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03.性の喜びを知ったピヨちゃん※

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「ピヨちゃんのお肌はつるつるでたまご肌だね。はぁはぁ全身味見したいな美味しいだろうな。それに本当に良い匂いがするな……」

今までの人生で見たことのないような、まるで小規模な湖位のサイズがある湯殿の湯舟でお姫様抱っこから膝の上にのせられた僕は、かれこれ30分ほど、この調子で首筋あたりのにおいを嗅がれながら恐ろしい発言と、熱い吐息を項に受け続けている。正直に言おう、「気持ち悪い」。

いくらこの世界が生まれた日から存在する偉大なる竜王様であっても、いい加減に僕はこの変態というか変質者をしばいても許される気がしてきた。

嫌悪を隠さない眼差しでその黄金色の瞳を睨むが何故か微笑み返された。全く想定していた行動とは違う。ならば口で直接伝えるしかない。

「離してくれますか??これでは体を洗えないし、最悪の場合、湯あたりします」

「大丈夫だ、問題ない。湯あたりしても僕がピヨちゃんの可愛い可愛い体を舐めながら、いや、舐めるように綺麗にしてあげるからね」

目が本気だった。これはのぼせたら本当に体を全身舐めつくされるという恐怖を味わうことになる。絶対実行するというヨグ様の強い嫌な意思を僕は受け取った。

「とても気持ち悪い」

「ピヨちゃん。それいいな。嫌な顔して罵ってくるピヨちゃんもクるものがあるな。これも初夜が終わったらちゃんと夫婦の性生活のために記載しないといけないな。でも罵ってくる悪い子のピヨちゃんをお仕置きといいながら犯すとかも良いかもな、ふふふ」

「あの、さっきの話聞いてましたか??僕は性的不能者です、なので……んっ??」

また、不毛な説明をしようとした僕の胸の突起をいきなりヨグ様が摘まんだ。いきなりのことに驚いているとそのままそれをまるで摘まんで離してと繰り返した。その感覚が最初はただ意味が分からず驚くだけのものだったのに何故かじわじわと感じたことのない感触が走り出した。

(これは……えっ??なに??)

まるでじくじくと痒みがあるような妙な感覚がして身を捩ってその手から逃げようとするが、体格差がありすぎて全く歯が立たない。

「やめてください。なんだかこれ変で……」

「どう変なのか分からないから、事細かに教えてくれないか??」

すがすがしいほどの笑顔を浮かべている。とても腹立たしのにそれを諫めるよりも体がその奇妙な感覚を追い求めてしまう。

「なんだか、とても痒い。だから離してください」

「本当に痒いだけかな??もっと感じていることがあるでしょう。例えば……ここの奧が熱くなっているとか」

そう言って、僕の臍の下あたりを長く美しいが男らしさのある指でスッと真っすぐなぞった。なんだか指がなぞると同時に妙な熱のようなものがまるで火が灯るように生まれた気がした。

(なに、これ……)

身に覚えのない感覚に怯える僕の頬に柔らかい唇が触れた。そしてそのまま耳元で、

「ほら、熱くなっただろう。これが性の喜びだよ。可愛い可愛いピヨちゃんはこれからずーっと僕にえっちで気持ちいいことをされていく、ここの中が嬉しくなれるようにちゃんと全部教えてあげるからね」

熱い吐息を吐くように囁かれてまた、その臍の下がぞくりとするような熱を持つ。

「こわい……こんなの知らない……」

「ああ。ピヨちゃんは僕の番。だから僕と出会うまでは大人になれなかった。性の感覚も目覚めなかった。でも君は僕の愛おしい唯一無二の存在。だから僕に出会いその感覚と喜びを知るんだ。大丈夫、全部僕が受け止めてあげるよ、どんなピヨちゃんもぜーんぶね」

まるで砂糖菓子にさらにグラニュー糖を袋ごとぶちまけたような甘すぎる笑顔で言われた。そしてその笑顔をみただけで、僕の中で眠っていたものが目を覚ましていく。とにかく体が熱くて痒い。

「やっぱり、いや……こんな」

「さぁ、今度は直接的に撫でてあげるよ、この可愛い場所をね」

そう言って、生まれてこの方触られた覚えのない、小さな陰嚢をその手で優しく揉まれた。

「ヒッ!!」

いままで触れても何をしても感覚の鈍かったその場所はまるで、機能を果たすように熱を蓄えていく。体が作り替えられているようで震えてしまう。

そんな僕の項にチュッとリップ音を立てるキスを落としながら、いよいよ、ヨグ様の指より短い僕の陰茎を優しく包まれる。その手の中に完全に収まるそれに指を絡めて絶妙に刺激される。

はじめて感じた、痒みのような熱。その熱が恐ろしいほど全ての思考を奪い去り、快楽のために、無意識にその手に僕自身を擦り付けてしまう。

「ああ、えっちなピヨちゃん。無意識に僕に擦り付けて。いいな、早く全部食べてあげたい」

そう言ってさらに手を早めた時、僕はやってしまった。その手の中で漏らしてしまった、そう思った、けれど、ヨグ様の手が離れて、開かれた手の中のそれは見慣れた液体ではなくさらりとはしていたが白濁だった。僕は生まれてはじめて射精したのだ。

「あっ、ああああ」

「美味しそうなピヨちゃん初しぼりミルク。ふふふ」

そう言って、嬉しそうにヨグ様はそれを長い生き物のような赤い舌で丁寧に舐め取っていった。見ているだけで恥ずかしくて真っ赤になるとその様子をうっとりと見つめられた。

「ピヨちゃんはとても甘い」

「精液が甘いとしたら僕は病気です」

「ふふふ、じゃあ自分の味見してみる??」

そういって、まだ舌に残っているそれを見せた。冗談じゃない。そんなもの飲みたくない。

「嫌です」

「そっか。その嫌がる顔本当に良いな。まぁ僕も大切なピヨちゃんのはじめてのミルクはひとりで堪能したいからピヨちゃん本人にもあげないよ。でも、次も気になれば飲ませてあげるね」

「勘弁してください、あのこれで終わりですよね??」

これ以上何かするのがとても怖くて聞き返すが、無情な答えが返ってきた。

「ははは、まさか。僕はピヨちゃんを取り入れたけど、まだピヨちゃんは僕を取り入れてないよね。それでは契約が結ばれないからね、次はピヨちゃんが……これを咥えて僕のミルクを飲む番だよ」
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