恋人に浮気された腹いせに男娼を買ったら人生狂った。(完全版)

まりあ

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第二部。あれから一年後。オリム、さらわれる

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城の出口まで行くと、隣国の王と、王女が何事かとやってきた。



「オリム!まだ性懲りもなく生きてるの!?

クロノス…ヨリを戻してあげると言っているのに何でわからないの?

オリムはもうすぐ始末するから、遠慮する必要はないのよ」



そう言った王女に、クロノスはあからさまに不快な表情をした。
そして、オレをヴァイオレットに預けた。

オレは場違いにも、どうしようもなく寂しくなって、離れたくなかった。



クロノスは、沈黙したまま剣を仕舞って

王女に近づく。



そしてクロノスが彼女の胸ぐらをつかむと、王女の足が爪先立ちになった。

クロノスは女性に乱暴はしないタイプなのに。



「どうしたの?…クロノス!?く、苦しい」王女が驚いている。

「ぶ、無礼な。娘にフラれたことを逆恨みしているのか?護衛!護衛はどこだ!?」

隣国の王が言うが、護衛を呼んでも来ない。もうこの2人に倒された後だから。




「オリムさんが生きていて良かった…。

死んでたら、この国もあなたも道連れにしてます。

オリムさんは僕からお願いして婚約者になってもらった人です。
僕は彼を愛しています。

だから。これ以上は、許さない。

次、彼に何かしたら、あなたが生まれてきたことを、生涯後悔させます」

クロノスの声は、静かだけど怒っていた。


オレのために怒ってくれてる。

オレのためなら、なんだってする顔だ。

冷たく怒るクロノスにオレの心は熱くなる。

クロノス、オレもめちゃくちゃ好きだよ…

この胸の高鳴りはきっとヴァイオレットにも伝わってしまっているはずだ。


ヴァイオレットが舌打ちをしてから言った。
「王女様。
言っとくけど、この男は、
リィ…オリムのことになると見境ねぇから、命ひとつじゃ足りないぜ」


クロノスが手を離すと、

王女は震えながら数歩後退あとずさる。

それを王が支えた。

「そんな…。私が選ばれないなんて…。
そんなわけ…」
王女の声は震えていた。
王女を溺愛している隣国の王はクロノスたちを睨みつける。

そして、こちらに戻ってきたクロノスに言った。

「い、一介の貴族ごときが…お、脅すのか…無礼だぞ!!」




「「ただの脅しだと思うか?」」

ヴァイオレットとクロノスの声が、綺麗に重なり、

ヴァイオレットが出口の扉を足で蹴り開く。





城のまわりを王子率いるエスラスト軍が取り囲んでいた。王子はクロノスの姿を確認すると場違いに口角を上げ、嬉しそうに小さく手を振った。



市民まで武装しているし、もちろん騎士団も全軍勢揃いだ。なんだこれ、オレのせいで来てるのか?



「ば、バカな…、こんな男ひとりのために戦争を起こす気か?」

青ざめた王のつぶやいた声が、エスラスト軍のかけた拡声魔術にのって響きわたった。

王子が真面目な顔で返す。
こちらも拡声魔術がかかっている。

「『こんな男』と言うのが、我がエスラストの大切な魔術師長だと知っていてさらってきたのか?

仕掛けてきたのはそちらだ。売られたケンカは全力で対応するが、戦争をしてみるか?」



まてまてまて。
みんなバカか。なんでこんな大事おおごとにするんだよ。
城を破壊して登場するのもやり過ぎだと思ってるよ。
冗談でも、戦争なんて言うな。



きっと、クロノスやヴァイオレットの力で兵隊まで出させたんだろうけど、

一生みんなに頭があがらないだろ…



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