「アラフォーおっさん、爆乳エルフに転生し、奴隷から成り上がる!射撃チートで異世界無双!」

aki•smiley

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第1章

第4話 ご褒美タイム。

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 武器屋に到着した。中々品揃えが良く、知識のない俺にはどれを買って良いのかわからない。

「勇者の奴を捕まえれば、お姉ちゃんの弓矢と短剣、それから僕の杖を取り返せるかも知れない。だけどあいつの事だから、売り払った可能性も高いね。運良くこの店にあったりしないかなぁ」

 とラティム。フクスケたちの話によると、武器屋はこの街だけで三軒あるらしい。

「見ればわかる?」

「うん。伝説級の武器だからね。すぐわかるよ」

 なるほど。

 俺たちは店内をくまなく探したが、それらしい武器は見つからなかった。

「うーん、このお店には無いのかも。だけど勇者が立ち寄ったかも知れないから、お店のご主人に話を聞いてみようよ」

 店の奥にあるカウンターで、主人は武器の手入れをしていた。

「ああ! あった! あれだよお姉ちゃん!」

 ラティムが目を輝かせて、主人が磨いている長弓を指差す。それは美しい弓だった。所々に宝石があしらわれている。

「あの弓を取り戻せばいいんですね? なら、あっしに任せてくだせぇ」

 フクスケが自信ありげにそう言って、店主の前に進みでる。

「よぉカムイ。その弓、どこから仕入れた?」

 カムイと呼ばれた店主は、弓を磨く手を止め、ギロリと鋭い眼光をフクスケに向けた。年齢は四十代半ばと言ったところか。

「なんだ貴様か。この武器はな、勇者殿から引き取った物だ。このような逸品を手にしたのは初めてでな、うっとりと磨いておったところよ」

 カムイは「ほぅ」とため息をつき、弓を眺めた。

 フクスケが俺たちを振り向き、頷く。やはり売ったのは勇者で間違いない、と言いたいのだろう。俺とラティムも頷き返す。リョウゼン、ロクジュ、タタラは、無言で様子を見守っている。

「こちらの姐さんはな、アナスタシアさんだ。勇者のパーティーで共に旅をしていたんだが、理不尽な理由でパーティーを追放されたらしい。その弓は、元々姐さんの物なんだ。返してやってくれ。弓以外にも、矢と短剣、杖も一緒に買っただろ? 全部譲って欲しい。もちろんただとは言わねぇ。いくらで売ってくれる?」

 フクスケの言葉に、カムイは疑念を抱いたようだ。俺の方をジロリと睨む。

「確かに今言われた物は、全て引き取った。だが、俺の見立てではこれらは伝説級の逸品。値をいくらにしようか迷っていたところだ。通常ならこの弓だけでも五十万は貰うところだな」

「なんだと!? おいおい、そりゃいくら何でも高すぎだろう! ミスリルの武器でさえ、十万だろ? その五倍じゃねーか。もう少し負けてくれよ」

 いまいち物価が良く分からないが、とりあえず五十万は高いみたいだ。フクスケがすかさず値切りに入る。白熱する値引き交渉を眺めつつ、俺はラティムに向き直った。

「なぁラティム、お前いくら持ってるんだ?」

 俺はヒソヒソとラティムに耳打ちした。ラティムはお金を持っていると言っていたが、そういえば金額は聞いていなかった。

「十万くらいだよ」

 ラティムも俺に耳打ちする。吐息がくすぐったい。

「そっか......」

 ラティムがお金を持っていてくれただけでも奇跡だった。だから贅沢を言っちゃいかんのはわかってる。

 でもフクスケが値切っても、買えない可能性が出てきたな。

 だがフクスケは、そんな事とはつゆ知らず、交渉を続けている。最悪こいつに払ってもらうのもアリだな。

「くどい。これ以上は値引き出来ん。だがどうしてもと言うなら......そうだな。そちらのアナスタシアとやらが、本当に勇者殿のパーティーメンバーだったと証明して見せろ。そうすれば、全部の品を合わせて五十万でいい」

「本当か! よし、決まりだな! やりましたぜ姐さん!」

 フクスケはドヤ顔で俺たちを振り返る。

「良くやった。だが、私たちが勇者パーティーの一員だったと証明する為には、やはり勇者をとっ捕まえる必要があるな。それとギルドカードも必要だろう。急いで手頃な武器を調達し、奴隷商に殴り混みだ。ギルドカードを取り戻し、勇者の寝込みを襲うとしよう」

 俺の提案に、探術士のリョウゼンが遠慮がちに手を上げる。

「あの、もし良かったらなんですけど。三手に別れませんか? 勇者は酒に酔って寝てる可能性は高いですが、それでもいつ出発するか予想出来ません。なので、僕とタタラが『風来坊の靴亭』に向かい、フクスケとロクジュが『眠れる猪亭』に向かいます。勇者を見つけたら『念話』の魔法で姐さんに連絡します。姐さんとラティムさんは、その間にギルドカードを取り戻してはいかがでしょうか?」

 確かに。勇者がすぐに出発してしまう可能性は充分ある。ギルドカードの事に気をとられて、失念していた。

「その提案、乗った。それで行こう。じゃあさっさと武器を買って出発しようか」

「はい!」

 ラティムは自分で選び、一万レンくらいの杖を購入した。俺は良く分からないので、短弓と短剣を所持していると言う、探術士リョウゼンにアドバイスを受けた。俺の扱う弓は長弓だが、構造はほぼ変わらない。彼に勧められた長弓と矢のセット、それから短剣を購入した。全部で二万くらいかかった。

「これで武器の準備はオッケーだな。よし、行こうか」

「待ってくだせぇ!」

 武器屋を出ようとする俺とラティムを、フクスケが呼び止める。

「どうかしたか?」

 俺、なんか忘れてたかな?

「あっしとリョウゼンは、この店で姐さんのお役に立てましたか?」

「ん? まぁ、役に立ったな。うん。良くやったぞ」

「それなら! 褒美をくだせぇ!」

 は!? 褒美!?リョウゼンもコクコクと頷いている。

「なんだよ、褒美って。金はあまりないぞ」

「いえ、金じゃねぇです! あっしらが欲しいのは、姐さんのキスです! ほっぺにチューして欲しいです!」

 顔を赤らめて、でへへと笑うフクスケ。いい親父がチューとか言ってんじゃねぇ!

(言い忘れていました。接吻射撃キッス・シューティングで従属させた相手には、働きに応じて褒美をあたえねばなりません。褒美の内容は、従属者が口にします。働き以上の褒美は求めませんので安心してください)

「チュートリアルお姉さん」がとんでもない事を言い出す。つか、言い忘れんなよ!めちゃくちゃ大事な事じゃねーか!

 それにしても、まじかぁー!たくさん手下増やそうと思ってたけど、やめた方が良さそうだな。まさかそんな裏があるとは......。万能すぎるとは思ってたんだよなぁ。

 そう言う制約があるなら仕方ない。俺はまず、フクスケのほっぺたにキスしてやる事にした。

 フクスケの肩に手をかける。くそ、でかくて届かねぇぞ。

「おい、ほっぺたこっちに寄せろ」

「へ、へい!」

 フクスケは顔を真っ赤にして、少し膝を曲げた。うん、これなら届くぞ。俺は目を閉じて、奴のほっぺたにキスをした。うえー。

 フクスケの肩から手を離し、一歩下がる。だが奴は硬直したままだった。てか、泣いてるし!

「ありがとうごぜぇやす! この顔、一生洗いません!」

「いや、頼むから洗ってくれ。ばっちぃから」

「嫌です!」

 もうこいつにキスしたくないぞ......。

「次は僕にお願いします!」

 リョウゼンは目を閉じて、口を突き出している。おいおい、何どさくさに紛れてガチのキスしようとしてんだ。勘弁してくれ。

 俺はリョウゼンの唇は当然スルーし、奴のほっぺたにキスをした。

「うひゃあああっ。唇柔らかい......」

 リョウゼンは腰を抜かしてその場に崩れ落ちた。ったく、武器屋の片隅で何やってんだ俺たちは。

 援術士のロクジュと、癒術士のタタラが、羨ましそうに二人を眺めている。

「オイラ達も、頑張って姐さんにご褒美もらうっス!」

「そうだな! 俺たちはもっとすごいご褒美もらおう!」

 そう言って硬く握手を交わす二人。いや、あんまり頑張らなくていいぞ。ほどほどにしてくれ。ほっぺにキス以上の事とか、想像したくない。

「ラティム、ちょっと来て」

「何、お姉ちゃん、えええ!?」

 俺はラティムのほっぺたに思いっきりブチューッとキスをした。

「な、な、なんで!? 嬉しいけど!」

「口直しだよ。本当は口にしたいけど、我慢する♡」

「お姉ちゃん......♡」

 ラティムは本当に可愛いなぁ。ああ、もっとイチャイチャしたい。だがそんな事しちゃいかんよ。実の姉弟なんだし。

 俺は湧き上がる欲望を抑制しつつ、ラティムの手を握って武器屋を後にした。
  

 待ってろよ勇者。奴隷商人をぶちのめしたら、次はお前だ! ぜってぇザマァしてやるかんな!

 俺はラティムの可愛らしい笑顔を見つめながら、誓いを新たにしたのだった。
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