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第八章 黒王
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俺は海呪城の門前に立った。
それを見たミノが駆け寄ってくる。
「黒王様、本当にそのまま、飛び降りるのですか? 城内には、妖鳥と呼ばれる大きな鳥がいます。それに、お乗りになられた方が……」
「いらねぇ……。婦子羅姫を乗せろ。俺が隙をつくるから、その間に、〝悪魔の蓄音機〟の中に入れ。あとから、俺も行く」
「は!」
ミノが足早に去っていく。
それと入れ替わりに婦子羅姫が現れた。
なにやら、浮ばない顔でモジモジしながら俺の顔を窺っている。
「どうした? もう、そろそろだぜ」
「いや……さっきはすまぬ。そなたのことを恐ろしいと……」
婦子羅姫はチラチラと俺の顔を見ては、視線を落としている。
「別に怒ってないよ。気にすんな。でも……今は恐くないのか?」
「ああ、そなたは妾を守ってくれると言った。だから、恐くない」
「そっか……んじゃ、俺は先に行くぜ」
門が、「ギギー」という音をたてて、開かれる。
五千メートル近い上空からはぴゅうぴゅうと、強い風が吹いている。
マントがバサバサと激しく揺れる。
考えてみりゃ、俺、真っ黒だぜ。
槍も、鎧も、マントも、仮面も……もしかしたら、心も……。
俺は何も考えずに、門を飛び越えた。
門の外は、青い空。足場などない。
何も考えずそのまま、落下していった。
パラシュートをつけないスカイダイビングのようなものだ。
徐々に、落ちるスピードが速くなる。
「あれか……」
ちょうど、古城の真上に、その戦艦は浮んでいる。
俺は槍を真下に向けて、投げつけた。
別に、そんなに力を入れたわけでもない。
だが、槍は光りより速く、風を突き抜けていく。
戦艦に当たると、厚い何重もの装甲を突き破った。
やがて、「ぼん!」という音が鳴って、甲板から火があがった。
「次は……」
遅れて、俺が戦艦の上に飛び乗った。
何千メートル上から、落ちて来たというのに、体にはなんの異常もない。
これが魔王の力か……。
「この戦艦、デカすきなんだよ」
俺は拳を上空にかかげた。
指先からはビリビリといった、黒い電磁波みたいなのが流れている。
それを厚い装甲に思いっきりぶつけた。
拳を当てたところから中心にして、波のように黒い電磁波が艦全体に広がっていく。
戦艦が大きく、揺れだす。
所々に、火花が散り、機械が故障を訴えている。
それらを確認すると装甲を突き破って、艦内に侵入した。
俺が入ったところは、廊下だった。
中には、頭から猫のような縦耳を立てた兵士が数人いた。
「だ、誰だ! 貴様!」
「黒王だよ、覚えときな」
その猫人間達を拳で黙らせ、奥へと進んだ。
動力部はどこだ?
ドアを手当たり次第にぶち壊して、探す。
「これか……」
そのドアは、普通のドアと違って、〝CAUTION〟と書かれている。
コンピュータロックで厳重に守られていた。
「ち、めんどくせぇ」
俺はドアを力任せに蹴破った。
文字通り、扉は大破した。
「さすが、魔王の力」
部屋に技師が何人かいた。
迷うまでもなく、気絶させる。
中は薄暗く、奥には巨大なエンジンが「ブウウウ」という音をあげて、動いていた。
「これか……」
拳を突き下ろす。
たった一撃で、エンジンは鉄クズとなった。
艦がガクンといって、力が抜けたような揺れを起こす。
「よし、こんなもんか……」
俺は力任せに、厚い壁を壊して、戦艦から脱出した。
それを見たミノが駆け寄ってくる。
「黒王様、本当にそのまま、飛び降りるのですか? 城内には、妖鳥と呼ばれる大きな鳥がいます。それに、お乗りになられた方が……」
「いらねぇ……。婦子羅姫を乗せろ。俺が隙をつくるから、その間に、〝悪魔の蓄音機〟の中に入れ。あとから、俺も行く」
「は!」
ミノが足早に去っていく。
それと入れ替わりに婦子羅姫が現れた。
なにやら、浮ばない顔でモジモジしながら俺の顔を窺っている。
「どうした? もう、そろそろだぜ」
「いや……さっきはすまぬ。そなたのことを恐ろしいと……」
婦子羅姫はチラチラと俺の顔を見ては、視線を落としている。
「別に怒ってないよ。気にすんな。でも……今は恐くないのか?」
「ああ、そなたは妾を守ってくれると言った。だから、恐くない」
「そっか……んじゃ、俺は先に行くぜ」
門が、「ギギー」という音をたてて、開かれる。
五千メートル近い上空からはぴゅうぴゅうと、強い風が吹いている。
マントがバサバサと激しく揺れる。
考えてみりゃ、俺、真っ黒だぜ。
槍も、鎧も、マントも、仮面も……もしかしたら、心も……。
俺は何も考えずに、門を飛び越えた。
門の外は、青い空。足場などない。
何も考えずそのまま、落下していった。
パラシュートをつけないスカイダイビングのようなものだ。
徐々に、落ちるスピードが速くなる。
「あれか……」
ちょうど、古城の真上に、その戦艦は浮んでいる。
俺は槍を真下に向けて、投げつけた。
別に、そんなに力を入れたわけでもない。
だが、槍は光りより速く、風を突き抜けていく。
戦艦に当たると、厚い何重もの装甲を突き破った。
やがて、「ぼん!」という音が鳴って、甲板から火があがった。
「次は……」
遅れて、俺が戦艦の上に飛び乗った。
何千メートル上から、落ちて来たというのに、体にはなんの異常もない。
これが魔王の力か……。
「この戦艦、デカすきなんだよ」
俺は拳を上空にかかげた。
指先からはビリビリといった、黒い電磁波みたいなのが流れている。
それを厚い装甲に思いっきりぶつけた。
拳を当てたところから中心にして、波のように黒い電磁波が艦全体に広がっていく。
戦艦が大きく、揺れだす。
所々に、火花が散り、機械が故障を訴えている。
それらを確認すると装甲を突き破って、艦内に侵入した。
俺が入ったところは、廊下だった。
中には、頭から猫のような縦耳を立てた兵士が数人いた。
「だ、誰だ! 貴様!」
「黒王だよ、覚えときな」
その猫人間達を拳で黙らせ、奥へと進んだ。
動力部はどこだ?
ドアを手当たり次第にぶち壊して、探す。
「これか……」
そのドアは、普通のドアと違って、〝CAUTION〟と書かれている。
コンピュータロックで厳重に守られていた。
「ち、めんどくせぇ」
俺はドアを力任せに蹴破った。
文字通り、扉は大破した。
「さすが、魔王の力」
部屋に技師が何人かいた。
迷うまでもなく、気絶させる。
中は薄暗く、奥には巨大なエンジンが「ブウウウ」という音をあげて、動いていた。
「これか……」
拳を突き下ろす。
たった一撃で、エンジンは鉄クズとなった。
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「よし、こんなもんか……」
俺は力任せに、厚い壁を壊して、戦艦から脱出した。
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