「アラフォーおっさん、爆乳エルフに転生し、奴隷から成り上がる!射撃チートで異世界無双!」

aki•smiley

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第1章

第3話 チュートリアル「接吻射撃」。

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 見える。敵の動きが、手に取るように。

 前世において喧嘩の一つもした事ない俺。当然ながら戦闘の技術は持ち合わせていない。

 だがしかし、この体「アナスタシア」の回避力は(たぶん)最高ランクのS。攻撃を避けることにおいては超一流と言ってもいいだろう。

 体がほとんど自動的に動く。まるで相手の行動を予見しているかのように、ひらひらとかわしていく。

「くそっ! こんな近距離でなんで当たらねぇんだ!」

 おそらくリーダー格であろう、戦士風の男が叫ぶ。無傷で捕らえよと言う指示に従い、武器を使わず素手での攻撃だ。

「おっと、そこまでだ姉ちゃん!」

 ラティムが男たちの一人に捕らえられてしまった。彼はアナスタシアと違って身体能力は高く無いようだ。まぁ魔法使いなのだから当然なのかも知れないが。

 まずいな。ラティムを人質に取るつもりだ。

「お姉ちゃん、僕の事はいいから逃げて!」

 くっ、なんて姉思いな弟。そして可愛い。そんなお前を置いていける訳がなかろう!

 だが実際のところ、手も足も出せないのは事実。

(ユニークスキル、射撃は、あらゆる物を射出する事が可能です。このチュートリアルでは、持ち物が無い場合の射撃、キスの射撃を練習します)

 また脳内に声が響く。キスって、あのキスの事だよね。投げキッスって事!? どうなのそれ......。寒い空気が流れるだけなんじゃなかろうか。

 本当にキスなんかで攻撃になるのか? 敵が「おっふ」てなる可能性はあるけど。

 まぁいい! やってみるぜ!

 俺は右手の人差し指と中指を唇に当て、ラティムを捕らえている男にその指を突き出す。同時に唇を強くすぼめて、軽く開く。「チュッ」という音が響いた。

 うおおー!恥ずかしい!めちゃくちゃ恥ずかしい!初めてやったぞこんなの!

 なんて事を考えたのは一秒にも満たない時間。次の瞬間、男の目の色が変わった。頰を赤く染め、潤んだ目で俺を見つめる。

 様子がおかしいと気づいたのか、他の三人も男に注目する。

「おい、どうかしたのか?」

 一人が呼びかけるが、男の反応は無い。じっと俺を見つめている。

「好きだ......!」

 うげぇ! こいつ俺に惚れちまったのか!? 投げキッス恐るべし。

 男はラティムを掴む腕を離し、しゃがみこんで祈るような体勢を取った。

「ぼ、僕を奴隷にしてください......」

 ええ!?結婚してとか付き合ってではなくて!?そっちの属性の人!?

 ま、まぁいい。とりあえず放っておこう。

「ラティム、こっちおいで」

「うん! お姉ちゃんすごい!助けてくれてありがとう!」

 ラティムはこれが「射撃」の効果だと気付いているようだ。

(初めてにしては上出来でしたね。その調子で他の三人にもキスを打ち込んでください)

 また変な声が......。綺麗な女の人の声だ。一体誰なんだ?

 ま、考えるのは後だ。俺はうろたえる三人の男に、連続でキスを打ち込んだ。

「チュッチュッチュッ♡」

「うごぁー!」「あふんっ!」「おぅいえ!」

 三人はそれぞれに奇声を発しながら、俺に恋したご様子。皆一様にひざまずいた。

(チュートリアル、達成です。射撃の派生スキル『接吻射撃キッス・シューティング』を習得しました)

 おお、なんか今のがスキルの一部になったみたいだ。

「すごいねお姉ちゃん。これもユニークスキルの力なんだよね」

「ああ、そうだ。武器がなくても何とかなりそうだな。まぁ、相手が女性の場合、効くかわからないが」

 ラティムが尊敬の眼差しで俺を見上げる。そんな顔も可愛い。

 とりあえず男には、この技は効果バッチリのようだ。

「皆の者、面をあげい!」

 四人が羨望の眼差しで俺を見つめる。まぁ、もともと面は上がってたけど、一回言ってみたかったんだよねコレ。

「お前ら、今から私の奴隷にしてやるぞ。私の命令はなんでも聞け。いいな」

「へい! あねさん!」

 なんか受け答えが、奴隷と言うよりは「どこぞの若い衆」みたいな感じだけど、まぁいっか。

「一人ずつ、名前と職業を言え。それから、立っていいぞ」

 俺が命令すると、四人は嬉々として立ち上がった。

「へい! まずあっしはこのパーティのリーダー、フクスケです!剣術士やってます!」

 フクスケと名乗ったのは、最初に俺たちに絡んできた男だ。大柄で、頭はスキンヘッド。顔に入れ墨をしている。典型的な悪役顔だ。名前は可愛いけどな。

「ふーん。はい次」

「はい! 僕はリョウゼンです! えっと、探術士です! 探索や罠の解除はお任せください!」

 さっきラティムを捕まえていた男だ。短髪で、小柄だ。この四人の中では比較的若く見える。だが目つきは鋭く、顔や体には傷がある。それなりに経験を積んでいるのだろう。

「オッケー。はい次」

「ウス!オイラはロクジュっす! 援術士っす! 支援魔法はお任せくださいっす!」

 すーすーうるさいっす。でも口癖なら仕方ないか。支援魔法って、攻撃力とか防御力とかあげたりするやつ? 役に立ちそうだな。

「そっかそっか。はい次」

「俺はタタラ! 癒術士さ! 傷を受けたら俺を頼ってくれ!」

 キラーンと白い歯を見せるタタラ。うぜぇ!でも治療系の魔法は、あると便利だろうな。

 こうして聞いてみると、中々バランスの取れたパーティーではなかろうか。攻撃魔法を使える奴はいなそうだけど、ラティムが攻撃魔法使えるみたいだし......。そう言えば、ラティムの職業は何だろう。

 俺はてっきり「魔法使い」ってのが一般的だと思っていたが、どうやら系統によって「~術士」と区別があるようだ。武器も同様で、俺は「弓術士」だし、フクスケは「剣術士」だ。

「ラティム、お前は何術士なんだ?」

 俺がそう聞くと、ラティムは良くぞ聞いてくれたとばかりに顔をほころばせた。

「僕!? 僕はねぇ、 写術士だよ。一度見た術をコピー出来るの。あ、でもユニークスキルとかチートスキルは無理だよ。勇者のを真似した事あるけど出来なかった。それ以外はいけるよ。あのね、数万人に一人の才能なんだって、写術士って!」

「そうなの!? ラティム! お前はやっぱり出来る子だよぉ♡」

 思わず声にハートマークを浮かばせつつ、俺はラティムを抱きしめた。おっぱいで窒息しないよう、優しく優しく抱きしめた。そして頭をヨシヨシする。

「お姉ちゃん、嬉しいけどちょっと恥ずかしい」

「そっか、ごめん」

 パッと手を離す。人前だと恥ずかしいよねやっぱ。気づかなくてごめんなラティム。

「いやー、なんかいいっすねぇ姉妹って。和むっす」

 ロクジュが微笑む。

「ラティムは男だぞ。私たちは姉弟だ」

「えええー!」

 四人の男が一斉に声を上げる。驚くのも無理はない。なんせ俺もめちゃくちゃ驚いた。こんな男の子がいて良いものだろうか。やはり男の娘と呼ぶべきだろう。服装は普通に男の子が着てるような感じなんだけどね。

「そんなに女っぽいかなぁ。もっと男らしくなりたいな」

 困ったように呟くラティム。

「いや! いいんだラティム! お前はそのままでいい! と言うよりも、是非そのままでいてくれ! それが私の切なる願いだ!」

 俺は必死だった。

「お姉ちゃんがそう言うなら......わかった。このままでいるね」

「うんうん。それがいいぞ」

 俺は嬉しくて、またラティムの頭を撫でた。ラティムは気持ち良さそうに目を細めて、俺が頭を撫でるのを受け入れていた。が、突然ハッとした顔になる。

「あああーっ!」

「どうしたラティム!」

 突然叫び出したラティム。ギルドの人々の注目が一気に集まる。

「大変だ! 僕らのギルドカード、あの奴隷商人が持ったままだよ!」

「何!? 本当か!ところでギルドカードってなんだ!?」

 俺の返答に、ラティムはガクッとなる。

「そっか、お姉ちゃんは覚えてないんだったね。身分証だよ。僕らのような冒険者だけでなく、どんな仕事をする人も、ギルドと呼ばれる組合に入るんだ。商人ギルドや船乗りギルドなんてのもあるよ。身分証がないと仕事が出来ない。僕は多少のお金はあるけど、やっぱり仕事はしないとこの先やってけないと思う」

 ふーむ。それは確かにまずいか。

「よーし。そんじゃ、いっちょ取り返しに行こう」

「うん。きっとお姉ちゃんなら取り返せるよ。仲間も出来たしね」

「仲間」と言う言葉を聞いて、フクスケたちが感涙する。

「あっしたちを、仲間と呼んでくれるんですかい、兄貴!」

「ちょ、兄貴って......やめてよそんな呼び方。僕はおじさん達より年下だよ。まだ十八歳なんだから。ラティムでいいよ」

「ほんじゃ、ラティムさん! 姉さん同様、あっしらは忠誠を誓いやすぜ! なぁオメェら!」

「おう!」

 剣術士フクスケに続き、探術士リョウゼン、援術士ロクジュ、癒術士タタラが声を張る。

 うむ。確かにこいつらは役に立ちそうだ。こき使ってやろう。

「まずは武器の調達だ! お前ら付いて来い!」

「へい! 姐さん!」

 俺は四人の奴隷......いや、仲間をパーティーに加え、冒険者ギルドを後にした。





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