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第一章『爆誕?! イレギュラーなTS魔法少女!』
Act.03:命名……魔法少女リュネール・エトワール!
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「という事で、魔法少女の名前を決めましょ」
ある日の昼下がり、ラビにそんな事を提案される。
戦うことを強制しないし、政府にも連れてかないとはいえ、何かしらしていると他の魔法少女と出会う可能性は高い。
名前がないのは不便なので、作ろうって事だ。政府の魔法少女は大体、自分で命名してるそうだ。
「名前ならあれで良いな……リュネール・エトワール」
「思いつきにしては中々良い名前ね……」
「まあ、リュネールは月、エトワールは星って意味だけどな」
どっちもフランス語である。英語だとなんかこう、いまいちピンと来なかったので敢えてフランス語にした。
「それで良いなら、それで名乗ると良いわ。あっさり決まったわね……」
「こんなもん、考えるだけ無駄じゃんか」
「そうかしらね……」
周りがなんと言おうとも、シンプルが一番。フランス語ってシンプルなのか分からんけど。
そんな訳で俺の魔法少女としての名前はリュネール・エトワールとなった。
「あと、変身中は言葉遣いを変えたほうが良いわね」
「変えるって言ってもなあ……」
「折角だし、練習よ、練習。ほら、変身する!」
「分かった、分かったから体当たりすんな!」
全く……仕方がないので俺はデバイスを手に取り、変身のキーワードを紡いだ。
「――ラ・リュヌ・エ・レトワル!」
『SYSTEM CALL "CHANGE" KEYWORD,OK――LA LUNE ET L'ETOILE――』
一瞬にして視界が真っ白になり、そして気が付けば変身が完了し、魔法少女リュネール・エトワールとなる。
『SYSTEM CALL "CHANGE" SUCCESS!!――GO!』
「それで? どうするんだ?」
「まずはその男口調を変えましょ」
「えぇ……」
「えぇ、じゃない! まず一人称はその容姿からだと僕とか俺は合わないわね……わたしでどうかしら?」
「わ、わたし?」
ちょっと抵抗があると思ったが意外と無いものだな。
ってか、良く考えたら俺今ニートだけど、少し前までは社会人やってたし、別に私って一人称使ってたしな。何かニュアンスは違うが。
「コホン。わたしはリュネール・エトワール」
「良い感じじゃない?」
「いやまあ……一応、少し前は社会人してたし」
「そう言えばそんなこと言ってたわね。それにしても宝くじって本当に当たるものなのねえ」
「それについてはお……わたしも驚いてる」
ただただ当たったら良いなって思って買っただけなのだが、当選発表見たら一致してるし。
何度も何度も確認したけど、間違いはない。実際お店に持っていけば1億円……そりゃあ、驚いたよ。
気分はもう最高潮だけど同時に恐ろしくも感じてしまったが……取り合えず、そそくさと口座に入れてもらって現在に至る。
別に無駄遣いも何もしておらず、普通に生活をしている。その為、全然お金は減らないのだ。使いたいものも無かったしな。
「それで今は自由気ままに過ごしてるのね……羨ましいわね」
「今はラビも同じだろ」
「まあ、確かに……って口調戻ってるわよ」
「一人称はあまり抵抗なかったが、やっぱ口調は難しい。何処でボロ出るか……」
「それなら、こんなのはどう?」
「ほうほう……確かに良さそうだな?」
□□□□□□□□□□
「じゃあ、質問するわね」
「ん」
ラビの提案と言うよりアドバイスで出来上がった口調の練習だ。これは簡単なものでラビが質問する内容をリュネール・エトワールとして答えるだけだ。
「あなたの名前は?」
「リュネール・エトワール」
「年齢は?」
「15歳」
まあ、実際に聞かれた時は答えるつもりはない。個人情報だし。今は練習で、ラビ相手に話してるので問題はない。15歳って言うのはこの身体の推定年齢から出した物だ。
実際は27歳の良い年したおっさんではあるが、そんな事この姿で言える訳ないので、予め設定を決めておくのだ。
「今は何をしてる?」
「家でのんびりしてる」
「好きな食べ物は?」
「ミートスパゲティ」
何となく、分かると思うがラビの提案ていうのは無口キャラとか言うやつだ。言葉数が少ないので、ぼろを出しにくい。
それでもやっぱり口調を変えるのは難しいと思った。そんな簡単に変えれるものじゃないしな。
それに、あくまで魔法少女リュネール・エトワールとしての口調なのでこちらにばっか仮に慣れてしまうと、今度は本来の姿でも喋ってしまう恐れがある。
その後も幾つかの質問をラビにされ、それに対して俺はリュネール・エトワールとしての口調で返答していった。
「受け答えは大丈夫そうね」
「そうかな?」
で、何回か思ったのだが無口キャラって結構難しい。言葉数を最低限にしないといけないし。
「じゃあ、自己紹介してみて」
「ん。わたしは魔法少女リュネール・エトワール。野良で活動してる、よろしく」
「中々良いじゃない」
「ん。でもこの演技疲れる」
普通の会話自体もリュネール・エトワールとしての口調で返すように意識する。意外と演技って言うのか、これ疲れるんだよな。
「あなたの目的は?」
「自由気ままに生きる、ただそれだけ」
正直、短時間の練習で大分慣れたと思ってる。まだたどたどしい所はあるが……でも相手がラビって言うのもあるのかもしれない。
「RPしてる気分」
「実際そうじゃない」
良くネトゲとかで、そのキャラになりきって喋ったりするあれだ。確かにRPしてるよねこれ。ゲームじゃなくて現実ではあるが。
「まあ、口調はこれで行けそうね」
「ん。頑張る」
頑張る……良く考えたら、今更だけど正体がばれるのは非常に不味いなコレ。男が女になるってまず、そこが謎だしモルモットにされかねないのでは。
口調を変えて別人としておかないと、確かに不味いかもしれん、と改めて思う。
「最後に一つ、良い事教えてあげましょうか」
「良い事?」
「ええ。魔法少女は魔力を纏って姿を変えてるのは何となく分かるわよね?」
「うん」
変身時は、若干の面影を残して別人になるのだが、俺の場合は男が女になるとかいう前代未聞の変身だから面影も何も無い。
で、姿が変わるのは魔力を纏ってるから。それが装甲の役割も果たしてるから魔法少女は、魔物の攻撃を受けても簡単には怪我しないのだ。
「試しにその状態で魔力を抑えてみなさいな」
「魔力を抑える……?」
いや、いきなりそんなこと言われもな。
「目を瞑って。感じるはずよ、自身が纏う魔力を」
「自身の魔力……」
ラビの言わるまま、目を瞑る。
そして自分の身体中を駆け巡り、守ってくれているその魔力を思う。すると、どうだろうか? 不思議な力が身体を駆け巡っている、その気配を感じる。これがが魔力を感じるという事なのだろうか?
「感じれたみたいね。じゃあ、その魔力が出ている場所……そこの栓を締める感じにしてみなさい」
駆け巡る魔力を辿り、何処からそれが出ているのかを探る。
「ここ」
魔力が出ている場所、それは血液とかと一緒で”心臓”だ。心臓……心、ラビが言った通りにそこから出ている魔力を水の例え、蛇口を締めるイメージをする。
効果はあった。締めていけば徐々に魔力が抑えられていく……完全に止めてしまうと変身解除になってしまいかねないので、自分なりの最低限の辺りで止める。
「え?」
するとどうだろうか。変身を解除した時のように、魔法少女としての衣装が消えていくではないか。しかし、服が消えても身体が戻る気配はない。
「え、何これ」
気づいたら下着姿になっていた。男の物ではない……リュネール・エトワールそのものの身体で下着姿となっている。
「それはちょっと魔力抑え過ぎね。もう少し増やしてみて、衣装もイメージしなさい」
という訳なので魔力の蛇口をひねって魔力量を増やす……イメージ。
「良いわね」
今度は下着姿ではなく、衣装を着ていた。それは魔法少女の衣装ではないが……何というか、可愛らしい白のワンピースだった。
「一体何が……」
「もう何となく分かってるんじゃないの?」
「何となく、は」
「要するに変身状態でも暮らせるという事ね。まあ、その状態を維持するにも魔力は使うけど、完全変身状態と比べれば圧倒的に消費は少ないわ」
「これ、本物?」
「触ってみれば?」
「え、いや、それは流石に……」
「あら、恥ずかしいの? 自分の変身した姿なのに」
「……」
そういう問題じゃないっつーの!
ある日の昼下がり、ラビにそんな事を提案される。
戦うことを強制しないし、政府にも連れてかないとはいえ、何かしらしていると他の魔法少女と出会う可能性は高い。
名前がないのは不便なので、作ろうって事だ。政府の魔法少女は大体、自分で命名してるそうだ。
「名前ならあれで良いな……リュネール・エトワール」
「思いつきにしては中々良い名前ね……」
「まあ、リュネールは月、エトワールは星って意味だけどな」
どっちもフランス語である。英語だとなんかこう、いまいちピンと来なかったので敢えてフランス語にした。
「それで良いなら、それで名乗ると良いわ。あっさり決まったわね……」
「こんなもん、考えるだけ無駄じゃんか」
「そうかしらね……」
周りがなんと言おうとも、シンプルが一番。フランス語ってシンプルなのか分からんけど。
そんな訳で俺の魔法少女としての名前はリュネール・エトワールとなった。
「あと、変身中は言葉遣いを変えたほうが良いわね」
「変えるって言ってもなあ……」
「折角だし、練習よ、練習。ほら、変身する!」
「分かった、分かったから体当たりすんな!」
全く……仕方がないので俺はデバイスを手に取り、変身のキーワードを紡いだ。
「――ラ・リュヌ・エ・レトワル!」
『SYSTEM CALL "CHANGE" KEYWORD,OK――LA LUNE ET L'ETOILE――』
一瞬にして視界が真っ白になり、そして気が付けば変身が完了し、魔法少女リュネール・エトワールとなる。
『SYSTEM CALL "CHANGE" SUCCESS!!――GO!』
「それで? どうするんだ?」
「まずはその男口調を変えましょ」
「えぇ……」
「えぇ、じゃない! まず一人称はその容姿からだと僕とか俺は合わないわね……わたしでどうかしら?」
「わ、わたし?」
ちょっと抵抗があると思ったが意外と無いものだな。
ってか、良く考えたら俺今ニートだけど、少し前までは社会人やってたし、別に私って一人称使ってたしな。何かニュアンスは違うが。
「コホン。わたしはリュネール・エトワール」
「良い感じじゃない?」
「いやまあ……一応、少し前は社会人してたし」
「そう言えばそんなこと言ってたわね。それにしても宝くじって本当に当たるものなのねえ」
「それについてはお……わたしも驚いてる」
ただただ当たったら良いなって思って買っただけなのだが、当選発表見たら一致してるし。
何度も何度も確認したけど、間違いはない。実際お店に持っていけば1億円……そりゃあ、驚いたよ。
気分はもう最高潮だけど同時に恐ろしくも感じてしまったが……取り合えず、そそくさと口座に入れてもらって現在に至る。
別に無駄遣いも何もしておらず、普通に生活をしている。その為、全然お金は減らないのだ。使いたいものも無かったしな。
「それで今は自由気ままに過ごしてるのね……羨ましいわね」
「今はラビも同じだろ」
「まあ、確かに……って口調戻ってるわよ」
「一人称はあまり抵抗なかったが、やっぱ口調は難しい。何処でボロ出るか……」
「それなら、こんなのはどう?」
「ほうほう……確かに良さそうだな?」
□□□□□□□□□□
「じゃあ、質問するわね」
「ん」
ラビの提案と言うよりアドバイスで出来上がった口調の練習だ。これは簡単なものでラビが質問する内容をリュネール・エトワールとして答えるだけだ。
「あなたの名前は?」
「リュネール・エトワール」
「年齢は?」
「15歳」
まあ、実際に聞かれた時は答えるつもりはない。個人情報だし。今は練習で、ラビ相手に話してるので問題はない。15歳って言うのはこの身体の推定年齢から出した物だ。
実際は27歳の良い年したおっさんではあるが、そんな事この姿で言える訳ないので、予め設定を決めておくのだ。
「今は何をしてる?」
「家でのんびりしてる」
「好きな食べ物は?」
「ミートスパゲティ」
何となく、分かると思うがラビの提案ていうのは無口キャラとか言うやつだ。言葉数が少ないので、ぼろを出しにくい。
それでもやっぱり口調を変えるのは難しいと思った。そんな簡単に変えれるものじゃないしな。
それに、あくまで魔法少女リュネール・エトワールとしての口調なのでこちらにばっか仮に慣れてしまうと、今度は本来の姿でも喋ってしまう恐れがある。
その後も幾つかの質問をラビにされ、それに対して俺はリュネール・エトワールとしての口調で返答していった。
「受け答えは大丈夫そうね」
「そうかな?」
で、何回か思ったのだが無口キャラって結構難しい。言葉数を最低限にしないといけないし。
「じゃあ、自己紹介してみて」
「ん。わたしは魔法少女リュネール・エトワール。野良で活動してる、よろしく」
「中々良いじゃない」
「ん。でもこの演技疲れる」
普通の会話自体もリュネール・エトワールとしての口調で返すように意識する。意外と演技って言うのか、これ疲れるんだよな。
「あなたの目的は?」
「自由気ままに生きる、ただそれだけ」
正直、短時間の練習で大分慣れたと思ってる。まだたどたどしい所はあるが……でも相手がラビって言うのもあるのかもしれない。
「RPしてる気分」
「実際そうじゃない」
良くネトゲとかで、そのキャラになりきって喋ったりするあれだ。確かにRPしてるよねこれ。ゲームじゃなくて現実ではあるが。
「まあ、口調はこれで行けそうね」
「ん。頑張る」
頑張る……良く考えたら、今更だけど正体がばれるのは非常に不味いなコレ。男が女になるってまず、そこが謎だしモルモットにされかねないのでは。
口調を変えて別人としておかないと、確かに不味いかもしれん、と改めて思う。
「最後に一つ、良い事教えてあげましょうか」
「良い事?」
「ええ。魔法少女は魔力を纏って姿を変えてるのは何となく分かるわよね?」
「うん」
変身時は、若干の面影を残して別人になるのだが、俺の場合は男が女になるとかいう前代未聞の変身だから面影も何も無い。
で、姿が変わるのは魔力を纏ってるから。それが装甲の役割も果たしてるから魔法少女は、魔物の攻撃を受けても簡単には怪我しないのだ。
「試しにその状態で魔力を抑えてみなさいな」
「魔力を抑える……?」
いや、いきなりそんなこと言われもな。
「目を瞑って。感じるはずよ、自身が纏う魔力を」
「自身の魔力……」
ラビの言わるまま、目を瞑る。
そして自分の身体中を駆け巡り、守ってくれているその魔力を思う。すると、どうだろうか? 不思議な力が身体を駆け巡っている、その気配を感じる。これがが魔力を感じるという事なのだろうか?
「感じれたみたいね。じゃあ、その魔力が出ている場所……そこの栓を締める感じにしてみなさい」
駆け巡る魔力を辿り、何処からそれが出ているのかを探る。
「ここ」
魔力が出ている場所、それは血液とかと一緒で”心臓”だ。心臓……心、ラビが言った通りにそこから出ている魔力を水の例え、蛇口を締めるイメージをする。
効果はあった。締めていけば徐々に魔力が抑えられていく……完全に止めてしまうと変身解除になってしまいかねないので、自分なりの最低限の辺りで止める。
「え?」
するとどうだろうか。変身を解除した時のように、魔法少女としての衣装が消えていくではないか。しかし、服が消えても身体が戻る気配はない。
「え、何これ」
気づいたら下着姿になっていた。男の物ではない……リュネール・エトワールそのものの身体で下着姿となっている。
「それはちょっと魔力抑え過ぎね。もう少し増やしてみて、衣装もイメージしなさい」
という訳なので魔力の蛇口をひねって魔力量を増やす……イメージ。
「良いわね」
今度は下着姿ではなく、衣装を着ていた。それは魔法少女の衣装ではないが……何というか、可愛らしい白のワンピースだった。
「一体何が……」
「もう何となく分かってるんじゃないの?」
「何となく、は」
「要するに変身状態でも暮らせるという事ね。まあ、その状態を維持するにも魔力は使うけど、完全変身状態と比べれば圧倒的に消費は少ないわ」
「これ、本物?」
「触ってみれば?」
「え、いや、それは流石に……」
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「……」
そういう問題じゃないっつーの!
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