から話したいことがあるんだ。」

「?なんだ、言ってみろ。」


今からやることはたぶん違法行為?と言うものに入りそうだがこれは彼と私の秘密にすればいいのだと確信した。


「この世界では魔法は使っちゃいけないの?」

「魔法?それは、なんだ。」

「え?」

「なんだよ。」


魔法を知らないってどう言うこと?
魔法がないと言うことを伝えられているってことかな?
確か、イルドが「魔法がない星」だと言ったことを思い出す。

「…なら、これについて知らないのか?“アイテムボックス”」

そう言うとさっきと同じくピコーンと鳴り、目の前に小箱が、現れた。

「は?え、お前、何したんだよ!」


困惑と興奮な目でエルドから見られる。

「これが魔法なんだけど…」


そう言えば、彼の適正属性見ていなかったと悟る。

「へぇ…」


少し興奮ぎみな彼にほのぼのと私は見ていた。
が、目が合うと元の表情、笑わない顔に戻ってしまった。

あらら、可愛かったのに。
少し残念な気もするがそれは押さえよう。

「見たことがないのか?」


慣れてきた口調に少しだけわくわく感が踊るのは気のせいだ。

「ないな。あったとしても人前で使うのはよした方がいいかもな。」


「狙われたりとか何かに使われそう?」

「あぁ、そうだ。その何とかボックス以外も使えるなら使わない方が方がいい。」


いろんな奴から狙われたりするからだろうか。

「分かった。だけど、これ使わないと道具屋で素材が売れないんだがどうすればいい。」

「それは、早めに言って欲しかったがしょうがない。これをやる。」


大きなリュックサックだろうか。
色々詰められそうだ。

「おぉ、ありがとう。ライド」


「別に。早くしろよ。」


「はいはい。」


貰ったリュックサックにアイテムボックスに入っている素材をどんどん詰めていく。

結構沢山入るもんだ感心した。
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