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第三章
5.恋と電波と後期試験(1)
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今日明日は後期試験で、明日の実技試験後にアリスが告白するらしい。今日の座学は授業内容が頭にあるので問題ないし、明日の実技なんて西公爵家に比べたら、ね? 何も問題がないので、軽く復習がてら応援弁当の中身でも考えようと少し早めに起きたんだけど・・・・・・とりあえず、誰かこの状況を説明してください。
事の始まりは、どうやらピンクのマドレーヌのせいで始まった毎週末のお泊り女子会らしい。
***
夏明けに転入してきた少女が、身分や婚約者の有無にかかわらず男子生徒たちに授業そっちのけで声をかけていた。学院は身分上下関係なく平等に授業を受けることができるため、身分なんて気にしなくてもいいが・・・・・・勿論限度がある。更に、わざわざ婚約者のいる男子生徒に彼らの婚約者が見ている前で触れたり、甘い声を出して話しているらしい。『らしい』というのは、転入してきた少女から被害を被っている男子生徒と彼らの婚約者の双方から苦情が来ているからだ。私自身も、一度「リオさまぁ~」とついて回られたが・・・・・・正直「なんだ、この逆なでするような声は」と魔物を射るときと同じ眼をしていたためか、それ以来近づいてくることはなかった。遠くの方で不快にも「リオさまぁ~」とは、言っているみたいだが。
それよりも問題だったのが、その少女と取り巻きになった男子生徒たちが行い始めた行動だった。誰が言い始めたのかわからないが、マドレーヌ劇団は事もあろうに、私の『大事なもの』を標的にしたのだった。許せるわけがないだろう?
「何故、私がアイツらの尻拭いのために走らなければならない? レティとの時間が取れないだろ」
「そう言ったって、『やる』って言ったのはお前だろ?リオ」
「ああそうだ。だって、考えてみろよ? アイツらが余計なことをあちこちで『レティの所為』にして回っているんだ。 レティに何かして良いのは、この『私』だけだよ? そうだろ?ジル」
「・・・・・・お願いだから、その顔をレティシア様に見せるんじゃねえぞ」
「何か言ったかい?」
「・・・・・・いや、何も。それで? レティシア様は無事なんだろ?」
「ああ。アランとヴァリエ嬢が物理的に阻止しているし、精神面のフォローはタイヤール姉妹に任せてある。流石にディオンが手を出すと話がややこしくなってしまうから、遠目からアイツらを見張ってもらうくらいしかできんがな」
「国際問題にするほどでもないしな。というか、例のピンク頭は俺達だけじゃなく、アランやディオン殿下にも突撃してくるんだろう? そっちは問題にならないのか?」
「彼らはほら、運動神経もいいし危機回避能力も群を抜いているから自衛で問題ない。ディオンに至っては、見つかる前に隠れるって聞いたぞ」
「なるほどな」
そもそも、あの劇団が何故レティを標的にしたのかも、何が目的なのかも全く分からない。ピンク頭の家が何か仕掛ける事も、見張らせてる影の報告からは見受けられない。一番予想できるのは、ただ男漁りをしているだけ。でも、これだと『何故レティを標的にしたのか』の答えが一切わからない。堂々めぐりなだけだった。
「一体、何が目的なんだろうな? 粉をかけているのは、上位の子息ばかりではないだろう?」
「報告によると、上下関係ないな。性格も関係はないらしい。唯一一致している報告は、皆『顔がいい』といわれる子息たちだけだな」
「げ!? 顔で選んでるのかよ・・・・・・じゃあ、ドン引き男が取り巻きしているのも『顔』か!?」
「あいつがいる時点で『顔』以外ないだろう」
「確かに。じゃあ、養子に入ったジルエット家が何か企んでいるわけでもなさそうだな」
「寧ろ、そうであった方がよほど楽だったんだが。ジルエット家自体も、何も問題がないし。ジルエット伯も何も知らないだろうな」
「それはまた・・・・・・かわいそうだな」
「引き取った外につくった愛娘の教育もできていないんだから、自業自得だよ」
「それもそうか。ところで、リオ。何やっているんだ?」
「あの劇団の所為で、公務も公爵家の執務も滞ってしまってさ。それなら先に済ませてしまえば、学院でレティの傍に入れるだろう?」
「それ、いつの分だよ?」
「今やっているのは、確か二月先の分だな」
「やりすぎだ!! やめろ!今すぐにやめろ!!」
「何も問題はないが?」
「寝てないだろ!? お前がそう言う時は、寝てないんだよ!! 何日寝てない?」
「・・・・・・三日目あたりから数えてないな」
「なんで、そこまでしてるんだよ!? それで学院行ってたのか!?」
驚くジルベールの顔には、「馬鹿じゃないのか!?」と書かれている。失礼だな。だって、仕方がないだろう?
「だって、こうでもしなければレティと一緒に居られないだろ? ヴァリエ嬢たちは週末も会っているんだ、ズルいだろうが」
「よし!わかった! リオは今から休暇だ」
「は? そんなことできるわけ」
「いいや!休みだ! ラウルさん、例のところに連れて行ってください」
「ちょっと、待て! 例のところってどこだ!? ラウ!やめろ! 私にはまだやることが」
「お先に失礼します。ジルベールくん」
「こちらは任せてください。リオをお願いします」
「はい。では」
「『では』じゃない!! おい!ラウ」
そうして執務室を追い出された私は、ラウに担がれたまま馬で運ばれた。鍛えてるはずなんだが、全く身動きが取れない。何が違うんだ? そして一体、どこに行くんだよ・・・・・・。夜風に当たって、忘れていた眠気が思い起こされてきたので、気づいたら担がれた状態で眠っていた。
「着きましたよ」とラウがやっと降ろしてくれたところは、どこかの屋敷の厩だった。乗ってきた馬を厩番に預けていると、暗闇からぬるっと出てきたランプの明かりとともに知っている声が聞こえてきた。なんで、そこにいるんだ?
「夜分遅くに、いかがなさいましたか?」
「ジルベールくんに『そろそろ限界のはずの殿下を休ませろ』と言われてしまいまして」
「左様でしたか。殿下が例の件でお疲れなのは、私共の耳にも届いております。では、こちらへどうぞ」
暗闇の中、アルマンの持つランプの明かりを頼りについていく。ここ、西公爵家だったんだな。階段を下りたり上ったり、いつも通る道とは違う道を進んでいき、一つの部屋の前についた。
「殿下。お手持ちの駒でも、徹夜仕事は三日が最良の仕事ができる限度でございます。主があまり横暴なことをすると下がついてこないのと同様、徹夜仕事も同じでございます。貴方様が一週間も寝ずの仕事をなさるので、彼らも困るのですよ? 少しは、自重してくださいませ」
「それは・・・・・・すまなかった」
「わかっていただけたのなら、よいのです。では、こちらでお休みください。旦那様と奥様にも殿下のご来訪は、すでにお伝えしてありますので」
「ああ。ありがとう」
「いえ、滅相もございません」
「どうぞ」と開けられた扉をくぐると・・・・・・ん?何かがおかしい。何かがおかしいと思うが、何が違和感を与えているのか全く分からない。ちらっと振り返ると、すでに扉は閉められていた。仕方がない。先程一瞬眠ってしまったためか眠気を自覚してしまい、本格的に眠くなってきた。諦めて、ベッドの方へ近寄る。
・・・・・・は?
待て待て待て待て!! 客間にしては違和感があると思えば、ここ、レティの部屋じゃないか!! アルマン、あいつ何考えているんだ!? 確かに疲れている時にレティの寝顔は、抜群に癒しの効果がある。あるけど! あ、駄目だ。癒しを見てしまったせいで、余計に気が抜けて眠たくなって・・・・・・もう――。
そしてそのままレティシアの横に倒れこみ、久しぶりのベッドの柔らかさとレティシアの傍にいる安心感から、直ぐに夢の中へ旅立ってしまった。
***
「そして、今に至るのですか・・・・・・」
「・・・・・・すまない」
目が覚めて、叫ぶより思考が停止して固まっていたら、もそもそと動く音で目が覚めたのか真横で眠っていたリオ様が起きた。とりあえず、なぜこの状況になったのかをリオ様に聞いたら、話しながらバツが悪そうに俯いた。なんでこの部屋に通したかなんて、日頃から西公爵家の執務を行っているリオ様を、両親がすでにお婿に来たと同然と思っていてもおかしくないので・・・・・・全面的に西公爵家が悪いと思うわ。それよりも、そんなに眠っていないって・・・・・・体壊しそうよ、リオ様。私のために頑張ってくれているっていうのは、ちょっと嬉しいけど。
寝起きドッキリは心臓に悪いけれど理由的に怒るに怒れないので、いつもの仕返しに目元にそっとキスをした。ちょっと恥ずかしいし、まだまだ覚悟なんて出来ていないけれど・・・・・・。案の定、何が起きたかわかっていないリオ様は、思考が停止したのか目を見開いて止まっていた。あ、珍しい顔。いつも完璧なリオ様がポカーンてしているの、すっごくかわいいわ。
ボフッと音を立てて湯気が上がりそうなくらい真っ赤になったリオ様に、疲れが取れる様にとジモの実とビーの蜜で作ったゆず茶ならぬジモの実茶を渡した。疲労回復ように入れたジモの実の皮のせいでちょっとほろ苦いけど、甘酸っぱいジモの実茶はきっとリオ様の体中の疲れを取ってくれるだろう。
窓際に二人並んで座り、お茶を片手に朝の陽ざしをいっぱい浴びてしっかりと目を覚ました。この後少しだけ試験勉強をして、朝食をとりに食堂へむかった。
・・・・・・そんなにニヤニヤしても、何もありませんでしたよ。娘を何だと思っているんですか、この両親は。さぁ、ご飯食べたら学院で試験が待ってますよ! ね?リオ様。
事の始まりは、どうやらピンクのマドレーヌのせいで始まった毎週末のお泊り女子会らしい。
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夏明けに転入してきた少女が、身分や婚約者の有無にかかわらず男子生徒たちに授業そっちのけで声をかけていた。学院は身分上下関係なく平等に授業を受けることができるため、身分なんて気にしなくてもいいが・・・・・・勿論限度がある。更に、わざわざ婚約者のいる男子生徒に彼らの婚約者が見ている前で触れたり、甘い声を出して話しているらしい。『らしい』というのは、転入してきた少女から被害を被っている男子生徒と彼らの婚約者の双方から苦情が来ているからだ。私自身も、一度「リオさまぁ~」とついて回られたが・・・・・・正直「なんだ、この逆なでするような声は」と魔物を射るときと同じ眼をしていたためか、それ以来近づいてくることはなかった。遠くの方で不快にも「リオさまぁ~」とは、言っているみたいだが。
それよりも問題だったのが、その少女と取り巻きになった男子生徒たちが行い始めた行動だった。誰が言い始めたのかわからないが、マドレーヌ劇団は事もあろうに、私の『大事なもの』を標的にしたのだった。許せるわけがないだろう?
「何故、私がアイツらの尻拭いのために走らなければならない? レティとの時間が取れないだろ」
「そう言ったって、『やる』って言ったのはお前だろ?リオ」
「ああそうだ。だって、考えてみろよ? アイツらが余計なことをあちこちで『レティの所為』にして回っているんだ。 レティに何かして良いのは、この『私』だけだよ? そうだろ?ジル」
「・・・・・・お願いだから、その顔をレティシア様に見せるんじゃねえぞ」
「何か言ったかい?」
「・・・・・・いや、何も。それで? レティシア様は無事なんだろ?」
「ああ。アランとヴァリエ嬢が物理的に阻止しているし、精神面のフォローはタイヤール姉妹に任せてある。流石にディオンが手を出すと話がややこしくなってしまうから、遠目からアイツらを見張ってもらうくらいしかできんがな」
「国際問題にするほどでもないしな。というか、例のピンク頭は俺達だけじゃなく、アランやディオン殿下にも突撃してくるんだろう? そっちは問題にならないのか?」
「彼らはほら、運動神経もいいし危機回避能力も群を抜いているから自衛で問題ない。ディオンに至っては、見つかる前に隠れるって聞いたぞ」
「なるほどな」
そもそも、あの劇団が何故レティを標的にしたのかも、何が目的なのかも全く分からない。ピンク頭の家が何か仕掛ける事も、見張らせてる影の報告からは見受けられない。一番予想できるのは、ただ男漁りをしているだけ。でも、これだと『何故レティを標的にしたのか』の答えが一切わからない。堂々めぐりなだけだった。
「一体、何が目的なんだろうな? 粉をかけているのは、上位の子息ばかりではないだろう?」
「報告によると、上下関係ないな。性格も関係はないらしい。唯一一致している報告は、皆『顔がいい』といわれる子息たちだけだな」
「げ!? 顔で選んでるのかよ・・・・・・じゃあ、ドン引き男が取り巻きしているのも『顔』か!?」
「あいつがいる時点で『顔』以外ないだろう」
「確かに。じゃあ、養子に入ったジルエット家が何か企んでいるわけでもなさそうだな」
「寧ろ、そうであった方がよほど楽だったんだが。ジルエット家自体も、何も問題がないし。ジルエット伯も何も知らないだろうな」
「それはまた・・・・・・かわいそうだな」
「引き取った外につくった愛娘の教育もできていないんだから、自業自得だよ」
「それもそうか。ところで、リオ。何やっているんだ?」
「あの劇団の所為で、公務も公爵家の執務も滞ってしまってさ。それなら先に済ませてしまえば、学院でレティの傍に入れるだろう?」
「それ、いつの分だよ?」
「今やっているのは、確か二月先の分だな」
「やりすぎだ!! やめろ!今すぐにやめろ!!」
「何も問題はないが?」
「寝てないだろ!? お前がそう言う時は、寝てないんだよ!! 何日寝てない?」
「・・・・・・三日目あたりから数えてないな」
「なんで、そこまでしてるんだよ!? それで学院行ってたのか!?」
驚くジルベールの顔には、「馬鹿じゃないのか!?」と書かれている。失礼だな。だって、仕方がないだろう?
「だって、こうでもしなければレティと一緒に居られないだろ? ヴァリエ嬢たちは週末も会っているんだ、ズルいだろうが」
「よし!わかった! リオは今から休暇だ」
「は? そんなことできるわけ」
「いいや!休みだ! ラウルさん、例のところに連れて行ってください」
「ちょっと、待て! 例のところってどこだ!? ラウ!やめろ! 私にはまだやることが」
「お先に失礼します。ジルベールくん」
「こちらは任せてください。リオをお願いします」
「はい。では」
「『では』じゃない!! おい!ラウ」
そうして執務室を追い出された私は、ラウに担がれたまま馬で運ばれた。鍛えてるはずなんだが、全く身動きが取れない。何が違うんだ? そして一体、どこに行くんだよ・・・・・・。夜風に当たって、忘れていた眠気が思い起こされてきたので、気づいたら担がれた状態で眠っていた。
「着きましたよ」とラウがやっと降ろしてくれたところは、どこかの屋敷の厩だった。乗ってきた馬を厩番に預けていると、暗闇からぬるっと出てきたランプの明かりとともに知っている声が聞こえてきた。なんで、そこにいるんだ?
「夜分遅くに、いかがなさいましたか?」
「ジルベールくんに『そろそろ限界のはずの殿下を休ませろ』と言われてしまいまして」
「左様でしたか。殿下が例の件でお疲れなのは、私共の耳にも届いております。では、こちらへどうぞ」
暗闇の中、アルマンの持つランプの明かりを頼りについていく。ここ、西公爵家だったんだな。階段を下りたり上ったり、いつも通る道とは違う道を進んでいき、一つの部屋の前についた。
「殿下。お手持ちの駒でも、徹夜仕事は三日が最良の仕事ができる限度でございます。主があまり横暴なことをすると下がついてこないのと同様、徹夜仕事も同じでございます。貴方様が一週間も寝ずの仕事をなさるので、彼らも困るのですよ? 少しは、自重してくださいませ」
「それは・・・・・・すまなかった」
「わかっていただけたのなら、よいのです。では、こちらでお休みください。旦那様と奥様にも殿下のご来訪は、すでにお伝えしてありますので」
「ああ。ありがとう」
「いえ、滅相もございません」
「どうぞ」と開けられた扉をくぐると・・・・・・ん?何かがおかしい。何かがおかしいと思うが、何が違和感を与えているのか全く分からない。ちらっと振り返ると、すでに扉は閉められていた。仕方がない。先程一瞬眠ってしまったためか眠気を自覚してしまい、本格的に眠くなってきた。諦めて、ベッドの方へ近寄る。
・・・・・・は?
待て待て待て待て!! 客間にしては違和感があると思えば、ここ、レティの部屋じゃないか!! アルマン、あいつ何考えているんだ!? 確かに疲れている時にレティの寝顔は、抜群に癒しの効果がある。あるけど! あ、駄目だ。癒しを見てしまったせいで、余計に気が抜けて眠たくなって・・・・・・もう――。
そしてそのままレティシアの横に倒れこみ、久しぶりのベッドの柔らかさとレティシアの傍にいる安心感から、直ぐに夢の中へ旅立ってしまった。
***
「そして、今に至るのですか・・・・・・」
「・・・・・・すまない」
目が覚めて、叫ぶより思考が停止して固まっていたら、もそもそと動く音で目が覚めたのか真横で眠っていたリオ様が起きた。とりあえず、なぜこの状況になったのかをリオ様に聞いたら、話しながらバツが悪そうに俯いた。なんでこの部屋に通したかなんて、日頃から西公爵家の執務を行っているリオ様を、両親がすでにお婿に来たと同然と思っていてもおかしくないので・・・・・・全面的に西公爵家が悪いと思うわ。それよりも、そんなに眠っていないって・・・・・・体壊しそうよ、リオ様。私のために頑張ってくれているっていうのは、ちょっと嬉しいけど。
寝起きドッキリは心臓に悪いけれど理由的に怒るに怒れないので、いつもの仕返しに目元にそっとキスをした。ちょっと恥ずかしいし、まだまだ覚悟なんて出来ていないけれど・・・・・・。案の定、何が起きたかわかっていないリオ様は、思考が停止したのか目を見開いて止まっていた。あ、珍しい顔。いつも完璧なリオ様がポカーンてしているの、すっごくかわいいわ。
ボフッと音を立てて湯気が上がりそうなくらい真っ赤になったリオ様に、疲れが取れる様にとジモの実とビーの蜜で作ったゆず茶ならぬジモの実茶を渡した。疲労回復ように入れたジモの実の皮のせいでちょっとほろ苦いけど、甘酸っぱいジモの実茶はきっとリオ様の体中の疲れを取ってくれるだろう。
窓際に二人並んで座り、お茶を片手に朝の陽ざしをいっぱい浴びてしっかりと目を覚ました。この後少しだけ試験勉強をして、朝食をとりに食堂へむかった。
・・・・・・そんなにニヤニヤしても、何もありませんでしたよ。娘を何だと思っているんですか、この両親は。さぁ、ご飯食べたら学院で試験が待ってますよ! ね?リオ様。
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