悪役令嬢は地下牢でただこの世界の終わりを願っていたのに変態魔術師と人生をやり直しすることになってしまった

ひよこ麺

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37:予想外の展開と

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「……ルキヤンのことを死んだことにするなんて」

私はロジャーソンが処刑される報せを受けた時、その罪状にある内容に思わずそう声を上げていた。そして怒りで体が熱を持ち叫び出したくなる衝動を必死に抑えこんだ。

『自身の権限を使用して子供を誘拐し拉致監禁して殺した罪』

ロジャーソンに全ての罪を着せてさらには離宮にいる忌子の存在を知った者達に、その存在が既に死んでいてかつあくまでロジャーソンが勝手に手を染めた犯罪としたことでこれ以上の追及をかわしたのだ。

間違いない、この裏にはヤンデル殿下の母である側妃様がかかわっている。

側妃様は、私が知る限りとてもやり手であった。そもそも陛下は正妃様だけを愛している。

しかし中々、子宝に恵まれなかったのでやむ負えず迎えられたのが側妃様だ。

正妃様が深窓の令嬢という雰囲気ならば、側妃様は勝気な悪女のような雰囲気が漂っていた。実際、彼女に関する黒い噂は絶えず、正妃様を追い落とすためならなんでもすると言われている。

そして、ルキヤンがあそこに閉じ込められているのも人質にとられているようなものだと認識している。

だからこそ、その側妃様のことがある以上、正攻法ではルキヤンを救うための手立てが現状なくなったことも理解する。

ロジャーソンが全ての罪を着て処刑されたのだから……。

(折角、あいつに復讐できたのになんだかもやもやする)

ロジャーソンへの憎しみは消えないし、罪を償うことになったことはよかったのに、それ以上の罪を着せられて、殺されたことが私はなんだか嫌だった。

冤罪で殺されかけたからかもしれない、いくら憎い人間でも罪を着せられての断罪はなんだかもやもやした。

一旦、思考をクリアに戻す。

元々の計画では、離宮に閉じ込められている存在が居ること、その存在が皇族で忌子とされたルキヤン殿であると知らしめること、そしてもうひとつ秘密裡にリアムと進めていたを解くことでルキヤンを解放するつもりでいた。

それに際して、マクシム様のお力を借りたかった。

彼ならば大きな権力を持っているので忌子に関する認識の塗り替えに力を貸してもらえればルキヤンを救えると思っていた。

落ち込んでいると、自室の時計の音が止まる。時間が止まったようだ。

「マイ・クイーン。側妃が手を打ったようだね」

とても苦々しい表情をリアムが浮かべた。私も同じように悔しい気持ちだった。しかし、リアムのそれはもっと憎々し気に感じた。今回の件と関係なく側妃様をとても憎んでいるようなそんな感じがした。

リアムは基本的に胡散臭い笑みか、もう少し頼りない顔をしていることが多いのに今日はまるで憎しみを隠さない怒りの籠った表情をしているのが分かった。

「そうね。けれど、私は例のについては協力を仰げるかはわからないけれど、マクシム様に情報として伝えても良い気がするの、ただ私たちが動いたと知られないようにできれば、あの方はきっとルキヤンのために動いてくれるはずだと思っているの」

「マクシム様に……匿名で手紙を書いて届けることはできなくはない。ただ、そのような怪しい手紙を読んでくれるかが気になるところだけど……」

マクシム様は正妃様側だ。直接には会えない以上は、不確かでも手紙を送る方法はなしではない。ただそのままではいくら有益な情報でもそのまま読まれず最悪捨てられてしまうことすらありえた。

(ここは……側妃様に関する何らかの秘密の情報と合わせて伝えるとか、味方だと分かる何かが必要ね)

「リアム、貴方、側妃様について何か知っているの??」

「もちろん、あの毒婦が忌々しいことを僕はとてもよく知っている。だからはは、いや正妃がこの世界では陛下とことを良いことに唯一の皇太子を生んだとして好き放題に皇族を牛耳っているんだ」

吐き捨てるように言ったその顔は、怒りと憎しみに満ちたものだった。私はそのリアムの変化に驚きながら、フッと浮かんだ疑問をぶつけてみた。

「この世界??そういえばリアム、貴方はこの世界になる前、この間、竜神様が話していた別の世界を知っているのよね??その世界はどんな世界だったの??」

その世界の知識が今の世界に役立つかは分からない。けれど、ルキヤンを救うのに必要な情報、具体的には側妃様に関する秘密情報があるかもしれない。

すると、リアムは怒った顔からいつもの頼りない表情になる。そして、さらに眉を困ったなというように下げた。

「うーん、そうだな……、基本的にはこのままの世界だよ。ただ、少し配役が増えて変わるというか……」

歯切れが悪い答えだった。ただ、そう答えて考え込んだリアムが、何かを思い出したような顔をした。

「何か思い出したみたいね」

「……流石、マイ・クイーン。君はなんでもお見通しだね。思い出したよ、側妃を黙らせることができる情報を」
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